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- » 2023 . 02
Category : ミリタリー
沿岸防衛に使われるミサイル艇だが、フリゲートや駆逐艦(以降、大型艦)に勝つことは難しいのではないか。
ミサイル艇が勝利(一方的な勝利ね)を収めるためには、先制し、ミサイルが相手の防空網を突破し、反撃不能な損害を与えなければならない。
しかし、最初に先制する段階からして難しい。ミサイル艇のレーダは低い。レーダをより高い位置に設置できる大型艦に対して不利である。レーダの探知距離からすれば、大型艦がミサイル艇を先に見つけるだろう。また大型艦の多くは艦載ヘリを持っている。ミサイル艇が大型艦を先に見つけることは容易ではない。
また、ミサイル艇側からすれば、発射したミサイルが大型艦の防空網を突破できるかどうかも問題になる。規模や役割によるが、フリゲート以上であれば、少なくとも自艦防空ミサイルや両用砲、CIWSを備えている。ミサイル艇側の攻撃は、これらの対艦ミサイル防御に防がれる可能性が高い。
さらに、仮に当たったとしても、それで相手が反撃不能になるかどうか。船体規模にもよるが、1発2発が命中したところで、大型艦の継戦能力を奪えるどうかは分からない。
ミサイル艇が勝つことは相当難しい。
そして、以上3点をサカサマにすると、ミサイル艇が生き残れる可能性はずいぶん低い。そのように見える。
まず、大型艦とその艦載ヘリが先にミサイル艇を発見する可能性が高い。ミサイル艇側はむしろ先制攻撃を受ける側になるだろう。また、ミサイル艇側は有効な対艦ミサイル防御を持っていない。ミサイル艇側は、発射されたミサイルに対してCIWS程度の対空兵器しかもっていない。加えたとしても限定されたソフト・キルだけだ。そして、ミサイル艇は小型であるので容易に撃破されてしまう。ミサイル艇を撃破するためには小型の対艦ミサイルでも充分である。
ミサイル艇が大型艦に勝つことは難しいが、大型艦は容易にミサイル艇に勝つことができるということだ。あるいは、ミサイル艇はよくて両者共倒れ。大型水上艦は完全試合を期待できるといってもよい。
当たり前といえば、当たり前の話である。今のミサイル艇は魚雷艇の子孫であり、大型艦は駆逐艦の子孫である。今の大型艦の先祖は駆逐艦(DD)であり、さらにその先祖は水雷駆逐艦(TBD)、つまりトーピード・ボート・デストロイヤーである。魚雷艇の類は勝ち目は薄い。前の戦争中も、MBTやMASやPTの類は、概ね駆逐艦に駆逐されている。
対艦ミサイル登場の黎明期、一時的に小型艇側だけが対艦ミサイルを持っていた時期であれば、ミサイル艇が大型艦に勝てたかもしれない。だが、大型艦側が対艦ミサイルを装備した後には、ミサイル艇は駆逐される存在に戻っているといってよい。
結局、ミサイル艇では大型艦に勝てないのである。
ミサイル艇が勝利(一方的な勝利ね)を収めるためには、先制し、ミサイルが相手の防空網を突破し、反撃不能な損害を与えなければならない。
しかし、最初に先制する段階からして難しい。ミサイル艇のレーダは低い。レーダをより高い位置に設置できる大型艦に対して不利である。レーダの探知距離からすれば、大型艦がミサイル艇を先に見つけるだろう。また大型艦の多くは艦載ヘリを持っている。ミサイル艇が大型艦を先に見つけることは容易ではない。
また、ミサイル艇側からすれば、発射したミサイルが大型艦の防空網を突破できるかどうかも問題になる。規模や役割によるが、フリゲート以上であれば、少なくとも自艦防空ミサイルや両用砲、CIWSを備えている。ミサイル艇側の攻撃は、これらの対艦ミサイル防御に防がれる可能性が高い。
さらに、仮に当たったとしても、それで相手が反撃不能になるかどうか。船体規模にもよるが、1発2発が命中したところで、大型艦の継戦能力を奪えるどうかは分からない。
ミサイル艇が勝つことは相当難しい。
そして、以上3点をサカサマにすると、ミサイル艇が生き残れる可能性はずいぶん低い。そのように見える。
まず、大型艦とその艦載ヘリが先にミサイル艇を発見する可能性が高い。ミサイル艇側はむしろ先制攻撃を受ける側になるだろう。また、ミサイル艇側は有効な対艦ミサイル防御を持っていない。ミサイル艇側は、発射されたミサイルに対してCIWS程度の対空兵器しかもっていない。加えたとしても限定されたソフト・キルだけだ。そして、ミサイル艇は小型であるので容易に撃破されてしまう。ミサイル艇を撃破するためには小型の対艦ミサイルでも充分である。
ミサイル艇が大型艦に勝つことは難しいが、大型艦は容易にミサイル艇に勝つことができるということだ。あるいは、ミサイル艇はよくて両者共倒れ。大型水上艦は完全試合を期待できるといってもよい。
当たり前といえば、当たり前の話である。今のミサイル艇は魚雷艇の子孫であり、大型艦は駆逐艦の子孫である。今の大型艦の先祖は駆逐艦(DD)であり、さらにその先祖は水雷駆逐艦(TBD)、つまりトーピード・ボート・デストロイヤーである。魚雷艇の類は勝ち目は薄い。前の戦争中も、MBTやMASやPTの類は、概ね駆逐艦に駆逐されている。
対艦ミサイル登場の黎明期、一時的に小型艇側だけが対艦ミサイルを持っていた時期であれば、ミサイル艇が大型艦に勝てたかもしれない。だが、大型艦側が対艦ミサイルを装備した後には、ミサイル艇は駆逐される存在に戻っているといってよい。
結局、ミサイル艇では大型艦に勝てないのである。
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No title
04:44
ottomatta
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FACって五月雨式に、パラパラと襲来して終わりですからね
20:54
文谷数重
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「数十隻[の]ミサイル艇」で「艦対艦ミサイルの[飽]和攻撃」という話ですね。
ミサイル艇の類(FAC)は、割と広くばら蒔かれます。そして航続距離も短く、居住性も悪い。海面状況の影響も受けやすい。水上艦に比べて、展開能力に大きく劣ります。水上艦の来るところに集結させることは容易ではないでしょうね。待ち構えたにしても、FACがウヨウヨしていそうなところでは、水上艦は警戒を厳にして接近するでしょう。捜索能力で優位に立つ水上艦は虎口を脱するでしょうね。まずFACによる飽和攻撃なんてうまくいかないのですよ。第一次、第二次世界大戦を見ても、FACって五月雨式に、パラパラと襲来して終わり。
まあ、私が「数十隻」ものFACを集めて、集中運用できたような例を知らないだけかもしれませんけど。
折角ですので「数十隻」のFAC、「[飽]和攻撃」できたような例があれば、ご教授頂ければと存じます。
本当だろうか
07:04
tetoris
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中共ではミサイル艇を100隻以上配備し、現在も建造中である。搭載ミサイルは射程150km以上、マッハ1.5を4連2基である。やがて、総計1000発以上の射程150km以上のミサイルを有する船団を形成することが可能に成るだろう。また、殲10の実戦配備数も増加している。戦闘ヘリコプターの数も増加の一途である。既に、数百両の戦車、1万人の兵隊を運搬できるだけの揚陸艦、相当数の水陸両用艦も配備している。
現在建造している空母、ミサイル駆逐艦、大型フリーゲートは艦隊としてやがて西太平洋に出るだろう。日本の護衛艦隊群、航空総体がこれらと対峙せざるをえなくなった場合、果たして直接的国土防衛にどの程度の戦力をまわすことが出来るのだろうか。
現在の直轄護衛隊16隻(高錬度8隻)と航空隊2,3隊で、東シナ海を押し寄せるこれら中共のミサイル艇団+揚陸艦+航空機を防げるのだろうか。陸上自衛隊も陸上からm地対艦ミサイル、多目的ミサイル、MLRS、榴弾砲、戦車、戦闘ヘリで迎え撃つことに成るのだろう。上陸地点の戦火は相当のものに成ると予想できる。
これらは仮定尽くめであり、単なる思考の遊びである。元寇や倭寇の世界の話かも知れない。しかし、東シナ海は古来より数10トン以下の木造船が往来する海でもある。
ミサイル艇は大型艦に勝てないという表現に違和感を感じる。また、正しくも無いだろう。
ミサイル艇が大型艦に勝てる見込みは少ないでしょう
15:07
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どうも
一般的に見れば、水上艦艇側が先制するでしょうという話です。防空でも、直接防御でも水上艦艇側は優れていますが、ミサイル艇は一方的に不利ですからね。
>ミサイル艇は大型艦に勝てないという表現に違和感を感じる。また、正しくも無いだろう。
逆に、「ミサイル艇が大型艦に勝てる」訳でもありませんよね。で、モデルケースを考えれば、既述のように水上艦が有利というわけです。
ミサイル艇の使い方としては、沿岸防備ですから
>総計1000発以上の射程150km以上のミサイルを有する船団を形成すること
はありません。
あとは「中共」という言い方に違和感を感じます。素直に中国と読んであげましょうよ(笑