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読んでいて不条理と疑問符だけが浮かぶ安全保障記事は珍しいものだ。
渡邉哲也さんインタビュー記事「中国、75%の確率で米国と軍事衝突か…最速5時間で米国の勝利が確定」は読めば読むほど疑問符が浮かぶ、ある種の因果関係の狂いをグンニョリと当てつけられる文章になっている。
その中身はどうでもよい。中国が憎い、北朝鮮が憎いをベースに「危険が危ない」を重ねるだけ凡百記事である。国難宗教系信者と同じメンタリティーをもつネトウヨに国難を訴えるよくあるネトウヨ向け商売である。
だが、そのデティールは不思議に満ちている。一種怪訝というか、奇妙な感覚を伴う展開となっている。同じ日本語でありながら会話が成立しない。ロジック段階での不整合によるシュールな内容となっている。
■ 日本の土地をどう軍事利用するのか?
まずは、説明で実現不能な具体化をすすめる怪訝である。
例の「国防動員法の危険がアブナイ」を振り回している。それはよいのだが、その主張の具体化が不能犯方向に進んでいる。その点でオカシイのだが、足りない部分をはどうなっているかを補って具体化しようとするとグンニョリする。
まず、日本の土地をどう軍事利用するというのだろうか?
敵国の土地を民間ベースで取得する。それは可能だ。
だが、敵地にある以上、軍事利用のしようもない。拠点として利用するにしても、軍隊武器弾薬をどう運び込むのだろうか?
それっぽいことを言いながら具体がないのである。それが怪訝の一つだ。
ネトウヨ商売として抽象的に国防動員法が危険と言いたいのはわかる。だが、それなら危険性を具体化しなければならないが、それが全く出来ていない。
そこをどうやって軍事利用すると思っているのか、それを想像すると袋小路である。渡辺さんの主張に合わせて考えるとどうしても成立しない。その点でグンニョリしてしまう。
■ 「米中の利害は一致している」のに「米朝開戦」が「日中開戦」とか
また、ロジックの展開の不整合のグンニョリである。
なぜ米朝開戦が日中開戦に結びつくのか、それがどうやっても全く理解できない展開となっているからだ。渡辺さんは北朝鮮問題は「米中の利害が一致する」と述べながら最後に「仮に『米朝開戦』が現実になれば、それは『日中開戦』と同義といえるでしょう。」と述べている。
該当部分を引用すると次のとおりだ
何回読んでもわからない。
それぞれの段落内部での整合性は取れている。もちろん、いまさら「習主席の政敵である上海閥および北部戦区の征伐」(渡邊)といったどうしようもない手垢のついた空想を提示しているのはともかくとしよう。内容はともかくロジックとしては収まっている。
だが、それぞれの段落間に整合性が取れない。なんで結論が「米朝開戦」が「日中開戦」と同義になるのかが理解できない。それまでの段落ならそのような結末とはならないからだ。これもグンニョリである。
■ 誰に聞いたのか何を読んだのか
軍事的ディティールも事態の整合性がグンニョリしている。
簡単なことだ。水上艦を潜水艦が追尾するシチュエーションがあり、その水上艦が追尾されているはずの潜水艦をアクティブ探知し続けるシチュエーションが語られていること。それを水上艦が航行の自由作戦に行っているといった狂った事態である。
普通、潜水艦が水上艦を追尾することはない。
まずは速力的に厳しい。在来潜水艦なら無理であるし、原潜にしてもわざわざ静粛速力以上の速力を出さなければならないからだ。
そもそも、潜水艦で追尾するメリットもない。公然監視としては目立たない。情報収集かねての監視なら自艦から通信ができない。そもそも最初に航行の自由作戦を行う米艦を見つけて接触を続けること自体が難しいからだ。
追尾されている水上艦が潜水艦を探知し続けたもオカシイ。なぜなら航行の自由作戦を実施中だからだ。その後ろには中国水上艦がシャドーイングしている。余裕綽々といった状況出会ったと言いたいのだろうが、流石にそこでアクティブ戦でコンコン潜水艦を打ち続ける状況はない。
ある意味、軍事的シチュエーションとしてのエッシャーのだまし絵となっているのである。
それに比べれば事実誤認は可愛いものだ。
ちなみに全て間違っている。中国海軍の兵力は明示されているし、空母からの発艦も行われているし、各固艦からの実射も行われているし、高度な演習も行われている。
■ 空想の産物でも辻褄をあわせるもの
なによりも辻褄を合わせようとしない点が奇妙である。
主張のほとんどは空想の産物である。それは別に構わない。信者さえ納得すればよいからだ。
だが、普通は辻褄をあわせる。宇宙人の電波のお筆先をみてもそうしている。偽史偽伝でもそうしている。結果、江戸時代の写本に冥王星がでたりするが、自分の知識と矛盾しないようにする。
それがない点で、文章を読んでいていわく言い難い特殊な感情が想起させられるのである。アレな御仁と話したときのグンニョリ感そのものでもある。
■ 女房擁護の140字でもロジックはグンニョリ
ちなみに、渡辺さんの発言では140字でもグンニョリ感をアテられることがある。女房がパレルモ条約の翻訳と称して真反対のデタラメを広めたときの言い訳がそれだ
この短文はどうやっても読めない。デタラメを広めた点への抗議への反発といった感情はわかる。だが、全体として何を言いたいのか、それをどうしても汲めない奇妙さがある。
あるいは一文に収斂しないといってもよい。第一文と第二文と第三文が渡辺さんの内面的確信でしかつながっていないので総体として不可思議な主張になっているのである。
それに比べれば宇宙人の電波のほうが論理明快だ。例えば、「あの女がオレの悪口を言ってる。それは事実だ。宇宙大明神さまが無線LANで教えてくれるからだ」は事実関係はともかく文章論理にねじれはないからだ。
渡邉哲也さんインタビュー記事「中国、75%の確率で米国と軍事衝突か…最速5時間で米国の勝利が確定」は読めば読むほど疑問符が浮かぶ、ある種の因果関係の狂いをグンニョリと当てつけられる文章になっている。
その中身はどうでもよい。中国が憎い、北朝鮮が憎いをベースに「危険が危ない」を重ねるだけ凡百記事である。国難宗教系信者と同じメンタリティーをもつネトウヨに国難を訴えるよくあるネトウヨ向け商売である。
だが、そのデティールは不思議に満ちている。一種怪訝というか、奇妙な感覚を伴う展開となっている。同じ日本語でありながら会話が成立しない。ロジック段階での不整合によるシュールな内容となっている。
■ 日本の土地をどう軍事利用するのか?
まずは、説明で実現不能な具体化をすすめる怪訝である。
例の「国防動員法の危険がアブナイ」を振り回している。それはよいのだが、その主張の具体化が不能犯方向に進んでいる。その点でオカシイのだが、足りない部分をはどうなっているかを補って具体化しようとするとグンニョリする。
中国の「国防動員法」という法律があります。
[中略]
つまり、仮に日本と中国の間で衝突が起きて国防動員法が発令されれば、中国が取得している日本の土地が軍事利用されたり、日本に進出している中国企業や中国人がスパイ化したりする可能性があるわけです。
まず、日本の土地をどう軍事利用するというのだろうか?
敵国の土地を民間ベースで取得する。それは可能だ。
だが、敵地にある以上、軍事利用のしようもない。拠点として利用するにしても、軍隊武器弾薬をどう運び込むのだろうか?
それっぽいことを言いながら具体がないのである。それが怪訝の一つだ。
ネトウヨ商売として抽象的に国防動員法が危険と言いたいのはわかる。だが、それなら危険性を具体化しなければならないが、それが全く出来ていない。
そこをどうやって軍事利用すると思っているのか、それを想像すると袋小路である。渡辺さんの主張に合わせて考えるとどうしても成立しない。その点でグンニョリしてしまう。
■ 「米中の利害は一致している」のに「米朝開戦」が「日中開戦」とか
また、ロジックの展開の不整合のグンニョリである。
なぜ米朝開戦が日中開戦に結びつくのか、それがどうやっても全く理解できない展開となっているからだ。渡辺さんは北朝鮮問題は「米中の利害が一致する」と述べながら最後に「仮に『米朝開戦』が現実になれば、それは『日中開戦』と同義といえるでしょう。」と述べている。
該当部分を引用すると次のとおりだ
北朝鮮問題を解決するために中国の協力が不可欠なことは間違いありません。しかし、中国は本音では現状維持を望んでいます。[中略]
一方、北朝鮮問題の解決は習主席の政敵である上海閥および北部戦区の征伐にもつながります。その点では米中の利害が一致するため、習主席の動きが注目されているのです。[中略]
中国は北朝鮮と軍事同盟を結んでおり、日本はアメリカと「100%ともにある」という姿勢です。そのため、仮に「米朝開戦」が現実になれば、それは「日中開戦」と同義といえるでしょう。
何回読んでもわからない。
それぞれの段落内部での整合性は取れている。もちろん、いまさら「習主席の政敵である上海閥および北部戦区の征伐」(渡邊)といったどうしようもない手垢のついた空想を提示しているのはともかくとしよう。内容はともかくロジックとしては収まっている。
だが、それぞれの段落間に整合性が取れない。なんで結論が「米朝開戦」が「日中開戦」と同義になるのかが理解できない。それまでの段落ならそのような結末とはならないからだ。これもグンニョリである。
■ 誰に聞いたのか何を読んだのか
軍事的ディティールも事態の整合性がグンニョリしている。
簡単なことだ。水上艦を潜水艦が追尾するシチュエーションがあり、その水上艦が追尾されているはずの潜水艦をアクティブ探知し続けるシチュエーションが語られていること。それを水上艦が航行の自由作戦に行っているといった狂った事態である。
アメリカが「航行の自由」作戦を展開した際には、追尾した中国の潜水艦がすぐに米軍に探知され、軍艦からピンガー(探信音)を打たれ続けたとされるなど、不備が多いのが特徴です。こうした欠点は、実戦になれば致命的になることが確実です。
普通、潜水艦が水上艦を追尾することはない。
まずは速力的に厳しい。在来潜水艦なら無理であるし、原潜にしてもわざわざ静粛速力以上の速力を出さなければならないからだ。
そもそも、潜水艦で追尾するメリットもない。公然監視としては目立たない。情報収集かねての監視なら自艦から通信ができない。そもそも最初に航行の自由作戦を行う米艦を見つけて接触を続けること自体が難しいからだ。
追尾されている水上艦が潜水艦を探知し続けたもオカシイ。なぜなら航行の自由作戦を実施中だからだ。その後ろには中国水上艦がシャドーイングしている。余裕綽々といった状況出会ったと言いたいのだろうが、流石にそこでアクティブ戦でコンコン潜水艦を打ち続ける状況はない。
ある意味、軍事的シチュエーションとしてのエッシャーのだまし絵となっているのである。
それに比べれば事実誤認は可愛いものだ。
「また、海軍の兵力は未知数です。空母からの発艦実験や発射実験が実施されておらず、まともな演習が行われていないのが実情です。」
ちなみに全て間違っている。中国海軍の兵力は明示されているし、空母からの発艦も行われているし、各固艦からの実射も行われているし、高度な演習も行われている。
■ 空想の産物でも辻褄をあわせるもの
なによりも辻褄を合わせようとしない点が奇妙である。
主張のほとんどは空想の産物である。それは別に構わない。信者さえ納得すればよいからだ。
だが、普通は辻褄をあわせる。宇宙人の電波のお筆先をみてもそうしている。偽史偽伝でもそうしている。結果、江戸時代の写本に冥王星がでたりするが、自分の知識と矛盾しないようにする。
それがない点で、文章を読んでいていわく言い難い特殊な感情が想起させられるのである。アレな御仁と話したときのグンニョリ感そのものでもある。
■ 女房擁護の140字でもロジックはグンニョリ
ちなみに、渡辺さんの発言では140字でもグンニョリ感をアテられることがある。女房がパレルモ条約の翻訳と称して真反対のデタラメを広めたときの言い訳がそれだ
渡邉哲也@daitojimari
言論の自由は誰にでもあるが、恫喝や強要まがいの言論 許されるものではなく、場合によっては犯罪を構成する。 インターネットは実社会と同様であり、テロ等準備罪に反対する一部の人たちの異常性と犯罪性がさらに明らかになったと思います。そして、テロ等準備罪の必要性が確認されたと考えます。
https://twitter.com/daitojimari/status/879050081634144256
この短文はどうやっても読めない。デタラメを広めた点への抗議への反発といった感情はわかる。だが、全体として何を言いたいのか、それをどうしても汲めない奇妙さがある。
あるいは一文に収斂しないといってもよい。第一文と第二文と第三文が渡辺さんの内面的確信でしかつながっていないので総体として不可思議な主張になっているのである。
それに比べれば宇宙人の電波のほうが論理明快だ。例えば、「あの女がオレの悪口を言ってる。それは事実だ。宇宙大明神さまが無線LANで教えてくれるからだ」は事実関係はともかく文章論理にねじれはないからだ。
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