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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.05
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Category : 未分類
 櫻井よしこ編『日本とインド 今結ばれる民主主義国家 中国『封じ込め』は可能か』※は、まずはインドをヨイショすることこの上ない。その民主主義であり、国際信義なりを強調する記事が多数載っている。

 だが、インドは彼らが敵視する中国と大差あるものではない。

 インドは、周辺国に対して相当強圧的である。福永正明さん※※ はインドは「地域大国」であることを主張するばかりか、いまでは「世界大国の一つ」であることを当然視し「周辺諸国は自国に従うべし」との旧宗主国のような外交、政治、経済政策を依然として行っていると述べ、それを受けたパキスタン、スリランカ、バングラディッシュが中国寄りとなったことを指摘している。

 また、インドは海洋法についても、相当に中国に近い考え方を持っている。

 インドは、自国EEZ(排他的経済水域)内での軍事行動を認めない立場にある。ダントンさんによると¶ 中国は米国によるEEZ内での活動に抗議する唯一の国家ではない。例えば、インドは自国のEEZ内における他国の軍事活動に明示的に反対している」と述べ、米海軍対してEEZへの進入を毎回抗議する点、中国の主張と同じである。

 インドは中国によるADIZ(防空識別圏)設定にも文句をつけなかった。国際水域であるはずの海の上で、航空機が自由飛行する権利への侵害に抗議していないのである。

 しかし、日本保守派はインドに幻想を抱いている。民主主義と自由があるインドは素晴らしいユートピアであり、インドと結べば対中包囲網やらの、どんな夢も叶うと考えているのだろう。

 その幻想が崩れた時、今度は批難に転ずるのだろう。実際、70-80年代の保守派による韓国、新中国への幻想とヨイショと、今の中韓への評価を見れば、インドに対しても同じことになると予想するのは難しくない。

 結局は、アメリカが仲良くするインドは、日本も仲良く出来る国であるから、無条件に信頼すべきであるといった、相手を見ない発想なのだろう。アメリカもインドはあまり信頼していないように見えるが、そのあたりを判断せずに信頼する点は、『永続敗戦論』そのものの構図である。



※   櫻井よしこ編『日本とインド 今結ばれる民主主義国家 中国『封じ込め』は可能か』(文芸春秋,2012.5)
    安倍晋三名義でスピーチも載っているが、中身はない。実際に彼に書ける原稿でもないだろうが。

※※  福永正明「インド洋をめぐる中印の攻防」『世界』2011.4増刊(岩波書店.2011.4)pp.97-106
   福永さんは特にインドの弱さも見るべきと述べている点は、注目すべき点である

¶  ダントン.レイター「中国の視点から見た南シナ海の管轄権」『海幹校戦略研究』(海自幹部学校,2011.8)pp.19-27.
   『プロシーディングス』2010年4月号からの翻訳、プロシーディングスの該当号は家にあるはずだが、書架になかったので海幹校から引っ張ってきた。

¶¶ さらにインドも政権が変わる。中国を牽制できる利益で日印は付き合っているが、逆にその程度の関係に過ぎない。新しいインドの指導者にとっては、日本との関係も、中国を牽制できればいい話であり、それ以上のことはする必要もないと考えるかもしれない。例えば、個人関係で押していた飛行艇が売れなくなっても不思議もない。なんせ、インドは契約したからといって、本当に買うかどうかわからない国である。
 正直、インドよりも中国の方が誠実だと思うけどね。ODAなんかキッチリ日本に返しているし、船舶も差し押さえたのは中国国内で使う船であり、たまたま日本から入港した船を差し押さえたわけではない。日本が大国であるかぎりは、誠実に付き合ってくれる。だから、中国と軍事力のゲームをしなければならないと思うのだがねえ。
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No title

一応は西側だった韓国はともかく新中国(所謂共産党政権になってからの大陸中国って意味ですよね?)に対するのは反米的な意味でしたっけ?日米摩擦なんかで反米ナショナリズムもありましたし

ってな事を考えてたらそもそも当時はソ連も健在でしたね…

インドに裏切られたら(国境を直接接しない分、領土関係でもめる事が無いだけはマシかも)次の次の国はどこでしょうね?
インドの伝統的ライバルのパキスタンは輪をかけてアレだし中国との付き合いのほうが長いし…

人口と島国だからという理由でインドネシアだろうか?王室でタイだろうか
それとも国旗が日の丸でバングラディシュ?

今中国とケンカしてるベトナムの暴動、どっちかというと時給40円とか言うすさまじい低賃金の労働環境に対する怒りのほうに火がついたのが原因らしいってのきいてるとなんだかなあ。

中国に安い労働力が期待できなくなったからベトナムにシフト、っていうのももうそろそろ終いなんじゃないかと

No title

日本とインドの協力関係は変わらないだろう。ウクライナ情勢でロシアが中国と対立できない今、中国を牽制できる存在は不十分とはいえ日本だけですから。ロシアが欧州で手一杯のあいだは、中国は自由に動けるので南シナ海だけでなく、カシミールでも何かやるかも知れませんね。