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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2018.01
17
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15:28
Category : 未分類
 廃棄物は薄めれば海洋投棄してよいのだろうか?

トリチウム
shimpei‏ @ShimpeiHMMT
処理済水のトリチウム濃度をしらべてみたけど、東電の資料だと500Bq/cm3程度じゃん!?こんなん排水用のタンクに淡水か海水引き込んで捨てるか、放出口の海流より排水量下げるだけで放出口近傍で検出限界に出来る量やん。えぇ、、、あほくさ。。。
https://twitter.com/ShimpeiHMMT/status/953110265565913088


 シンペイさんは希釈して検出限界にすれば放射性廃棄物を捨ててもよいと示唆している。

 その理屈が成り立つならなんでも投棄できる。水銀コバルトカドミウム鉛硫酸オキシダンなんでも検出限界まで希釈すれば捨てて良い。そうなる。


■ 法や社会が禁止している

 それがなぜ駄目なのか?

 法や社会が投棄行為そのものを禁止しているからだ。廃棄物を海洋や大気に投棄してはいけないとそう決めている。

 そこに検出限界は関係ない。水で、空気で薄めても同じことだ。

 それを理解できないのは不思議なものだ。
shimpei‏ @ShimpeiHMMT
トリチウム水の一般排水濃度限度は60Bq/cm3ですけど、トリチウム水タスクフォースタスクフォースのH28年6月の報告書には海洋放出は濃度限度を考慮すると実現困難と書いてるけど、希釈できない理由はどこにあるんだろうね。
https://twitter.com/ShimpeiHMMT/status/953114526563446784

お理工さんは科学以外の尺度をもっていないのだろう。希釈は物理的に可能だが廃棄は法的にできない。


■ シンペイ式希釈放出は許されない

 シンペイ式希釈放出が許されるなら廃棄物はいくらでも海洋に、大気に捨てられる。鉱工業は好きなだけ硫化物を大気に廃棄できることになる。高い煙突を作って拡散させて濃度だけを落とせばいいからだ。自動車も商船も触媒なんか要らない。排ガスを薄めればNOXやSOXやPM、未燃焼ガソリン、低質重油由来の重金属を好きなだけ放出できる。核のゴミも検出限界まで薄めれば海洋投棄可能となる。

 それを許さないためにロンドン条約や総量規制がある。海水や大気で薄めればなんでも捨てられる仕組みは不味いからだ。

 「トリチウムは毎年膨大に生成され消失する」「だからトリチウムはいくら捨ててもよい」は理屈にならない。「硫化物は火山活動で毎年膨大に大気放出され海洋や土壌で吸収される」「だから硫黄系廃棄物はいくら捨ててもよい」とならないことと同じだ。


■ 原因があって結果がある

 そもそも「検出限界だからよい」ロジックは成り立たない。

 検出できないことと責任は全く別の話だ。

 原因があって結果がある。原因者である電力会社は原発事故や廃棄物の責任からは逃れられない。これは検出限界は関係しない。検出限界以下でも責任は免れえない。

 これはトリチウム水処理だけではない。原発事故と健康被害の関係も同じだ。原因があって結果がある。その影響をうけた範囲でおきた被害は全て東電の責任となる。

 その点でいえば「放射線量が検出限界だから甲状腺がんは東電の責任ではない」というキクマコ式ロジックも成立しない。検出限界だろうが発生メカニズムが医学的に証明できなかろうが関係はない。例えば「その地域で平均値よりも発生率が高い」だけでよい。それで原発事故の影響であると客観的に証明できるからだ。法は類推を許す。"Prsesnmptiones sunt conjectures ex signo verisimili ad probandum assnmptte."という(もちろんラテン語はググった)
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