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以前、筆者のC-2批判は「XC-2最大のセールスポイントはガン無視w」といった興味深い評価を頂戴したことがあるのだが。その評価者のCHINさんが再び不思議な主張をされている。「7.62ミリ弱装弾は64式小銃でなければ撃てない」といった内容である。
自衛隊贔屓が過ぎる御仁である。「紛失弾薬が『反社会勢力の手に渡ったら~』」といった意見を聞いて「空自を責める」といきり立っての反応なのだろう。
だが、その反論には首をかしげざるを得ない。「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)はあまりにも非常識な主張だからだ。
■ ボルト・アクションをご存じない
まずはボルト・アクション式ライフルをご存知ない点だ。
これは旧軍の三八式歩兵銃のようなタイプである。銃身末端にある尾栓を手動で開け閉めする方式であり、民間ライフルでの主流である。
この場合、弾薬外寸だけあっていれば何の問題もなく撃てる。ボルトアクションは弾の設定は選ばないからだ。弾頭の形状や重量、火薬の量や燃焼特性はほぼ無視してよい。弾頭は55グレインから260グレインまで、あるいは尖頭でも丸玉(これはサルーンガンで使われる)でも、鉛でも鉄でも撃てる。火薬量も耳かきいっぱいからフルチャージまで、銃身が割けない限りは問題なく発射できる
そして64式小銃の弾薬外寸は西側世界の民間狩猟ライフルと同一だ。64式の弾薬はNATO標準の7.62×51弾であるが、これは民間狩猟用ライフル主流の308WIN(0.308口径ウインチェスター)そのものでもある。当然ながら308WIN用のライフルにはそのまま使える。
さらにいえば命中精度もおそらくは64式よりも優れる。64式は高精度といわれるが、所詮は軍用銃である。対して狩猟ライフルは一般的にはそれどころではない精度をもつからだ。
つまり、「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)は奇妙な主張だということだ。
■ 半自動銃もまず回転する
また半自動銃でも動作する。同じ308WINの銃であれば適合するからだ。
最初の一発は確実に発射できるし、次の弾もまずは順調に装填される。
なぜなら民用銃の方が弾薬許容性が大きいためだ。軍用銃はお仕着せの弾薬にだけ対応できればよいが、民間用ライフルは所持者ごとに異なる嗜好、各種設定に対応する必要がある。軽量の弾を弱装で打ちたい人から、重量級の弾を強装で打ちたい人もいる。弾薬も製造会社の差異に対応する必要もあるし、自分で弾を作る人にも対応しなければならないからだ。
そもそもライフルでは動作力の不足は起こりにくい。拳銃に多い単純な反動利用ではなくガス圧利用が多いためだ。自動拳銃なら弱装による後退力不足と回転不良は起きやすいが、半自動ライフルでは動作機構上も弾薬火薬量にはそれほど依存しないため、自衛隊向け弱装弾程度の理由で回転不良といった事態は置きがたい。どっちかといえば軍用のように命中精度や使い心地を犠牲にしてまでガタガタに、遊びを大きくとって設計しないので、気温や砂塵といった外部条件や過熱の影響の方が大きいだろう
むしろ撃ち針の力が強い分、64式よりも回転は確実かもしれない。64式の撃ち針は弱く雷管をしっかり叩けないためだ。
この点でCHINさんは64式の問題点をご存知なのか? とも考えてしまう。実際に64式は撃針の力不足や弾倉不具合による給弾不良で発射不良も多いからだ。
その点でも つまり、「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)は首を傾げる主張である。下手をすれば64式よりも民間銃の方が快調動作する可能性もあるからだ。
■ 動作不良も尾栓を引っ張れば終わり
そもそも「回転不良はそれほどの問題か?」といった疑問も浮く。
半自動銃で回転が完了しなくとも尾筒のレバーを引っ張れば済む話だからだ。手間でもないし、小銃も基本的には単発射撃なのでそれで構わない。
実際に、64式の一部銃はその状態にある。給弾不良や撃発不良により上部のレバーをしょっちゅう引っ張って射撃する銃もある。
この点でもむしろ民間銃の方が筋がよい。弾薬許容性から撃ち針が弱いといった話はないので一度レバーを引いて装填できけば確実に発砲できるからだ。64式のように撃発不良でレバーを引いて新しい弾を装填し、もういちど不良でレバーを引いて新しい弾を装填しといった状況はほぼない。
これも「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)で不思議な点だ。
■ 自衛隊言説の鵜呑みをするマニア
結局は、CHINさんは自衛隊言説の鵜呑みしているだけだということだ。
64式は特殊な弾を使っている。それだけを聞いて「64式の弾は64式でしか撃てない」と信じ切った結果が「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)と言った発言だということだ。
これは従来のC-2礼賛も同じである。
自衛隊の言うことを鵜呑みにする。「C-17にも備わっていない民航機と同じ速度で飛行可能というXC-2最大のセールスポイント」(CHIN)と言い切ってしまう。防衛省自衛隊が苦し紛れに作った理由にすぎないのだが、批判的に読めないし、その背景も考えられないのでそうなる。なおこのCHINさん発言についての問題は、前に「自衛隊をとりまく変化が見えていないのだろうね」に書いたとおり。
そもそもそれが本当であるかどうかは考えない。自衛隊で言っていることだから、自衛隊が行っていることだから正しいと頭から信じ込んでいる。だから珍妙な主張につながるのである。
まー、ツイートみても興味の指向が中村桜やらGATEやらの消費だから仕方ないのかもね。それっぽい消費をして、それっぽいことをいいたいだけ。豆知識について「ボクはそれを知っている」と言いたいだけ。なぜそうなっているのか、本当にそれが正しいのかについてはあまり興味もないのでしょう。
chin@chin_1stLT
そういえば何日か前に射撃訓練しようとしたら実弾が20発分、数が合わなくて訓練中止になった件についてニュースサイトで「反社会勢力の手に渡ったら~」みたいな反応があったけど、ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問(管理面の話は別)
https://twitter.com/chin_1stLT/status/914472659467030529
自衛隊贔屓が過ぎる御仁である。「紛失弾薬が『反社会勢力の手に渡ったら~』」といった意見を聞いて「空自を責める」といきり立っての反応なのだろう。
だが、その反論には首をかしげざるを得ない。「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)はあまりにも非常識な主張だからだ。
■ ボルト・アクションをご存じない
まずはボルト・アクション式ライフルをご存知ない点だ。
これは旧軍の三八式歩兵銃のようなタイプである。銃身末端にある尾栓を手動で開け閉めする方式であり、民間ライフルでの主流である。
この場合、弾薬外寸だけあっていれば何の問題もなく撃てる。ボルトアクションは弾の設定は選ばないからだ。弾頭の形状や重量、火薬の量や燃焼特性はほぼ無視してよい。弾頭は55グレインから260グレインまで、あるいは尖頭でも丸玉(これはサルーンガンで使われる)でも、鉛でも鉄でも撃てる。火薬量も耳かきいっぱいからフルチャージまで、銃身が割けない限りは問題なく発射できる
そして64式小銃の弾薬外寸は西側世界の民間狩猟ライフルと同一だ。64式の弾薬はNATO標準の7.62×51弾であるが、これは民間狩猟用ライフル主流の308WIN(0.308口径ウインチェスター)そのものでもある。当然ながら308WIN用のライフルにはそのまま使える。
さらにいえば命中精度もおそらくは64式よりも優れる。64式は高精度といわれるが、所詮は軍用銃である。対して狩猟ライフルは一般的にはそれどころではない精度をもつからだ。
つまり、「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)は奇妙な主張だということだ。
■ 半自動銃もまず回転する
また半自動銃でも動作する。同じ308WINの銃であれば適合するからだ。
最初の一発は確実に発射できるし、次の弾もまずは順調に装填される。
なぜなら民用銃の方が弾薬許容性が大きいためだ。軍用銃はお仕着せの弾薬にだけ対応できればよいが、民間用ライフルは所持者ごとに異なる嗜好、各種設定に対応する必要がある。軽量の弾を弱装で打ちたい人から、重量級の弾を強装で打ちたい人もいる。弾薬も製造会社の差異に対応する必要もあるし、自分で弾を作る人にも対応しなければならないからだ。
そもそもライフルでは動作力の不足は起こりにくい。拳銃に多い単純な反動利用ではなくガス圧利用が多いためだ。自動拳銃なら弱装による後退力不足と回転不良は起きやすいが、半自動ライフルでは動作機構上も弾薬火薬量にはそれほど依存しないため、自衛隊向け弱装弾程度の理由で回転不良といった事態は置きがたい。どっちかといえば軍用のように命中精度や使い心地を犠牲にしてまでガタガタに、遊びを大きくとって設計しないので、気温や砂塵といった外部条件や過熱の影響の方が大きいだろう
むしろ撃ち針の力が強い分、64式よりも回転は確実かもしれない。64式の撃ち針は弱く雷管をしっかり叩けないためだ。
この点でCHINさんは64式の問題点をご存知なのか? とも考えてしまう。実際に64式は撃針の力不足や弾倉不具合による給弾不良で発射不良も多いからだ。
その点でも つまり、「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)は首を傾げる主張である。下手をすれば64式よりも民間銃の方が快調動作する可能性もあるからだ。
■ 動作不良も尾栓を引っ張れば終わり
そもそも「回転不良はそれほどの問題か?」といった疑問も浮く。
半自動銃で回転が完了しなくとも尾筒のレバーを引っ張れば済む話だからだ。手間でもないし、小銃も基本的には単発射撃なのでそれで構わない。
実際に、64式の一部銃はその状態にある。給弾不良や撃発不良により上部のレバーをしょっちゅう引っ張って射撃する銃もある。
この点でもむしろ民間銃の方が筋がよい。弾薬許容性から撃ち針が弱いといった話はないので一度レバーを引いて装填できけば確実に発砲できるからだ。64式のように撃発不良でレバーを引いて新しい弾を装填し、もういちど不良でレバーを引いて新しい弾を装填しといった状況はほぼない。
これも「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)で不思議な点だ。
■ 自衛隊言説の鵜呑みをするマニア
結局は、CHINさんは自衛隊言説の鵜呑みしているだけだということだ。
64式は特殊な弾を使っている。それだけを聞いて「64式の弾は64式でしか撃てない」と信じ切った結果が「ぶっちゃけ7.62mm弱装NATO弾撃てる銃を持っている反社会勢力が存在するのかそもそも疑問」(CHIN)と言った発言だということだ。
これは従来のC-2礼賛も同じである。
chin @chin_1stLT
輸送機といえば、とある雑誌でとあるライターがXC-2を「国内での仕様が優先で大きさも中途半端」とdisっていたのだが、もともと空自の需要は国内がメインターゲットだしC-1やC-130と比べたら海外への運行も比較的柔軟に運用できるんだけどなぁ
chin @chin_1stLT
なにより記事でイチ押ししていたC-17にも備わっていない民航機と同じ速度で飛行可能というXC-2最大のセールスポイントはガン無視w
https://twitter.com/chin_1stLT/status/833685672460365825
自衛隊の言うことを鵜呑みにする。「C-17にも備わっていない民航機と同じ速度で飛行可能というXC-2最大のセールスポイント」(CHIN)と言い切ってしまう。防衛省自衛隊が苦し紛れに作った理由にすぎないのだが、批判的に読めないし、その背景も考えられないのでそうなる。なおこのCHINさん発言についての問題は、前に「自衛隊をとりまく変化が見えていないのだろうね」に書いたとおり。
そもそもそれが本当であるかどうかは考えない。自衛隊で言っていることだから、自衛隊が行っていることだから正しいと頭から信じ込んでいる。だから珍妙な主張につながるのである。
まー、ツイートみても興味の指向が中村桜やらGATEやらの消費だから仕方ないのかもね。それっぽい消費をして、それっぽいことをいいたいだけ。豆知識について「ボクはそれを知っている」と言いたいだけ。なぜそうなっているのか、本当にそれが正しいのかについてはあまり興味もないのでしょう。
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