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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.09
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Category : 未分類
 近所の飛行場でポンポンと実験航空機を飛ばされたらどう思うだろうか?

 周辺住民は迷惑だと考える。安全性が低い飛行機はいつ落ちるかわからないからだ。

 それで曲芸の見世物をされたらどう思うか?

 必要のない危険と騒音を振りまくものとしか考えない。

 だが、航空・宇宙クラスタ(自称)の皆さんはそれを理解できない。「ボクが大好きな飛行機がみんなに拒絶されるわけがない」と信じている。


■ 自作飛行機や実験用航空機をドンドン飛ばせ(松浦)

 松浦晋也さんの発言はそれを裏付けるものだ。

 日本はポイポイ飛行機を飛ばせないから航空産業が遅れていると述べている。「MRJ開発苦戦の理由? 日本の航空機産業の危機とは」で日本が航空後進国なのは法規制で自作航空機や実験航空機を気軽に飛ばせないからだと主張している。

米国のジェネアビにはもうひとつ「自作航空機」という底流がある。自分の作った飛行機に自分で乗るという趣味だ。裏庭のガレージで自分が乗って楽しむための飛行機をコツコツと作り、出来上がったら航空局の認証を取って自分で操縦して空を飛ぶ。米国の航空法には、実験航空機(Experimental Aircraft)という自作航空機を含むカテゴリーがあって[中略]米国には自作機を含む実験航空機のカテゴリーに入る機体が約2万4000機も存在する。自作航空機が趣味という人の集まりであるEAA(Experimental Aircraft Association)という組織もある。「道具として使い、楽しむ」だけでなく、「自分で作って自分で乗る」までを含む“ぶ厚い”ジェネアビの存在が米国の航空機産業の根本を支えているのだ。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1062892/081700010/


日本の航空法を調べてみると、実は開発のための実験航空機に関する規定はない。現在、日本では自作航空機を含む実験航空機には国土交通省・航空局が「JX」で始まるナンバーを与えて試験飛行の許可を出している。[中略]米国の実験航空機とは異なり、飛行ごとに煩雑な申請を行わなくてはならないのである。[中略]だから、日本が本気で航空機産業を振興するつもりならば、まず航空法を改正して実験航空機をきちんと法律の条文として位置付け、その飛行をスピーディーに行える制度を作る必要がある。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1062892/081700010/?P=3


 そして、実験飛行機を飛ばせばみんな喜ぶだろうと無邪気に推測している。曲芸や珍しい飛行機をいっぱい見られるからたくさんの人が喜ぶと述べている。

日本人は決して航空機が嫌いなわけではない。レッドブル・エアレース千葉には2日間で9万人もの観客が集まった。実際の機体を見ることができる自衛隊基地の基地祭は、どこもかなりの人出だ。自作した人力飛行機の性能を競ういわゆる「鳥人間コンテスト」は主催する読売テレビの看板番組のひとつといえるだろう。米国のEAAに相当する「エクスペリメンタル航空機連盟」という組織も活動している。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1062892/081700010/?P=3



■ 受益と受益は一致しない

 だが、それはあまりに無思慮な話だ。なぜなら負担者の存在をないがしろにしているからだ。

 提示されたレッドブル・エアレースは全くそれだ

 なるほど曲乗りにヒコーキ大好きが9万人集まった。それを見てみんな満足した。それは事実だろう。

 しかし、満足した連中の過半は会場となった千葉の海岸沿いに住んでいない。遠くから見世物を見に来た見物客に過ぎない。

 近隣住民はどう思うか? レッドブル・エアレースなぞ市長の人気取りであり、危険と騒音と混雑をもたらすものでしかない。そう考える。

 基地祭の展示飛行も変わらない。例えば常に騒音に悩まされている厚木の周辺住民からすればいいことは何もない。仮にブルーインパルスなりエンジェルスがきて、騒音を撒き散らしつつ危険な曲乗りをされれば「ふざけるな」となる。* 防衛や安全保障に理解ある階層でもそう考える。防衛のための騒音なら文句を言う程度で我慢できるし、必要性が説明でき、しかもリスクを極限した危険なら受忍もできる。だが航空ファンやら写真家を喜ばせるためとなれば馬鹿にするなと率先反対する。

 受益と負担は一致していないのだ。航空写真を撮りに行く連中は満足するが、それは住民を踏みつけにして得られるものだ。 

 しかし、松浦さんをはじめとする航空宇宙クラスターとやらはそれを理解できない。満足する側だけを見て「日本人は決して航空機が嫌いなわけではない。」と例示する。「ボクが好きなヒコーキをみんなが嫌うわけがない」と信じ切っているわけだ。


■ 気軽に自作の実験航空機に飛ばれてたまるか

 つまりは、飛行機の迷惑を全く理解できない、想像できないということだ。

 そもそも、航空・宇宙クラスタとしての理想も「アメリカなりロシアなりでやってくれ」でしかない。

 出すのは米国の人口希薄な地区の例だ。「裏庭のガレージで自分が乗って楽しむための飛行機をコツコツと作り、出来上がったら航空局の認証を取って自分で操縦して空を飛ぶ。」(松浦)と、出羽守をしている。そして、同じように日本もその制度を作れと主張している。

 それを人口稠密な日本で許す訳にはいかない。ガレージで作ったような自作機を制限なく飛ばされても危険なだけだ。実際に「私は不謹慎を信条とする」みたいなマヌケがいる。法の規制がないだけで、銃猟禁止関係なく半矢出しまくりのパチンコで狩猟をするような頭のゆるさでしかない。そいつが自己顕示欲から珍妙なデザインの低安定性の自作機をガレージで作っても、案の定、住宅地に科学忍法火の鳥をするのがオチだ。本人はどうでもよいが被害者は泣くしかない。

 企業の航空開発も同じだ。航空機工場があるような場所はある程度は都市化が進んでいる。その隣接飛行場で試験機を気軽に飛ばすリスクを認識しているかは怪訝である。そんなの外国でやってくれだ。

 「ヒコーキやロケットは飛ばせばみんなは喜ぶ、誰も反対しない」とでも思っているのだろう。宇宙作家クラブとやらのように、分別盛りの50も過ぎてそう主張するような連中はどうかしている。種子島のロケット打ち上げ見物の打ち上げでまとめてフグにでも当たって21gになり自由に空を飛べばいいのにとしかいいようがない。




*  ちなみに入間でもそのようなものだ。騒音が少ない機体だから問題が顕在化していないだけの話だ。例えば、昔は自衛隊記念日に入間で展示飛行をしたが、横田や地形の関係から東側で陸海空自衛隊の飛行機が、戦闘機から対潜飛行艇までグルグル周りをしていた。その真下に家があったので迷惑千万だった。横田に北から進入する飛行機を含め、一機二機が比較的高度を取って間延びして飛ぶから文句は出難い。だが、長時間連続してしかも低空を飛ばれると堪ったものではない。だから平成の御代にはやっていない。
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