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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.04
15
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12:17
Category : 未分類
 櫻井よしこさんは、日華事変での中国側犠牲者は3500万人ではない、だから悪くないと言っている。しかし、500万人であれば日本は負い目はないのだろうか?

 桜井さんは、国家基本問題研究所の直言欄で「歴史通になって対日歴史戦争に勝とう」を掲載している。その骨子は
・ 日華事変での大陸側犠牲者3500万人は嘘
・ 南京大虐殺は嘘
である。

 数字についての主張はさておこう。中国側が主張する犠牲者数は、確かに毎回増えている。昔、示した数から増えている点には、なんらかに意図があるのではないかと疑う余地はあるだろう。

 しかし、3500万人ではないので悪くないとか、30万人殺していないので大虐殺ではなく、日本は悪くないとする言い方は、主張として相当にオカシイ。

 そもそも、日本は、大陸に善行を施しにいったのだろうか。昭和初期からの華北への侵攻は、侵略そのものである。上海事変以降の日中全面的な戦闘で内陸に向かっての侵攻でも、南京入城を含めて、民間人も含めて乱暴に相当数を殺している。日本は胸を張れる立場ではない。

 日本は戦争については、充分に悪いことをしている。中国や韓国との対抗から、厚顔無恥な主張をしろというのもよろしくはない。

 日本は胸に傷持つ身である。そこで「3500万人までは殺していないから悪くない」とか「30万人殺してないから大虐殺ではない」といいだせば、今まで以上の反発が生まれるだろう。

 あの戦争は良い戦争だったとか、アジアは日本が戦ってくれてありがとうと感謝しているとか間抜けなことを言い出せば、アジアの怒り(古い言い方だけどね)を呼び起こすだろう。中(あと韓・星か)の強硬派だけではなく、対日関係を改善しようとする連中を敵に回すことになる。

 それどころではなく、今は収まっている東南アジアも大反発をする。あのインドネシアでも日本軍政には反発があった。わだかまりはあるものの、戦後の援助や対中関係もあって、気にしていない風を装っているフィリピン、ベトナム、タイも怒り出すだろう。

 だいたい、不祥事を起こした当事者は黙っているものである。とりあえず許して貰った件について、後々になって、当の本人が「あれは悪くなかった」とか「あいつらの言っている被害は嘘」とか言い出しても、何もいいことはない。

 中国でも、民間人相当数を殺していることは間違いはない。それはゴメンナサイの話であって、その区区たる数に文句をつけて、だから悪くはないと言い出すのは、悪手の極みであることだよ。



※ 櫻井よしこ「歴史通になって対日歴史戦争に勝とう」『直言』241(国家基本問題研究所,2014.4.7)http://jinf.jp/weekly/archives/12540
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Comment

非公開コメント

もはや保守系の人の意見は、まともに聞く必要はないですね。
日本マンセーしかしないんですから。

No title

リンク先の記事を読みましたが、「だから悪くない」とは主張してませんでした。論点は「数字がねつ造されている」、「事実がねつ造されている」ということのようです。
あなたの記事のミスリードは意図的なものでしょうか。そちらのことのほうがとても気になりました。

クラウゼヴィッツ曰く

戦争は政策遂行・達成の手段に過ぎない訳だ。ソンでもって「この政策は崇高だ」とか「正しい!正義だ」と云った先が「3500万はウソだ!500万だ」とか抜かすから「???」と成ります。もし仮に数の大小が政策論と同列に来るとするならば、数字が崇高なのではなくて、その政策論が恥ずかしいレベルと告白しているようなモンだよね。

当時の世界情勢は列強による覇権主義の最盛期
弱肉強食で淘汰されていく中で小国や文明化に遅れた国を容赦する程、生ぬるい状況じゃなく
日本も列強の尻馬に乗って、大いに隣国を侵略したし、中国人を5億人以上は殺したが、それが何?と櫻井氏は堂々としてればよい
変に取り繕うから駄目

>ヱラン氏
全くその通りで櫻井氏の理論はその意味で破綻してるんですよ。
コメントの冒頭にいきなり5億人とわざわざ煽ったのはそういう意味です。
明らかに日中戦争は侵略戦争でしょうね。
そもそも勝利宣言の先導役は当時のマスメディア、勝利に沸き立って煽動したのは当時の国民
その一方、政府は破綻寸前の崖っぷち財政運営っていう話しで、領土拡大と資源確保に血眼になってたわけですから…
列強に狩られるくらいなら日清日露も第2次大戦も後先考えずにやってお仕舞い!って感じで…
当時の日本の国家中枢の指導者はその程度だったんでしょうね。
まぁ、中国側から見れば、現代の日本人も何時そうなるかも知れんから今のうちにみんな根絶やしにしたいっていう理論の方が破綻してませんし過去との整合性はとれてるんです。
怨み晴らさすおくべきかって話しで…
そういった中国側のある種、不条理な抗議に対して日本側は櫻井氏の様に不都合な無責任論で対抗してるのが…
まぁ、ここの管理人さんは良い意味で性根が腐ってますからねwww
この記事は『還元主義的に因数分解して数字にこだわってると、そのうち中国に本当に恨み晴らされちゃうんじゃね?オレは知らないけどwww』って事でしょうね

No title

経済の躍進もあって中国に開き直られてる状況が今現在なんだから、そういう手法が罷り通るんだなんて思わせたらあかんやろってことなんでないの。それこそ力関係で全て決まってしまう、あげくのはてに日本の戦時中の問題に関してはアメリカも肩を持ってくれないから力関係なんてそれこそ論ずるまでも無いし、誰も得しない国民的感情問題でアメリカの構想する(そして日本の依拠する)安全保障システムに亀裂を入れる可能性、という点でも対中対峙に不利に働く、そういうことなんじゃないのかな、と

No title

「三光作戦は敵の抗戦能力破砕を目的として一般住民に対してなされたという意味では、日本やドイツに対して連合国軍が行なった大規模な戦略爆撃と同性質と見なすことができ、三光作戦は総力戦時代における敵側の抗戦能力剥奪を目的とした戦闘形態の1つであり、同じ戦闘方法を都市部に対して近代兵器を使用して行なったものが戦略爆撃であると軍事史学的には分析することが可能であろう。」

以上、 山本昌弘著「華北の対ゲリラ戦、1939―1945」から抜粋。

日本軍は無軌道に感情任せで虐殺や略奪をやったのではなく、総力戦特有の作戦行動として中国の抗戦能力を奪おうとしていたというのが、この山本の指摘なわけだ。
アメリカ軍はB-29の戦略爆撃で日本の都市を焼いたが、日本軍は歩兵の行軍によって中国の都市を焼いたと。
非常にクールで客観的な主張で、総力戦とはそういうものである、と冷酷なまでに割り切っている点が、日中の研究者とは一線を画する(山本は執筆時は米ワイオミング大学教授だった)。

ネトウヨだったら「三光作戦は支那側が勝手に宣伝でつけた呼称であって、日本軍は三光作戦なる施策をやった事は無い!」と噛み付いてくるのだが(笑

No title

 総力戦というところまで拡大せずとも、英軍はインド北西辺境でパシュトン人の反抗的な部族相手に懲罰として穀物家畜を略取し村落を破壊するのをやってますし、米軍も原住民相手に似たようなことをしてるでしょう。

 そもそも、日本軍の場合は後方から送れるものには限りがあるわけで、作戦前には現地で兵糧を集めてから行軍開始している。攻勢限界点に達するまで前進しては後退するピストン作戦にしたって敵の策源地を破壊するものでしたからわざわざ三光作戦と名付けずとも、それ以外にやりようがなかったんじゃないかと。

No title

>とん氏
>米軍も原住民相手に似たようなことをしてるでしょう。

米英もやってるし日本もしてるのに、最近の右がかった人たちは「日本軍の蛮行は全部中国のプロパガンダ」って日本軍無謬論を唱える人が多くて困る。

>攻勢限界点に達するまで前進しては後退するピストン作戦

むしろ、このやり方のせいで、中共の浸透を許してしまった面がある。
確かに日本軍は強くて、討伐作戦を実施すれば中共を追い散らすのだが、日本軍はすぐに後退してしまうので、現地の住民からすると頼りにならない。
というのも、日本軍が後退すると、中共がまた戻ってきてしまうから。
中共は日本軍に協力した現地住民を「漢妍」として見せしめで処刑する。
もう一度日本軍が討伐作戦をやっても、前のように協力が得られないし、中共側に回ることも少なくない。

これを改善するために、日本軍は高度分散配置という方法をとるようになった。
これは小規模の守備隊(ほとんど分隊)を、広く占領地にばら撒いて警備に当たらせるもの。
日本軍の中国支配は「点と線」といわれるが、高度分散配置によって「面」の支配も確立しようとしたわけだ。
しかし、当然ながらこのやり方には莫大な兵力の頭数が必要になるので、結局破綻する。
それでも一時期は相当な治安改善効果が見られたのだが、別の大事件が起こってパーになった。
それは太平洋戦争。
警備に必要な人員を太平洋戦線に取られ、その上中国は日本の補給基地扱いされて更に収奪が進んでしまい、ますます抗日気運を育ててしまったとさ。