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- » 2023 . 07
Category : 未分類
中国海軍が親善入港でアンゴラに入った。フリゲート×2、補給艦×2であり、フリゲートのうち1隻は2500トンもない江衛Ⅱ型だからご苦労さんといったものだ。
中国国防部「我海軍艦艇編隊首次訪問安哥拉」によると、ルアンダ港に塩城艦(江凱Ⅱ級)、洛陽艦(江衛Ⅱ級)、太湖艦(福池級)が入ったという。中国はアンゴラ沖の石油開発に噛んでいるので、その関わりもあっての親善入港なのだろう。
中国は石油自給ができなくなってから、海外石油の確保に汲々としている。同じ石油輸入国の日本とは異なり、今まで安定輸入先が無かった点と、政策的に国内物価を低く抑えたい発想がある。このため、手付かずに近いアフリカ・南アフリカの海底石油に、資本参加を含めてアクセスしようとしている。
ただねえ、その石油を中国本土に持ってくる通商路は、どう保護するつもりなのだろうか?
喜望峰から中国本土、広州までは12000kmある。中国が頼みにするアンゴラ、ブラジル、ナイジェリアで買い付けた石油を中国本土まで安全に運ぶには、周辺国との安定した関係が欠かせない。
しかし、中国はインド、オーストラリア、インドネシア、マレーシアといった国と安全保障で旨く行っていない。有事に米海軍力と日本海軍力が出てくれば、インド洋海上輸送はまず途絶する。
中国は、石油輸入と言った点で、オフショア・コントロールで相当に参ってしまうのではないか。オフショア・コントロールとは、米国側による第一列島線の大陸側での海上輸送拒否、第一列島線の防衛、第一列島線の外側支配といった戦略構想である。この場合、インド洋での中国海上輸送は間違いなく拒否されるし、そこに中国は護衛戦力を割くことはできない。できるのは、米国海上支配を邪魔しようと潜水艦を送る程度の話だが、潜水艦では通商保護はできない。
中国海軍は、第一・第二列島線での防禦はできるかもしれないが、その状況では相当に干上がってしまうのではないかね。中国は今の段階でエネルギーも食糧も自国で自給はできなくなっている。その輸入資源の多くは海上輸送に依存している。戦争状態になった時、その海上輸送を止められれば、中国はいずれ干上がる。中国が戦争を止めなくとも、経済的失速からその脅威もドンドン低下するだろう。
やっぱり、中国に対抗するのは海軍力じゃないのかね。対中戦のための南西諸島向けがあるから陸軍力は重要。だから、陸は減らさず、根本的な海の予算や人員増強はしない。そういう防衛政策というのは、方向性として間違っているんじゃないのかね。
※ 高鵬「我海軍艦艇編隊首次訪問安哥拉」(中華人民共和国国防部,2014.6.7)http://news.mod.gov.cn/headlines/2014-06/07/content_4514588.htm
中国国防部「我海軍艦艇編隊首次訪問安哥拉」によると、ルアンダ港に塩城艦(江凱Ⅱ級)、洛陽艦(江衛Ⅱ級)、太湖艦(福池級)が入ったという。中国はアンゴラ沖の石油開発に噛んでいるので、その関わりもあっての親善入港なのだろう。
中国は石油自給ができなくなってから、海外石油の確保に汲々としている。同じ石油輸入国の日本とは異なり、今まで安定輸入先が無かった点と、政策的に国内物価を低く抑えたい発想がある。このため、手付かずに近いアフリカ・南アフリカの海底石油に、資本参加を含めてアクセスしようとしている。
ただねえ、その石油を中国本土に持ってくる通商路は、どう保護するつもりなのだろうか?
喜望峰から中国本土、広州までは12000kmある。中国が頼みにするアンゴラ、ブラジル、ナイジェリアで買い付けた石油を中国本土まで安全に運ぶには、周辺国との安定した関係が欠かせない。
しかし、中国はインド、オーストラリア、インドネシア、マレーシアといった国と安全保障で旨く行っていない。有事に米海軍力と日本海軍力が出てくれば、インド洋海上輸送はまず途絶する。
中国は、石油輸入と言った点で、オフショア・コントロールで相当に参ってしまうのではないか。オフショア・コントロールとは、米国側による第一列島線の大陸側での海上輸送拒否、第一列島線の防衛、第一列島線の外側支配といった戦略構想である。この場合、インド洋での中国海上輸送は間違いなく拒否されるし、そこに中国は護衛戦力を割くことはできない。できるのは、米国海上支配を邪魔しようと潜水艦を送る程度の話だが、潜水艦では通商保護はできない。
中国海軍は、第一・第二列島線での防禦はできるかもしれないが、その状況では相当に干上がってしまうのではないかね。中国は今の段階でエネルギーも食糧も自国で自給はできなくなっている。その輸入資源の多くは海上輸送に依存している。戦争状態になった時、その海上輸送を止められれば、中国はいずれ干上がる。中国が戦争を止めなくとも、経済的失速からその脅威もドンドン低下するだろう。
やっぱり、中国に対抗するのは海軍力じゃないのかね。対中戦のための南西諸島向けがあるから陸軍力は重要。だから、陸は減らさず、根本的な海の予算や人員増強はしない。そういう防衛政策というのは、方向性として間違っているんじゃないのかね。
※ 高鵬「我海軍艦艇編隊首次訪問安哥拉」(中華人民共和国国防部,2014.6.7)http://news.mod.gov.cn/headlines/2014-06/07/content_4514588.htm
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Comment
18:43
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あとはコスト面
19:12
おひさま
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現在の日本側優勢に加えて、中国は周辺諸国と軍事的緊張が耐えないので建艦競争にはついて来れないというのが、文谷説の要旨だったと思います。
ですが、予想外に中国が粘って、日本側も財政的に勘弁してくれという場合、どうなるのかなとは思いますね。
そういう場合の担保としては、アレな首相がやってることも、全く理解出来ないものではないんですよ。
あと、70年代以前に退行するような陸自重視の離島防衛も、最小限だけやって残りはアメリカに仕事を投げるという意味では合理的なのかなと。
その辺はどうなんですかね?
Re: あとはコスト面
20:41
文谷数重
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まー、そういうことになったとしたらですけど。
米国も対中融和となれば、日本だけ対中強硬策してもしかたがないので、その時は対中関係を見なおせばいいんじゃないかと思います。あとはその中で、どれだけの拒否能力を中国に見せつけられるかで、軽く見られないようにするしかないと思います。
> >やっぱり、中国に対抗するのは海軍力じゃないのかね。
>
> 現在の日本側優勢に加えて、中国は周辺諸国と軍事的緊張が耐えないので建艦競争にはついて来れないというのが、文谷説の要旨だったと思います。
> ですが、予想外に中国が粘って、日本側も財政的に勘弁してくれという場合、どうなるのかなとは思いますね。
>
> そういう場合の担保としては、アレな首相がやってることも、全く理解出来ないものではないんですよ。
> あと、70年代以前に退行するような陸自重視の離島防衛も、最小限だけやって残りはアメリカに仕事を投げるという意味では合理的なのかなと。
>
> その辺はどうなんですかね?
No title
22:29
だむ
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