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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.11
06
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12:00
Category : 未分類
 艦載砲や榴弾砲用に誘導砲弾があるが、アレに金を突っ込む価値があるのだろうか?

 誘導機能を砲弾に突っ込むとなると、高くつく。同し誘導形式の誘導爆弾やミサイルの比ではない。高Gに耐える必要があるし、フィンで誘導するためにライフリングによる旋動をキャンセルする仕組みが必要になる。

 それでいて、威力は弱い。艦載砲であれは5インチ(127mm)、榴弾砲であっても6インチ(155mm)に過ぎず、砲弾の長さを増やしたところで、重量60kgがいいところである。その容積の多くは誘導機構や、フィンの展張、旋動キャンセルに使われる。純粋な威力は、たいしたものでもない。

 それならば、ミサイルでいいんじゃないのか。

 値段も高い。砲弾は推進機構がないから安いということになっているが、おそらく単価はミサイルとそう大差あるものではない。艦載砲の場合、ズムウォルトのように専用6インチ砲に改めれば、トータルではむしろ高くなるのではないか。

 そもそも、誘導砲弾をつるべ撃ちする状況はあまりない。高いので節約が要求されるし、砲弾も軍艦や砲側にそれほど供給できるとは思えない。対空用の通常砲弾も必要になるのでそんなに積めない。

 1隻が1回に10発撃つかどうかなら、ミサイルでいいのではないか。5/6インチ同等の弾頭威力で良いなら、シースパローの存速と弾頭重量がそんなものだ。スパローの誘導機構をGPS/慣性誘導とっかえれば、安くつく。

 あるいは、四式投射法の類でもいいのではないか。航空爆弾を迫撃砲で投射する例の方法を進化させる。スピゴット式の前装とか、カタパルトとか、低速のロケット、迫撃砲の類でJDAMを放り投げる。マーベリックならもっと射程も稼げる。ある程度の高度まで放り投げれればよい。

 長射程は稼げないかもしれないが、それは本格的なミサイルや航空機に任せれば良い。何も艦載砲から威力の弱い砲弾でやる仕事ではない。
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じゃあ、砲撃の価値はどこにあるって感じになりますが、その点は如何考察されますでしょうか?

No title

砲を滑腔砲に変え、誘導装置付きの砲弾を最初に一発撃ち、残りはその先導弾が放送する電波誘導にホーミングして飛翔経路を修正するだけにするとか、JDAM同様にGPS座標に届くように経路を修正するだけなどなどはありえるんじゃないでしょうか。

 対空や対艦などは別に小口径の艦砲を積み、対地は垂直砲にして弾庫の脇に煙突状に砲身を付けるだけという構想もあったと思います。

No title

それとはちょっと違いますが、陸自はMLRSを輸送艦に乗せて船上から射撃するというLSTを火力支援艇に改造した米軍みたいな事をやってます。

No title

価格だけの問題だと思います。

前提としては、そもそもトマホークLAMや、あるい新型のSSMも対地攻撃能力を持っている訳です。そこで、その弾頭で攻撃するほど重装甲でないけど、無視できない、重機関銃や迫撃砲、ATM陣地を破壊するとか、指揮所の車両を破壊するとかではないでしょうか?

127mm級の砲弾による艦砲射撃はかなり有効と言われており、多くの海軍艦艇にこうした砲が搭載されている理由です。面制圧の砲撃はこれで出来る訳で、そのために艦には中口径砲が「いずれにせよ」搭載される。対商船の封鎖/撃没にも使うので。

「誘導弾」は、火力拠点を一つ一つつぶしてゆくために必要なのだと理解していますが、中口径砲に「加えて」MLRSのようなランチャーと専用の誘導ロケットを追加で搭載するのと、127mm砲用の誘導砲弾を数十発搭載するのと、どちらが有効か、ということだと思います。中型のUAVやヘリで、簡易誘導型ロケット弾やヘルファイア級のATMで攻撃する手もあります。

原理的には、艦砲射撃は数十kmから、「通常弾による面制圧」と「誘導弾による拠点制圧」を切り替えつつ出来るという意味では、利点はあると思います。

あとは文谷さんのおっしゃる通り、コストだけの問題ではないでしょうか。