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- » 2023 . 02
Category : 未分類
炊飯器にトマトをまるごと入れて、ご飯を炊く話がある。「インパクトありすぎ! トマトを炊飯器にぶっ込んで炊くだけの「トマト丸ごとごはん」が意外なウマさだった」で見つけたのだが、遡ってみると最初にやったのはNHKの「わたしと野菜のおいしい関係」という番組らしい。
ただこれ、旧海軍の「トマト羊羹のせご飯」そのものではないかね。潜水艦では生野菜が手に入らない。もやしを作った話はあるが、あとは乾燥野菜だけ。味気もないし彩りもないところに、カゴメがケチャップ原料を転用して作ったトマト羊羹が登場して大人気だったというもの。
潜水艦ではそれをスライスしたり、賽の目に切ってご飯の上に載せて食べていたらしい。本来は、水で伸ばしてトマト・ピューレ(トマトを潰したもの)に戻したりする使い方を考えていた。だが、色と新鮮な酸味に渇望した乗員はそうして食べたという話がある。
これは、トマトまるごとご飯と全く変わらない。グズグズになったトマトをご飯に載せて、あるいは混ぜて食べるというのは、戦争中にもあったという話だ。
もちろん、微妙な違いもある。トマトまるごとご飯と比較すれば、トマト羊羹のせご飯は、実際にはある程度酸味が強い。逆に言えば、まるごとご飯はマイルドになっているだろう。
トマト羊羹は、トマト・ピューレから水分を飛ばすときに、ピューレ側を加熱せずに熱風で水分をとばしている。沸騰する温度まで上げると、風味が損なわれるためという。だから、ご飯にのせ、あるいは混ぜると酸味が味わえる。
トマトまるごとご飯は、逆に煮ることいよって、強い青臭さや酸味を飛ばしている。沸騰温度まで上げた後、60度程度で保温するためである。おそらく、それほどの酸味はないだろう。
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Comment
トマト羊羹というより……
13:53
yossi
URL
編集
http://www.warbirds.jp/prince/pr0001.html
の2001.02.21、『トマトケチャップと潜水艦』より、
”「毎日毎日青海原ばかりながめて暮らしている海上勤務の将兵にとって、あの穏やかな赤い、さえた色は何とも温かく、そしてあの甘酸っぱい柔かな味は心にしみるようで、今も忘れられない。実際に溶かして食べるより、さいの目に切ったり、薄くスライスしたりして熱いご飯の上にのせて食べたが、非常にうまかった。あれを見ると、食欲がわいたものだ。」”
単に、野菜への渇望というより、赤がお日様の色、と教えられた日本人の、潜水艦で缶詰め状態での陽光への希求が現れたもの、と考えると、意義深いですね。
もっとも、海自の潜水艦では夜間当直前の食事は暗順応対応として、赤い夜間照明下、何食べても味が判らないそうで、味覚に対する視覚の影響もバカにならないなと(^^;。
>旧海軍の「トマト羊羹のせご飯」