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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.07
21
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Category : 未分類
 『海幹校戦略研究』最新号、平山さんの「オフショア・コントロール戦略を論ずる -『戦争を終わらせるための戦略』と日本の戦略」が面白い。乱暴にオフショア・コントロールを説明すれば、ハメスによる「対中戦でエアシーバトルとかJOACはまず無理、できる戦争って沿岸封鎖がいいとこじゃないの」といった話。それに平山さんは「それって日本が参加しないとしょうがないよね」と示唆している点が、非常に興味ふかい。

 具体的には「(2)日本の選択肢:4つのオプション」である。章末の表がわかりやすいが、日本が全面的に参加すれば、米国は最大の効果が見込めるが、部分的参加であれば米国の重荷が一気に増え、部分的不参加であれば日本商船も封鎖対象にしなければならず、全面的不参加であれば米国はどうしようもないというもの。

 つまり、日本が参加しなければ、オフショア・コントロールは成立しない。南シナ海やそこへのチョーク・ポイントは米海軍力(と空軍力)だけで封鎖できるだろう。だが、東シナ海への出入は止められない。南・東シナ海の半分が封鎖できない状態では、オフショアコントロールは機能しない。外にも、中国は日本海への最低限の出入口と、陸路経由によるインド洋や日本海へのアクセスを持っているが、それはさておく。

 これは日本の利益ではないかね。米国による対中戦の成否をコントロールできる立場にあるわけだ。もちろん、どのような構想で対中戦をやるにせよ、今の米国からすれば日本の存在が前提になっているわけだ。だが、その中でもオフショア・コントロールでは日本の自由度が高くなる。

 オフショア・コントロールでは、その強度を日本の判断で捜査できる可能性がある。かつてのイラク禁輸のなかでの、人道的物資の融通や、その支払資金を名目としての石油迂回輸出ができる立場にある。フィリピンや韓国あたりがやりだしたなら、米国は単純に力で押さえつけられるが、戦力や基地、後方支援を依存する日本には、力だけでは押さえ込めないし、それなりに話をつける必要がある。

 ただ、実際にやるかどうかといった話は全く別だけどね。対ソ戦でのエアランドバトルと同じで、戦争になったらこうするといった話で、戦争のリスクが高すぎて簡単にフッカケられるものではない。実際にやると、日米は中国市場と中国の資源にアクセスできなくなるし、中国も日米市場やその投資、海外資源へのアクセスができなくなる。どっちも破滅的なダメージをうけるので、まずは対中戦自体を選ばないし、そもそも冷戦のような対立関係にないからねえ。

 まあ、最大の問題は、6月30日発行の『海幹校戦略研究』6月号が今届いて、ネットに掲載されるのが10月中旬頃と言う話だが、限られた人数でやっていて、営利でないので印刷も印刷補給隊なので仕方がない。金とって売れる内容なんだけどねえ。



※ 平山茂敏「オフショア・コントロール戦略を論ずる -『戦争を終わらせるための戦略』」『海幹校戦略研究』(海自幹部学校,2014.6.30)pp6-26.
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