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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.10
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06:37
Category : 未分類
 北村淳さんが、米議会内の対中政策グループが出す報告書について言及している。だが、「2020年には中国海軍が米海軍を圧倒する、戦力比342対243」の部分を鵜呑みにするのは、数字に対する精査が欠けているのではないか。

 北村さんは、中国海軍の艦艇数について、次のように「ピックアップ」している。
現在の米中両国の建艦(それに退役)スピードから算定すると、少なくとも2020年までには、アメリカ海軍の戦闘用軍艦(潜水艦とミサイル発射能力を持った水上戦闘艦)は243隻となるが、中国海軍のそれらは342隻となる。つまり中国海軍の戦闘艦艇戦力はアメリカ海軍の1.5倍ということになる。
北村淳「連邦議会に提出される強烈な対中警戒論レポート」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42016?page=2


 しかし「潜水艦とミサイル発射能力を持った水上戦闘艦」では、現実にはロメオ級改修方の明級や、爆音潜水艦と呼ばれている漢級、それに新旧各種ミサイル艇、旧式フリゲートや駆逐艦、新型だがOPV程度の能力しかないコルベットも343隻に含んでいる。これらは、外洋で戦闘に従事できる戦力ではない。

 ざっと勘定するだけで、これらの明瞭に使えない軍艦は200隻程度になる。まず、現数で外洋での戦闘に使えない軍艦として140隻が含まれている。現数で明と漢で合計20隻、新旧ミサイル艇でざっと80隻、旧式フリゲートと駆逐艦が20隻、コルベットは20隻である。今後、建造される現行ミサイル艇、コルベットは、40+20隻を含んでいるとすれば、200である。

 343から、200を抜くと、約150隻になる。だが、2020年に外洋で戦闘できる軍艦が150も揃うかというと、それも不思議である。既存で実用に足るフリゲート以上の水上戦闘艦が現数で50隻、宋以降の潜水艦も原潜と在来潜を足して50隻。あと50隻は今の何を指しているのか、それとも今から6年間でそれだけ建造されると見越しているのかは分からない。肩掛け式の携SAMを撃つ可能性のある補給艦の類を含んでいるのかもしれない。

 実際は、2020年までに、外洋で戦闘に従事できる中国の軍艦は、多めにみて120隻といったところだろう。これは、ざっと150隻に上る米海軍の主用戦闘艦艇を圧倒するほどの数でもない。

 しかも、戦力の内実をみると、米海軍の1/3にも対抗できない。20年ころの米海軍の戦力は空母10、イージス80、攻撃原潜60(改オハイオ含む)である。さらに、20年でも空母艦載機以外にも、哨戒機200、艦載ヘリ160が支援に使われるとすれば、その1/3に対しても中国海軍は勝つことはできないし、相打ちしても米艦隊はなお2/3は残るのである。

 北村さんの立場は、「中国ヤバイ、中国超ヤバイ」だが、それを主張するのはともかく、根拠の精査をしなければ、アジテーションにしかならない。

 もちろん、北村さんの主張は読む価値はある。井上和彦さんのように、紫電改のタカから50年も立って「知られざる343空」(去年くらいの正論にあった)とか、桜林美佐さんのように「防衛産業スゴイ、装甲車が国産されてなければ御嶽山での救助は不可能」という、愛国ビジネスとは異なり、読むべき主張ではある。

 だが、中国との対抗だけのために、怪しい数字を持ってくるのは、主張をむしろ弱める残念な結果となってしまうだろう。



 …まあ、ホントに中国が米国よりも強くなるなら、中国に対抗できなくなる勢いなら、それなら日米は外交変更しかないんじゃないと思うけとね。米国も中国との対峙をやめるだろうし、日本も同盟を組み替えるしかない。
 実際には、中国に対抗できると思っているから、日米は中国との対峙を選んでいるわけだけれども。
 だから「中国ヤバイ論、超ヤバイ、だから軍事力増やせ論」の根拠として「中国に強ええ、日米敵わねえ」は相性は悪いと思うよ。実際には、淡々と中国との軍事力積み上げゲームやっていればいいわけなんだから。




※   北村淳「連邦議会に提出される強烈な対中警戒論レポート -『年次報告書2014年版』が警告する人民解放軍の脅威」『JBPress』(日本ビジネスプレス,2014.10.23)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42016
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Comment

非公開コメント

最後の部分、外交の組み換えって、
「従属」
ってことでいいんですか。

中国ラブな方にはたまらないでしようが。

Re: タイトルなし

昭和20年8月にも、アメリカに

> 「従属」
> ってことでいいんですか。

とか、アメリカ

> ラブな方にはたまらないでしようが。

とか言うのでしょうなあ

対抗出来る間は対抗し、対抗出来なくなればケツを舐める。ていうか、舐めるしかないじゃん。滅びるわけにもいかないし。
古今東西、どこの国でも普通にやってきた事だと思いますがねえ。気に入らない人には気に入らないのでしょう。

文谷先生を左翼思想家かなんかだと勘違いしてるミリオタの厨坊でしょ。

ま、中国に質的向上が今後も無い、とは言えんから日本は質的優勢の維持にとりあえず心掛けることですな