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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.09
26
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Category : 未分類
 アレ宰相が国連改革だの国際貢献だの言っているが、常任理事国になれる見込はあるものなのだろうか。

 常任理事国は既得権のようなものだ。連合国での指導的立場にあった各戦勝国の立場を反映したもので、拒否権により他の国よりも高い地位にある。

 そこに、日本が出て行って「お前たちの駄加盟国よりもエラい立場にしろ、権利を寄越せ」といって上手くいくものでもない。「世界で2番目に国連負担金を支出」云々の話は、金で地位を寄越せというようなものだ。

 第三世界の支持も、アテになるものでもない。日本と各加盟国との話し合いでは、日本の歓心を買い、援助や投資を得るために「常任理事国入りを支持」するというだろう。だが、その本心はどうか分からない。

 実際、日本の常任理事国入りに反対する国にも、第三世界は同じように歓心を買うために「懸念を理解する」とか言われるだろう。中国は日本の常任理事国入りには反対する。日本の立場が向上して、国連外交で挑戦してくることは避けようとするだろう。ロシアも、日本を常任理事国にしてしまうと不利になる。日本に「常任理事国になるならオレのいうことを聞け」といった外交的立場を失うためだ。その両大国がいるので、第三世界は両天秤ではないか。

 なったとしても、工作に要したコストと実利は見合うものなのだろうか。

 日本は昔から常任理事国入りのために椀飯振舞している。特に、バブル期にはアフリカでの工作で、無駄に大量のODAをばらまいていた。

 それでいて常任理事国入りができる見込みもない。現今の情勢では、中国は阻止しようとするし、ロシアは問題の引き伸ばしで利益を得ようとする。特に、中国の影響力が増している現状では、総会で2/3の支持を確保できるかは怪しい。なんせ、台湾から新中国に変わった時のような大義名分がない。

 なれるとすれば、名前だけの常任理事国がいいところではないか。拒否権なしの常任理事国といったものだろうが、それは非常任理事国の継続に過ぎない。それは、バイトが正社員になれるのではなく、バイトと同じ条件で契約社員になれただけの話である。

 その地位のために、多額のコストを費消することは妥当ではない。

 結局は、「常任理事国になれる詐欺」ではないか。「常任理事国入り運動」は国益ではなく、関係者だけの利益ではないか。「なれる詐欺」で予算を分取り、執行で美味しいことができる外交関係部局の権益や、内政が行き詰まった時に、外交に目を逸らさせようとするその時その時の政権にとっての利益にしか見えない。

 まあ、ホニャララ外交の類は、それを実現するためのコストばかりがかかるということだ。まずは、支持を貰うための工作で時間と予算を食いつぶして終わる。外交は余計なことをしないのが一番ではないかね。日本人の保護や、投資や貿易といった権益保護だけしていればいいと思うよ。
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そりゃ敗戦戦犯国が「連合国」になれるわけが無いわなあ。有志連合だか地球連邦だか知らないが、「国連の次の国際機構」ができる時にそこのインナーサークルに入る算段したほうがよほどマシだろうに