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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 軍事ライターの文谷です
 コミケでは隅田金属ででています。評論情報です。

連絡先:montagne.suutyoo@gmail.com (新)
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2023.05
31
CM:6
TB:0
13:25
Category : 未分類
 北朝鮮はロケットを他国に落としたことはない。意図してそうしたこともないが事故でそうなったこともない。弾道弾にせよ宇宙ロケットにせよその例はない。

 しかも今回は予告している。「人工衛星打ち上げである」「予定のロケットの針路はこの範囲」「日本領土の上は通らない」と北は言っている。

 そのロケットについてJアラートやらを出す必要性はない。もともとの弾道弾試射でも別段に警報を出す必要もない。北朝鮮は日本に落とす蓋然性もないからだ。しかも今回は北朝鮮がわざわざロケット打ち上げだといっている。

 もちろんそこには政治の意図がある。北朝鮮の脅威を過度に煽る、それにより保守政治への支持を高める、細かいことを言えばJアラートやMDへの投資を妥当化する意図である。

 それからすれば、無駄なアラートを鳴らす理屈はわかる。それにより政権は利益は得られるわけだ。もちろん肯定はできないのではあるが。

 しかし、そのJアラートを真に受けて「危険だから伏せろ」と忠告する類となると感慨は別だ。しかも軍事が趣味としている御仁の発言である。本来なら危険性もないことはご承知のハズなのに何の利益があるのだろうかと疑問となる。

MASA(航空宇宙・軍事)@masa_0083
Jアラートがなった沖縄県で外の映像をとってツイートしてる人がいますが、危険なのでやめて下さい。
窓から離れて屋内に留まり、身を低くして下さい。
レバノンの大爆発で、爆風で吹き飛んだガラスで怪我をした人が大勢いた事を思い出して下さい。
「自分は大丈夫」と思うのは危険です。
https://twitter.com/masa_0083/status/1663662263826542594


 まずは余計なお説教にしか聞こえない内容である。国民は必要もなく警報ばかりをだすJアラートをオオカミ少年とみなしている。そのオオカミ少年の言うことを信じろといっても許容はされない内容であるのだけれども。

 しかし、それが説教として通用するとみなしている。

 郭の中の世界観に浸りすぎているのではないかと危惧するものだ。航空宇宙やら軍事のマニア連の世界では「航空宇宙や軍事、さらには原子力について一般国民は無知である」といった価値観が普及している。だから無知[であると彼らが信じている]な沖縄県民に「窓から離れろ」と言う説教は価値を持つと考えているのだろう。井戸の中の蛙だけで議論していればそうなる。
 
 本来なら「政府はJアラート乱用をやめろ」というのが見識ではないかと思うのだけろね。「このままではオオカミ少年で本番のときには誰にも信じられなくなってしまう」のが見識ある趣味者のスタンスだろう。

 ただ、今のマニア連には厳しい。政府や防衛省の政策を肯定することしかできなくなっている。ネットの発達により集団化した結果として同調圧力が発生しており、模型やら写真やら系の、まずは批評的な読み解きや抽象的思考が苦手なマニアはそれに付和雷同している。現状にある問題点を指摘に対して「防衛省のやることにケチをつける記事を書くな」と合唱することしかできていないわけだから無理な話である。

 
 
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2023.05
30
CM:3
TB:0
22:54
Category : 未分類
 手許メモに「高野瓜」とある。起きがけのメモなのだが「好きな果物は高野瓜、よく竹林に自生している。赤くなると糖化して青みも抜ける」とある。

 まあ夢の中で果物について説明した中身なのだがね。当然だがそんな瓜はない。カラスウリのイメージなんだろう。ただ食ったどころか見たこともない不存在の瓜をトクトクと説明するのはどうかしているものだ。

 実際にあるとすれば隠語ではないか。「高野山では稚児の尻を指してそういう」といった印象がある。あるいは『耳嚢』だかに稚児については供給不足で「高野八〇那智九〇」といった言葉があった。それからすれば稚児の代替品ではないかとの疑いも生じうるのだけれども。
2023.05
29
CM:0
TB:0
23:23
Category : 未分類
 『Japan In-depth』に「『採用すれど購入せず』 護衛艦と国産対空ミサイル」(https://japan-indepth.jp/?p=75773)を書きました。

 こないだに書いた「新型フリゲートは国産対空ミサイルに対応するけど、購入とか搭載はしないよね」を整理した内容です。なんとなくですけど、竪坑の数は32セルでSM-6を2発、そのうち買うだろうESSMブロック2を8セル32発くらいは積むんじゃないかなと思うのですけどね。

 記事では「A-SAM」は排除しました。国産大好きな子たちがウットリしながら「A-SAM」って書くのはどーも気味が悪い。だから「国産対空ミサイル」で済ませました。

 あとは「国産開発で超低空目標対策の話が全然出てないじゃん」では細かい部分は端折りました。最初はブリュースター角度の利用とか、出力抑制とか、非対称サイドローブといった手法がないじゃんと書いてましたけど一般向けではないなと。

 このあたりは超低空目標探知のキモで、前二つは周知技法、最後の非対称サイドローブは最近の流行なんですけどねえ。

 国産兵器大好き連は全然言及しないのは不思議なものです。自称理系で「情報のアップデート」とか言っていて、防衛省系の些末な発表とかを有難がっている。そのクセに世界で最新の対空ミサイル技術については先行研究は全然調べていない様子で、実際のところは何にもご存知ないのでしょう。

 あと記事では「勘例」を「慣例」に直されていますね。「似た先例を借りること」の意味で「勘例」を使ったのですが、編集段階で「慣例」の誤変換だと思われた様子です。

 まあ、別段に直す必要があるわけでもないのでそのままで。
2023.05
19
CM:3
TB:0
02:02
Category : 未分類
 国産の艦対空ミサイルは義理立て採用して終わりではないかね。

 国産ミサイルはSM-6やESSMのブロック2にはどうやっても及ばない。米製ミサイルの超低空目標や対水上攻撃、共同交戦、将来改修、1坑4発といった利点を前に国産は霞む。そもそも熟成が足りない。2022年にようやく実射試験を実施したSAMを24年度末に導入する計画では相当に詰めは甘い。

 とはいうものの、対応自体はするのではないか。ARHなので誘導機構には負担は少なく対応はそれほど高くはならない。国産兵器を使えという装備サイドに義理立てとしてとりあえず対応するというのは有り得る話だと思う。

 でも、実際には買わないあたりか。ソンなミサイル買うだけ無駄だから「対応すれど購入せず」とする。

 年4発、6年間で合計24発だけ買って大湊かどこかの弾庫の奥にでも転がしておく。そういった結果になると思う。

 73式魚雷とかASM-1Cの先例に倣う形である。海自は義理立てをして対応したけど少数買ってお茶を濁した。そして実際には性能他で優れる米国製のMK46とハープーンを主要していた それと同じことになるのではないかね。
2023.05
05
CM:0
TB:0
14:39
Category : 未分類
 殷周革命には温暖化の影響があったのではないか。殷のⅢ-Ⅳ期は気候変動で旱魃傾向にあった。その影響もあって殷は滅んだのではないか。

 『華夏考古』にそれを示唆する記事がでている。楊謙さんと詹森楊さんの「商代晩期気候変遷与祝井儀式発生」である。*

 これがなかなか面白い。

 殷の時代において中原は総じて暖湿の環境にあった。

 今よりも年平均気温で2度、1月平均気温では3-5度も高い。だから南方の獏や水牛も生息していた。これは骨が出てくるし甲骨文にも名前が出てくる。そもそも象は象形文字として登場している。

 また雨も多い。甲骨文を読むと1月から13月[ママ]まで一年中雨が降っている。9月には18日連続で降った記載がある。ほかにも12月に作物を収穫したとの記録もある。年間降水量は今の700ミリよりも100ミリ多い800ミリ程度であるとしている。
 記事中では、まずもって今の長江流域の気候水準であるとしている。

 しかし、殷王朝全期間を通じてみると変動がある。殷墟Ⅱ期は旱魃、Ⅲ基前段には湿潤、Ⅲ期後段から殷の滅亡までは旱魃である。

 これは井戸研究で明らかになっている。井戸の水位線から地下水位の変動を判断する手法によるとⅠ期は平均でマイナス8.55mであった。それがⅢ期には10mほど[これはグラフ読み取り]、Ⅳ期は10.9mまで下がっている。

 また井戸研究はⅢ期とⅣ期では儀式を実施したことも示している。井戸の底や周囲から奉献した礼器と推測できる青銅器や犠牲として捧げたらしい人骨や獣骨も見つかっている。別に甲骨文にも旱魃問題での不雨の占いも建てられている。

 楊謙さんと詹さんはここから旱魃問題が社会や政治に影響を与えた可能性を指摘している。「商代晩期干旱少雨的気候影響人們生活的安定、可能引起一系列社会恐慌、而極端自然災害的出現甚至会影響政治的穏定和国家的安危。」(p.73)と述べている。

 そして史料から国の滅亡と旱魃の結びつきを示唆している記述を提示している。一つは『国語』の周語上から「夏が滅びたときには河が堨いた」といった記述である。もう一つは『淮南子』の俶真訓から夏や殷が滅びるときには三つの河が涸れたとの記述である。

 もちろん、殷は周に敗れて滅びた。牧野の戦いである。

 ただ、旱魃問題は殷が周に敗れた背景の一つである。さらには殷周の交代をもたらした要員の一つであった。そのと見るのはまずは間違いはない。そのように信じられる内容である。

 そのような発見が得られる記事であった。しかも日本の学術にはあまり見ない内容である。その点で中国の学術関係雑誌は読んでいて面白い。


* 楊謙、詹森楊「商代晩期気候変遷与祝井儀式発生」『華夏考古』2022年5期(河南省文物考古研究院)pp.68-77.