fc2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2018.04
28
CM:2
TB:0
17:26
Category : 未分類
 まあ、南京を陥としたあとでいまさら「中華民国との『戦争』、法的な『戦争行為』ではない」というようなものだね。

 朝日新聞デジタル「日報の『戦闘』、法的な『戦闘行為』でない 政府答弁書」は全くそれ。日中はともに第二次上海事変以来の日中戦闘行為を「戦争」ではないとして扱った。だがそれは第三国に中立に立たれないための欺瞞であった。


■ 役人なら商売だから欺瞞もするだろ

 その欺瞞を欺瞞ではないと言い張るのは見苦しいものだ。

 もちろん、政府や担当省庁の役人がそう発言するのは理解できる。本人も欺瞞だけど、商売だからしょうがないと割り切っている。その後ろめたさがある。


■ その欺瞞に付和雷同する第三者

 だが、商売でもない連中が「そうだ」と付和雷同するのは不思議だ。現地状況を無視して「国語辞典の意味での戦闘」と「法で定された戦闘行為」は違うと強弁するアレだ。

 例えばこのような発言だ。これは4月16日のニュースに反応したものだが、内容的には同じものだ。
ダッソー(旧名ミリタリーマニアの大学生)‏ @tuduki05
恐らく、法的意味での戦闘行為ではないと説明しても「言葉遊びだ!!」と批難されるのだろう。
しかしながら、法学界では言葉の意味合いが一般と違うことは良くある事でもあるから悩ましい…
https://twitter.com/tuduki05/status/986057267467309056


 イラク派遣は安全を強調して進められた。その文脈で戦闘はないとされていた。これは周知のとおりだ。

 そして、その後に日報隠匿が発覚した。その記述に戦闘発生の記載が頻出していることが明らかになった。

 この流れで「法律的には戦闘ではないから問題とならない」やら「防衛省自衛隊側の説明が全面的に正しい」と主張するのは相当にズレている。


■ イラク特措法の条文には詳しいんだろうね

 もちろんイラク特措法の条文には詳しいかもしれない、

 でも、なんでそれが問題となったかを全く理解できていないのは不思議だ。法学部は法律の条文を字面どおりに逐一に読んだり覚えたりする学部ではないはずなのだが。

 そのロジック、スタンスを延長すれば公民権運動も否定できるだろう。イラク特措法の字面だけでそう強弁するなら、同じように人種隔離法でも「ローザ・パークスが座席に座ったのは違法」「それを逮捕したのは合法」といえるからだ。字面第一主義なら人種隔離法の条文中に自然権が書いていなければそれに配慮する必要もないだろう。

 実際のイラク特措法成立の過程とイラク派遣の実態、日報発見でのこの手の発言もそれに近いけどね。戦前に人権保護法を作る時に「人間とは、白色人種でありキリスト教徒であること」「名誉人間とは日本人と中国人を指す」としとけば、植民地人の取扱は人種差別にならないだろうよ。



 まあ、安全保障やら国際政治やら国際法とやらの研究もこれは多いけどね。「ホニャララにはこう書いてある」「ホニャララ首相はこういった」の羅列で満ちていてどうしようもない。なんというか、自称「鉄道の専門家」が国鉄の電車の種類と駅名を全部覚えていると威張り、それだけで国の交通政策を語るようなものだ。
スポンサーサイト