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- » 2022 . 11
Category : 未分類
トマホークを買うのは台湾有事が近いからとの主張があるのだけれども。
それならなんで米海空軍が西太平洋に出張ってこないのだろうか。ホントに緊迫しているなら大西洋からCSGの一つでも持って来て抑止強化をはかろうとするはずである。
だが、それはない。それからすれば結論の台湾有事が近いそのものが誤っているということである。
■ 当の台湾メディアの人も
ちなみに、台湾有事は近いと思いこんでいるのは日本人だけらしい。
先々週の15日に台湾・香港メディアの人と東京市内で会ったのだけれども。「『台湾有事は近い』とか美国軍部の予算欲しい発言に日本人は惑わされすぎ」とか言っていた。
米中の口喧嘩もいつものことである。米国が台湾に関与介入するような威勢のいいことを言えば中国指導部も国民の対面から反駁する。台湾は中国の一部で外国勢力は文句つけるなとかいつでも回収できるとは言う。
だが、どちらも従来の一線は超えていない。習総書記の発言も「平和的統一を目指す」といったあとである。米国が「一つの中国政策は変わらない」「台湾独立は支持しない」との前提を示した上で「必要があれば関与介入する」と言うのとおなじことである。
つまりは、どちらも米中の台湾ルールを守った上で、口先だけで喧嘩しているだけなのである。
それを本気で台湾有事が近いと思い込んでいまっている。
実際に事情を承知していればそのような判断はしない。米中関係と両岸関係の構図からすれば、ない話でしかないからである。
■ 武器調達から政治変化を窺うのもね
その上で、日本がトマホークを買うのは台湾有事が近いからとの判断も空中楼閣的な推測でしかない。
まずは本末が転倒している。些末な要素でしかない通常武器の調達から政治情勢を判断する形だからだ。政治情勢から武器調達の変更は推測できるだろう。だが、その逆はまずはあやうい結果しか出ない。1970年代に入り航空自衛隊の戦闘機導入は軽戦闘機のF-104からF-4、F-15といった侵攻用に用いる大型戦闘機の導入に変化した。そこから「70年代80年代の日本政府が外征を企図していた」と判断するようなものだ。
付け加えると、なんで台湾有事が近いから敵基地攻撃能力の強化を図るのかが不思議である。
台湾有事は中国領域限りの問題でしかない。形式的には国内内戦である。また日本も「一つの中国」原則に配慮している。つまりは内戦には干渉しない立場にある。「平和的解決を望む」と言う程度の立場だ。
そこで敵基地攻撃能力に何の関係があるかだ。あるいは「日本が敵基地攻撃能力を、トマホークを持てば中国はビビって台湾回収を諦める」と思っているのだろうかである。そうでもなければ台湾有事と敵基地攻撃能力は結びつかない。
■ まずはアショア代替艦用と、オマケじゃないの
ニュースのトマホーク導入は台湾有事とは別の話でしかないということである。
単純に敵基地攻撃用のミサイルを調達しようとしているだけである。理由はアショア代替艦用、付け加えても、それにかこつけて入手して潜水艦とFFMの空セルに詰めようとしているくらいである。
アショア代替艦に積むならトマホークとなる。代替艦に敵基地攻撃能力をつける話は1年前からある。そして、一応はイージスであることからすればシステムからすれば一番親和性が高いのはトマホークである。*
そして、そのトマホーク引き渡しの見込みがたった。おそらくは去年辺りから日本は米国にリリースを頼んでいた。そして売却が可能となった。先月くらいにあった「トマホークの日本向け売却は可能」の報道がそれである。
だからトマホークを買う話が出た。12式の向上型云々とは全く別の話ということだ。
* ちなみに、来月売りの雑誌向けとして先々月に納品した原稿に本筋ではないもののそのあたりは書いた。「アショア代替艦に敵地攻撃能力をつける話があるけど、その場合はトマホークを積む。だから敵基地攻撃用ミサイルはスタンドオフ攻撃能力のミサイル6種類だけではなくもう一つトマホークも含まれる」といった内容である。前の記事で書いた26日にやったゲラの一つがそれである。本当に載るかは今でも不安だから書店に並んで自分の記事を確認するまでは誌名とかは言わないけどね。
JSF@rockfish31
開発中の12式地対艦誘導弾能力向上型を配備前倒ししても間に合わない可能性があるので今直ぐトマホークが欲しいとなると、台湾有事が数年以内に発生する可能性が高いと日本政府が判断していることになってしまう。・・・事態は其処まで切迫を?
https://twitter.com/rockfish31/status/1585599132755894272
それならなんで米海空軍が西太平洋に出張ってこないのだろうか。ホントに緊迫しているなら大西洋からCSGの一つでも持って来て抑止強化をはかろうとするはずである。
だが、それはない。それからすれば結論の台湾有事が近いそのものが誤っているということである。
■ 当の台湾メディアの人も
ちなみに、台湾有事は近いと思いこんでいるのは日本人だけらしい。
先々週の15日に台湾・香港メディアの人と東京市内で会ったのだけれども。「『台湾有事は近い』とか美国軍部の予算欲しい発言に日本人は惑わされすぎ」とか言っていた。
米中の口喧嘩もいつものことである。米国が台湾に関与介入するような威勢のいいことを言えば中国指導部も国民の対面から反駁する。台湾は中国の一部で外国勢力は文句つけるなとかいつでも回収できるとは言う。
だが、どちらも従来の一線は超えていない。習総書記の発言も「平和的統一を目指す」といったあとである。米国が「一つの中国政策は変わらない」「台湾独立は支持しない」との前提を示した上で「必要があれば関与介入する」と言うのとおなじことである。
つまりは、どちらも米中の台湾ルールを守った上で、口先だけで喧嘩しているだけなのである。
それを本気で台湾有事が近いと思い込んでいまっている。
実際に事情を承知していればそのような判断はしない。米中関係と両岸関係の構図からすれば、ない話でしかないからである。
■ 武器調達から政治変化を窺うのもね
その上で、日本がトマホークを買うのは台湾有事が近いからとの判断も空中楼閣的な推測でしかない。
まずは本末が転倒している。些末な要素でしかない通常武器の調達から政治情勢を判断する形だからだ。政治情勢から武器調達の変更は推測できるだろう。だが、その逆はまずはあやうい結果しか出ない。1970年代に入り航空自衛隊の戦闘機導入は軽戦闘機のF-104からF-4、F-15といった侵攻用に用いる大型戦闘機の導入に変化した。そこから「70年代80年代の日本政府が外征を企図していた」と判断するようなものだ。
付け加えると、なんで台湾有事が近いから敵基地攻撃能力の強化を図るのかが不思議である。
台湾有事は中国領域限りの問題でしかない。形式的には国内内戦である。また日本も「一つの中国」原則に配慮している。つまりは内戦には干渉しない立場にある。「平和的解決を望む」と言う程度の立場だ。
そこで敵基地攻撃能力に何の関係があるかだ。あるいは「日本が敵基地攻撃能力を、トマホークを持てば中国はビビって台湾回収を諦める」と思っているのだろうかである。そうでもなければ台湾有事と敵基地攻撃能力は結びつかない。
■ まずはアショア代替艦用と、オマケじゃないの
ニュースのトマホーク導入は台湾有事とは別の話でしかないということである。
単純に敵基地攻撃用のミサイルを調達しようとしているだけである。理由はアショア代替艦用、付け加えても、それにかこつけて入手して潜水艦とFFMの空セルに詰めようとしているくらいである。
アショア代替艦に積むならトマホークとなる。代替艦に敵基地攻撃能力をつける話は1年前からある。そして、一応はイージスであることからすればシステムからすれば一番親和性が高いのはトマホークである。*
そして、そのトマホーク引き渡しの見込みがたった。おそらくは去年辺りから日本は米国にリリースを頼んでいた。そして売却が可能となった。先月くらいにあった「トマホークの日本向け売却は可能」の報道がそれである。
だからトマホークを買う話が出た。12式の向上型云々とは全く別の話ということだ。
* ちなみに、来月売りの雑誌向けとして先々月に納品した原稿に本筋ではないもののそのあたりは書いた。「アショア代替艦に敵地攻撃能力をつける話があるけど、その場合はトマホークを積む。だから敵基地攻撃用ミサイルはスタンドオフ攻撃能力のミサイル6種類だけではなくもう一つトマホークも含まれる」といった内容である。前の記事で書いた26日にやったゲラの一つがそれである。本当に載るかは今でも不安だから書店に並んで自分の記事を確認するまでは誌名とかは言わないけどね。
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