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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.07
09
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12:00
Category : 未分類
 リムパックで「いせ」が湾口部に近い岸壁に係留された理由は、水深と出入港の手間だけではないか。

 だが、北村淳さんは、それを対中威嚇としている。北村さんの記事「リムパックで特等席を与えられた自衛隊『いせ』-自衛隊と共に中国海軍を威圧したい米海軍」では
日本の軍艦旗を掲げる堂々とした「いせ」は、リムパック2014に参加する各国艦艇が停泊するパールハーバー米海軍基地の入り口に係留しているのである。[中略] もちろん「いせ」[座乗の指揮官が]が目立とうとして最高のシートを確保したわけではなく、各国軍艦の係留位置はアメリカ海軍によって指定されたのである。これは、同盟軍である海上自衛隊とともに中国海軍を威圧しようというアメリカ海軍の粋な計らいと考えることもできる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41108?page=4
と、「中国海軍を威圧しようというアメリカ海軍の粋な計らい」(北村)としている。

 これは考え過ぎである。もちろん、米海軍が真珠湾で便利な場所を指定してくれたのは日本への好意かも知れない。だが、「いせ」を中国海軍に見せつけるといったように解釈するのは、北村さんのような、日本の安全保障サイドが持つ中国への敵対感・敵視感を、当然に米国や米軍も漲らせているとする誤解であるようにみえる。

 実際に、日本の安全保障サイドは、対中対決感に溢れている。中国の行動は、全て軍事的に日本に対抗するための措置であるとするものだ。最近であれば、ウクライナ情勢もそれで判断していた。基本的には対岸の火事であり、どうでもいいウクライナ問題について「中国に軍事技術を供与するウクライナ」という問題から、重要だ重要だと言い出すそれである。※※

 しかし、それは米国には通用しない。米国は中国とは折り合いをつける頭でいる。国際政治サイドや、経済サイドの連中はその頭であるし、安全保障サイドでもそう考える傾向もある。リムパックへの参加お誘いも、対決ではなく折り合いといった発想の結果である。

 その構造を見ないで、日本の右派系保守層は、米国に尽くせば日本は助けて貰える、中国と対決してくれると甘く考えている。米国に忠誠を誓う日本保守の敵である中国は、米国の敵であると信じている。中でも、安全保障サイドにはその弊が大きい。※※

 だから、「いせ」係留場所でも、日本の真心が通じて結果、米海軍が対中牽制してくれたと、そう北村さんは判断したのだろう。

 だが、残念なことに実際は、水深と出入の手間だけの問題だろう。真珠湾は比較的浅いため、「いせ」のような大型艦を大水深岸壁があり、港湾への出入りが容易な湾口部に置こうとしただけの話である。奥に入れると、水深(喫水+1.5m)が足りなかったり、そこまでの車庫入れ車庫出しが面倒くさくなるだけの話にしか見えない。



※ 北村淳「リムパックで特等席を与えられた自衛隊『いせ』-自衛隊と共に中国海軍を威圧したい米海軍」『JB PRESS』(日本ビジネスプレス,2014.7.3)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41108

※※ イスラエルが、周囲にあるアラブ世界を全て敵と見做し、始終攻撃していることに似ている。イスラエルは、今の日本と同じように、米国から外交でのお荷物視されていることも同じである。

※※※ 実際に、今回の集団的自衛権の話も、米国に尽くせば日本は救われるというそれであり、永続敗戦論そのものでもある。
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