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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.04
22
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Category : 未分類
 中国で商船を差し押さえ食らった点だが、「日本の船」といった点で感情的になっているのではないか。

 別に拿捕されたわけではない。あくまでも商船三井が中国国内向けに運航している船を、中国国内で差し押さえされたという話である。ついでに言えば、間違いなく船隻は日本でも中国でもない。日本船や、日本で運航している船が「日本から中国に行った途端に、船が拿捕された」わけでもない。

 商船も、結局は個人の持ち物に過ぎない。私人である商船三井の動産(まあ不動産みたいな扱いだけどね)を、中国が国内の判決にしたがって差し押さえたという話である。

 商船には、この種の訴訟で特に保護される権利はない。軍艦であれば不可侵であるし、公船であれば国家の主権に属するために保護される。だが、商船は特段の保護もなく、普通に差し押さえされる。商船には外国に勝手に行けるとか、相手の無害通航なら領海に入ってもいいよとか、保税扱いだよいった権利はあるが、訴訟から保護される権利はない。
 だから、他例でも差し押さえられた前例がある。例えば、バングラディッシュで海軍艦艇と衝突事故を起こした韓国船籍の日本運航船は、損害賠償のカタに現地海軍に差し押さえられた。(最終的には船舶放棄で終わった)

 結局は、海外展開している民間企業の現地民間資産が差し押さえられた話だ。中国国内においといた自動車を差し押さえられたという話と変わらない。これ、三菱が、三菱鉛筆や三菱サイダーが戦前に中国に工場持っていたとして、そこでの契約不履行で、今、営業車を差し押さえられたという話に過ぎない。

 もちろん、日中関係の悪化を示すバロメータとしての価値はあるニュースである。中国の裁判所なので、裏に政治的な意図があるだろうという推測はできる。

 日本政府にしても、危惧し、関与する理由もある。特に高額な日本企業の資産を中国に差押えられたという点、その裏に政治があるのではないかといった点がそれだ。

 しかし、中国がやった差押えはルール違反ではない。中国は日中平和友好条約に触れないとしているし、特にそこでの対日請求権放棄は堅持していると述べている。また、中国にある日本資産も法に則って保護するとも述べている。実際にこれらの主張と実際の行動に明確な矛盾はない。

 これは、日本側の官房長官の声明でも明らかである。「日中国交正常化の精神を根底から揺るがしかねない」(21日、菅官房長官)と、中国側の差押えについて、明確な条約違反も法規違反も指摘できず、精神を揺るがすものだ程度にしか発言できてない。

 結局は、現地民間資産が差押られただけである。その背景に日中関係悪化がある。時効とか和解の話はどうなっているのかといった疑問もある。しかし、中国としても法的手続きを踏んでいる。革命無罪の国際法に反する無法の行いでもない。あまり問題視するのもナンだといった事件にすぎない。




 まあ、日本側での当惑や反発は「日本から中国に行った途端に、船が拿捕された」って思い込みなんだろうけどね。

※ リアル三菱だと却ってメンドイので、鉛筆とサイダーにしたけど、中国でもヤッパリ戦争に加担した産業資本、悪魔企業とか勘違いされるのかね。
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Comment

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No title

この程度なら問題ないって言いたいようですが
これが始まりだったら
どうします?

No title

>この程度なら~
それは無いとは言わんが、どうだろうね。
この問題は80年代から続くみたいだから、ここで終わりとも言える。

No title

重大な国際法違反じゃないですか。

Re: No title

何に触れるのですか?

> 重大な国際法違反じゃないですか。

No title

>>何に触れるのですか?
日中平和友好条約と日中共同声明に違反してますよね。

Re: No title

どちらも、相手の国の企業に民事裁判を免れるような治外法権も領事裁判権も認めていませんよ

No title

>>どちらも、相手の国の企業に民事裁判を免れるような治外法権も領事裁判権も認めていませんよ

これは日中関係の根幹に関わる話です。戦後処理と国交回復をしてるんだから、民間同士とか何とか関係無く、全て解決済みです。条約や協定が守れないなら、中国はナチスと同じ国際的無法者ですよ。

一応調べてみましたが

微妙ですね。
要は中国企業が日中戦争開始前に商船三井に船を貸し出して、それが戦時に沈没して返してもらえないことが発端。

日中共同声明第5項では
五 中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。
とされてますが、貸し借りは戦争前にされているので「戦時賠償」に該当するかがまず問題。戦争被害ではなくて、単なる賃貸関係の債務不履行とされるとされるとアウトなのです。
また「日本国に対する」とされていて、民間企業への賠償は直接規定されていません。

さらに難しいのが日中平和友好条約第3条
「両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。」
内政不干渉ですから国として判決に抗議するには限度がある。

ですので、国際法違反というよりは、日中共同声明の適用範囲の限界事例として理解した方がいいかもしれません。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXNASFS2802Q_Z20C14A4PE8000/