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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.06
13
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12:00
Category : 未分類
 北村淳さんの「台湾海峡危機から18年、状況は大きく変化した -米国防総省リポートが警戒する中国軍の戦闘力」なのだが。米国の報告書による中国軍観察と、日本周辺への影響を丁寧に読み解いている面白い記事である。

 しかし、そこに資料批判的な観点がないのが残念とも言える。

 米国防省のレポートは敵国を大きく、危険と見せるものである。これは、かつて年刊されていたソビエト・ミリタリー・パワーズも、今の中国軍事力についての議会報告も変わらない。どの役所もそうであるが、国防省には、自己の行政領域の拡大と予算増大を望んでおり、そのためには問題点を過剰に協調する傾向にある。

 北村さんも、おそらくそのことは承知していて、日本の軍事力を増やせといった主張に使っているのだろう。記事の結論は
まさに、中国人民解放軍の台湾に対する短期激烈戦争に勝利する能力はほぼ整い、極めて近い将来には日本に対する短期激烈戦争にも勝利する準備が完了するのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40911?page=4
とまで述べているいる。
<
 北村さんは、常に日本の防衛力を増やせ、防衛費を増やせといった主張をしている。そのために中国軍は強いとする(実際に増強されているが)米国防省の報告を使ったわけだ。

 しかし、中国は実際には台湾や日本を圧倒するほどの軍事力は持っていない。

 そもそも、北村さんが述べる「短期激烈戦争の勝利」とはなんだろうか

 台湾と日本の占領を指しているとすれば、それは無理な話である。確かに、中国の軍事力は台湾を超越しているが、国府軍も強力であり、短期の完全占領はまずできない。強力な海空戦力を持つ日本はもっと難しい。中国にはまだ台湾を一気に回収するだけの軍事力はないし、「極めて近い将来」にも日本本土侵攻の能力もない。

 限定的侵攻や、空中戦、海上衝突であれば、戦争は短期では終わらない。戦争が長引けば、出ない出ないといっていた米国も出てくる。米軍が出てくれば、中国は負けないかもしれないが勝ちもない。米軍が出てこなくとも、中国を泥沼に突き落とすためには武器や弾薬はいくらでも売る。ビジネスチャンスである。ズルズル戦争は続く。

 そして
極めて近い将来には日本に対する短期激烈戦争にも勝利する準備が完了するのである。そして、日本で悠長に集団的自衛権に関する神学論争に明け暮れているような状態が続くならば、その日がますます早まるであろうことは疑いない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40911?page=4
と結論づけている。

 北村さんに限らず、この手の論議で不思議なのは、中国は日本を狙っているとする発想である。現実には、中国軍の頭には対日戦で「短期激烈戦争」を行って勝つという発想はない。中国は台湾正面や南シナ海での短期決戦的な戦闘は狙っているし、米国が侵攻に対し、できるだけ遠くでマトモに戦える軍事力整備を狙っている面はある。だが、対日戦で日本を打倒できる戦力を作る発想はない。

 仮想敵国との対峙があるので防衛力を増やせという主張では、仮想敵国が日本に攻めてくるといった話しかしないのは不思議なものである。ソ連脅威論の時代には、研究者はソ連には日本に侵攻する能力がないことを知りながら、ソ連は北海道に攻めてくると言い出した。同じように、中国の脅威と防衛力増強をいう人は、中国には日本本土に侵攻する能力がないことを知りながら、それを言っているのだろう。かつての国防総省のソ連の軍事力のように。


※ 北村淳「台湾海峡危機から18年、状況は大きく変化した -米国防総省リポートが警戒する中国軍の戦闘力」『JBPress』(日本ビジネスプレス,2014.6.12)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40911
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Comment

非公開コメント

No title

この手の人達のお話はいつも同じ。
敵は日本征服を企んでいる、と。

ショッカーやらギャラクターなどと同じらしい。

この人も10年後ぐらいに不明を指摘されるんだろうが、そこまで想像していないじゃないのかな。





日本の危機を煽り仕事を貰おうって人たちはいつまでたっても居なくならないもんですね