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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2018.09
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Category : 未分類
 かの加藤AZUKIさんは北海道が節電をすると「都内の農産物(乳製品、葉物以外の野菜)が高騰する」(加藤AZUKI)と主張している。

加藤あずき節電と農作物
加藤AZUKI@「忌」怖い話Echo怪談‏ @azukiglg
北海道の産業が節電すると、都内の農産物(乳製品、葉物以外の野菜)が高騰する。「なんで野菜やバターがこんなに高いの!?」と店頭や家で文句を言うその口で、「節電でしのげる」と言い、「原発怖い」と言う。
全体を繋げて俯瞰するという習慣は自力では多分獲得できない。
https://twitter.com/azukiglg/status/1039367886362501121



■ 農業で電気は使うか?

 だが、常識的に考えれば農産物価格において電気代はさほどの影響を与えない。生産段階において電気はさほどは使わない。花卉栽培の一部がハウスで夜間照明をするくらいである。

 しかも、北海道の農業は近郊型ではない。照明を用いるハウス栽培は大きくはない。またキュアリングのような後工程を伴うタバコ栽培も大きいとは考えられない。

 強いていえば畜産業が畜舎維持や加工で電力を使うだろう。だが、「都内の農産物(乳製品、葉物以外の野菜)が高騰する」(加藤AZUKI)とそれをわざわざ外している。

 これは誤った主張なのではないか? 以前に「ポテトチップス減量は石油価格上昇で袋代が上昇したため」と加藤AZUKIさんが主張したように全く事実に即さない主張を得として述べているのではないか? ちなみにポテチ袋あたりのポリエチレン価格は0.5円が0.6円にしか上がっていなかった。これは「あらゆる主張の平仄が合わない加藤AZUKIさん」(http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-1834.html)で述べたとおりだ。


■ 農業は電力を使わない

 日本農業はどれだけ電気を使うか?

 それを調べるのは簡単だ。産業連関表を見ればよい。最新の「平成23年(2011年)産業連関表(確報)」はe-Statにある(https://www.e-stat.go.jp/stat-search)にある。アレが宰相になる前の統計なので中身はいじっていないだろう。

 そこの投入係数表を見ると次のとおりとなっている。

・ 13部門分類 の「農林水産業」の支払において「電力・ガス・水道」が占める割合は1.07%(0.010720)

・ 統合大分類(37部門)の「農林水産業」の支払において「電力・ガス・熱供給」が占める割合は0.97%

・  統合中分類(108部門)の「耕種農業」の支払において「電力」が占める割合は0.06%
  ちなみに同じく「畜産」の支払いにおける「電力」が占める割合は0.11%

・ 統合小分類(190部門)中、列挙する農業の支払いにおける電力の割合は次のとおり。
 「穀類」は     0.55%
 「いも・豆類」は  0.26%
 「野菜」は     0.44%
 「果実」は     0.30%
 「その他の食用作物」2.60%
 「非食用作物」   2.30 %
 「畜産」      1.13%


 これらの数字により加藤AZUKIさんの主張は否定される。農業はほとんど電力に依存していない。そのため節電によって電力利用を絞られてもあまり困らないことを示唆している。

 しかも、むしろ高騰する例で除外した「農産物(乳製品、葉物以外の野菜)」(加藤AZUKI)で含まれる畜産の方が電力所要は大きい。その意味でも主張はピント外れとも言えるだろう。


■ 産業連関表を確認していない加藤AZUKIさん

 ただし、なによりも驚くのは「農業における電力使用量」を調べもしていないことだ。

 それを調べるのは難しくはない。ここで使った産業連関表を参照する。あるいは農業経営のコスト分析を探す。釧路内陸部等の北海道の農業地帯での農業生産額の金額と産業中有の割合、そして動力電力消費量を調べれば分かるはずである。

 だが、加藤AZUKIさんは産業連関表すら確認していない。繰り返すがそれが驚きである。

 そして次のような発言をする。
「北海道の産業が節電すると、都内の農産物(乳製品、葉物以外の野菜)が高騰する。」「「なんで野菜やバターがこんなに高いの!?」と店頭や家で文句を言うその口で、「節電でしのげる」と言い、「原発怖い」と言う。
全体を繋げて俯瞰するという習慣は自力では多分獲得できない。


 「全体を繋げて俯瞰するという習慣」(加藤AZUKI)には統計が重要であるはずだ。

 だが、それを参照しないで断言する。その蛮勇には恐れ入ったものだ。






 産業連関表といえば、学部生時分に興味半分でみていて自動車産業の支払先にわずかながら水産業が含まれていたのをよく覚えている。魚介由来のニカワを使っているのか、砕いた貝殻を塗料やコーティング剤やホップカリットみたいな担体にでも使っているのか、あるいは普段から神事でもしていてスルメや干魚を並べているのかと疑問が湧いたものだ。
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