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- » 2023 . 03
Category : 未分類
中国とベトナムが南シナ海でちょっとした衝突している。海底油田を掘る掘らないで、相手の船に体当たりをしてという。東京新聞「中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い」は
あのあたりは、ベトナムと中国で石油鉱区の実績積み増しの競争をしている。中国も強引に石油を採掘しているが、ベトナムも外資を引き釣り込んで同じように鉱区を設定している。南沙では関係国で協同で採掘するという話もあったのだが、西沙はベトナムと中国2国の問題なので、こういうことになったのだろう。
日本としては、どちらの鉱区でもいい話である。日本は南シナ海の海底原油に頼る必要はない。日本はエネルギーを自前で採掘できないが、それゆえに安定供給してくれる輸出国を確保している。別に今回の油田に頼る必要もないので色目を使う必要もない。もちろん、南シナ海でも、インドネシアやマレーシアから天然ガスを買っているが、そこには政治的なリスクはない。
しかし、中国は自前油田が無いと困る。中国はエネルギー資源を採掘できるが、それゆえに海外からの安定供給の手段を確保していなかった。エネルギー自給ができなくなると、とたんに国内安定供給に障るのだろう。特に、民生安定のために食糧だけでもなく、エネルギーも国内価格を安価にしなければならないので、そのあたりは必死である。
ベトナムも似たようなものだ。いまのところ、改革開放での外資導入により、海底油田を開発している関係で輸出余力はあるものの、経済的発展に伴い、いずれは逼迫する。中国同様に一党独裁で自由のない国なので、民生安定のためにエネルギーを確保したいのは同じ頭だろう。
その上に、両国のナショナリズムが激突する場所にもなっている。もともと中国とベトナムは仲が悪い。歴史的にそうであり、中国がベトナムを助けたベトナム戦争中でも「実は仲良くないんじゃないの」という観測があったくらいである。そこに、領土が絡むことでこのようにヒートアップして、石油はオレのもので燃え上がったのが今回といわけだ。
この衝突は、日本にとっては奇貨である。中国との対立をベトナムの押し付けるチャンスであるからだ。南シナ海での海運に影響しない程度の対立と衝突は日本にとって好ましいものだ。西沙での火勢が強くなれば強くなるほど、日本は中国との関係改善のチャンスが手に入る。日本は中国と軍事力を積み上げるゲームをしているが、実際に中国と対立しても利益もない。そのような不毛な事態をベトナムに押し付けられるとすれば、非常に好ましいことだといえるだろう。
ここで、中国とベトナムをその気にさせて、尖閣での対峙を緩和方向にもっていけないものかね。対中対峙なんて何の利益にもならないことを、一手に日本が引き受ける構造は損でしかない。そういう面倒事は、ベトナムやフィリピンにお願いして、日本は中国との関係改善をするべきではないか。
例えば、中国のため、海洋安全保障で食っている組織の皆さんを西沙にスイングさせてあげられないものか。中国の海警や海軍が心置きなくベトナムと対峙できるように、何らかの発言、例えば「日本は尖閣での緊張をエスカレーションさせるつもりはない」といったことでも言って、中国に見えるように尖閣周辺での警備体制を少し下げる。海保の巡視船を心持ち減らし、警備での距離も多めにとり、追尾も弱くする。海自によるガス田監視も、離隔距離を多めに取るといった方法でどうにかならないものか。
あとは、ベトナムを勇気づけて火中の栗を拾わせる手段である。ただし、これを中国の恨みを買わないようにするのはメンドイものだ。まあ、どっかに投資検討とかそのレベルしか無いかね。いずれにせよ、ベトナムの海軍力は貧弱なので、順当に中国に押されきるだろう。それで西沙沖で中国が恒常的に石油採掘を始めれば、ベトナムは勝手にヒートアップしてくれるので、それでもいいといえば、いいだろう。
一番いいのは、どうとでも取れるように適当な発言なのだが。日本の傍観者的立場を維持しながら、ベトナムにも中国にも自国に有利に取れて、心置きなく衝突できるような発言ができればいいのだが、そういった気の利いた言い方はなかなか思いつかないものだよ。
※ 「中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い」『東京新聞』(東京新聞,2014.5.8)http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014050802000129.html
[西沙諸島で]「中国側は国有の大手石油企業が掘削に当たり、海警局の監視船が掘削船を護衛し、ベトナムは武装した警備艇など約三十隻を現場海域に派遣。中国の監視船は体当たりしたり、高圧放水銃を発射したという。と伝えている。
あのあたりは、ベトナムと中国で石油鉱区の実績積み増しの競争をしている。中国も強引に石油を採掘しているが、ベトナムも外資を引き釣り込んで同じように鉱区を設定している。南沙では関係国で協同で採掘するという話もあったのだが、西沙はベトナムと中国2国の問題なので、こういうことになったのだろう。
日本としては、どちらの鉱区でもいい話である。日本は南シナ海の海底原油に頼る必要はない。日本はエネルギーを自前で採掘できないが、それゆえに安定供給してくれる輸出国を確保している。別に今回の油田に頼る必要もないので色目を使う必要もない。もちろん、南シナ海でも、インドネシアやマレーシアから天然ガスを買っているが、そこには政治的なリスクはない。
しかし、中国は自前油田が無いと困る。中国はエネルギー資源を採掘できるが、それゆえに海外からの安定供給の手段を確保していなかった。エネルギー自給ができなくなると、とたんに国内安定供給に障るのだろう。特に、民生安定のために食糧だけでもなく、エネルギーも国内価格を安価にしなければならないので、そのあたりは必死である。
ベトナムも似たようなものだ。いまのところ、改革開放での外資導入により、海底油田を開発している関係で輸出余力はあるものの、経済的発展に伴い、いずれは逼迫する。中国同様に一党独裁で自由のない国なので、民生安定のためにエネルギーを確保したいのは同じ頭だろう。
その上に、両国のナショナリズムが激突する場所にもなっている。もともと中国とベトナムは仲が悪い。歴史的にそうであり、中国がベトナムを助けたベトナム戦争中でも「実は仲良くないんじゃないの」という観測があったくらいである。そこに、領土が絡むことでこのようにヒートアップして、石油はオレのもので燃え上がったのが今回といわけだ。
この衝突は、日本にとっては奇貨である。中国との対立をベトナムの押し付けるチャンスであるからだ。南シナ海での海運に影響しない程度の対立と衝突は日本にとって好ましいものだ。西沙での火勢が強くなれば強くなるほど、日本は中国との関係改善のチャンスが手に入る。日本は中国と軍事力を積み上げるゲームをしているが、実際に中国と対立しても利益もない。そのような不毛な事態をベトナムに押し付けられるとすれば、非常に好ましいことだといえるだろう。
ここで、中国とベトナムをその気にさせて、尖閣での対峙を緩和方向にもっていけないものかね。対中対峙なんて何の利益にもならないことを、一手に日本が引き受ける構造は損でしかない。そういう面倒事は、ベトナムやフィリピンにお願いして、日本は中国との関係改善をするべきではないか。
例えば、中国のため、海洋安全保障で食っている組織の皆さんを西沙にスイングさせてあげられないものか。中国の海警や海軍が心置きなくベトナムと対峙できるように、何らかの発言、例えば「日本は尖閣での緊張をエスカレーションさせるつもりはない」といったことでも言って、中国に見えるように尖閣周辺での警備体制を少し下げる。海保の巡視船を心持ち減らし、警備での距離も多めにとり、追尾も弱くする。海自によるガス田監視も、離隔距離を多めに取るといった方法でどうにかならないものか。
あとは、ベトナムを勇気づけて火中の栗を拾わせる手段である。ただし、これを中国の恨みを買わないようにするのはメンドイものだ。まあ、どっかに投資検討とかそのレベルしか無いかね。いずれにせよ、ベトナムの海軍力は貧弱なので、順当に中国に押されきるだろう。それで西沙沖で中国が恒常的に石油採掘を始めれば、ベトナムは勝手にヒートアップしてくれるので、それでもいいといえば、いいだろう。
一番いいのは、どうとでも取れるように適当な発言なのだが。日本の傍観者的立場を維持しながら、ベトナムにも中国にも自国に有利に取れて、心置きなく衝突できるような発言ができればいいのだが、そういった気の利いた言い方はなかなか思いつかないものだよ。
※ 「中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い」『東京新聞』(東京新聞,2014.5.8)http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014050802000129.html
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Comment
No title
22:01
マリンロイヤル
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チャンスではあるけれど
07:47
おひさま
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それにベトナムも押されたら押されっぱなしかもしれません。石油採掘なんて山師の世界ですから、早々に見切りをつける可能性もあります。
要は、日本もナショナリズムがあるために外交上は策が立っても、民間は損得では動かなくなってる。
ベトナム暴走で中国がヤられて、いくらなんでも可哀想となれば話は別ですが、そのシナリオはまず実現しない。
まあ、時間稼ぎも全く無益ではないでしょうから、その間に話のわかる方にご協力頂いて、実利を伴う形で何ができるかでしょうね。
最終的にはナショナリズムの終焉が問われるのでしょうが、考えても仕方が無いことなので。