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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2014.11
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Category : 未分類
 北村淳さんが、台湾に潜水艦を売れと言っている。JBpress「潜水艦技術を供与して台湾の苦境を救え」がそれだ。

 だが、なんでそこまでして、台湾の苦行を救わなければならないのか。しかも、日本が貧乏くじを引いてまでやらなければならないかは、わからない。

 北村さんは、台湾の防衛強化は日本のために役立つと言っている。敵の敵は味方とする発想だろう。だが、中国の政治力、経済力、軍事力の伸張により、台湾は中立化しつつある。そこでの通常潜水艦売却は、焼け石に水である。台湾としても、潜水艦ごときで中国と急に張り合う気持ちにはならない。

 むしろ、今となっては、台湾に中国についたら、日米は台湾をエライ目に合わせるということを暗示する時期だろう。中国との対峙は望めないにせよ、中立を保たないと台湾も大変なことになる。中国に軍事協力したら、台湾も攻撃対象となるよ程度のことを、遠回しにわかってもらったほうが良い。

 この状況で、台湾をその気にして中国に対抗させようとするのは、甘い考えだろう。

 そもそも、日本は台湾に潜水艦を売れる立場にない。ドイツやフランスですら、中国の反発があるので、台湾には潜水艦を売れない。中国との通商悪化を懸念して新規の武器売却を止めている。中国は、日本が台湾に武器を売るとなると、ドイツやフランス以上に許さない。通商での条件悪化は更に悪くなる。

 台湾に潜水艦を売って得られるメリットよりも、中国との貿易で金儲けできなくなるデメリットの方が大きいということだ。日本の経済は、中国市場に相当依存している。潜水艦を売ると、中国は面子から自分が損をしてでも、日本を損させようとする。尖閣でのレアメタル禁輸以上のことをされ、市場から締め出される。そうなることが目に見えているのに、台湾の防衛ごときのため、潜水艦を売る義理はない。

 潜水艦を持たせて、台湾に多少なりとも中国への自信を植え付けさせるにしても、日本の臭いは消してもらわないとたまったものではない。北村さんのいうように
日本が台湾に対して潜水艦部門で協力するとなれば、当然のことながら、中国政府からの対日反撃が猛烈なものとなるのは必至である。しかしながら、台湾防衛は日本防衛に直結しているという大原則を日本政府は直視し、目先の利益に惑わされず、将来の日本の防衛のためにそのような難局を乗り越える覚悟を決めて、オーストラリア以上に台湾に対する潜水艦分野での協力を実施すべきである。

は、安全保障の理屈だけに則った話で、馬鹿正直に過ぎるということだ。

 やるなら、パキスタンの核開発方式でやることを邪魔しない程度だ。台湾側が、日本で勝手に技術習得をするのを邪魔しないことと、技術者と溶接技術者のインストラクターを台湾に招聘したあとで、雇うことに気づかないフリをする程度だろう。※※



 まあ、前にも書いたけど、中国の反発を考えりゃ、台湾が潜水艦を買える国って、その中国しかないじゃね?(「中国から軍艦を買うという方法もあるのではないか」) ウルトラCだけどさ、緊張緩和にもなるし、なによりも中国は反対しないでしょ。

 それができなきゃ、台湾は自前で頑張って作るしかないね。でもま、今やろうとしているガトーの作り直しから始めれば、いずれはそれなりは出来るとは思う。100年前のドイツでも、50mは潜れるUボートは作れたし、それで潜水艦作戦はできた。それでも潜ってりゃレーダには引っかからないし、中国海軍に対潜努力を強要できるわけですよ。



※   北村淳「潜水艦技術を供与して台湾の苦境を救え」『JBPRESS』(日本ビジネスプレス)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42243
    でも、なんでJBPRESSの安全保障関係って、威勢にいい意見しか書かせないのかねえ。現実からすれば、到底できないような話が多いよ。

※※  それなら、中国人を雇えばいいと思うけどね。日本人以下を雇うよりも、新中国の設計者と工員まるごと雇うほうが安いし、言葉の問題もないからねえ。

※※※ 去年の同じ時期に北村さんが書いて、同じ時期に己も同じような反論やってるね。「台湾は中国の代わりにはならない」 安全保障だけが対外関係のすべてじゃないってことだ。


※※※※ いつも北村さんの記事ついて書く時のお約束だけど、北村さんの記事は、読む価値はある記事ではある。井上和彦さんや桜林美佐さんのような、中身もなければ志もない上、全く調べ物もしない、愛国エンターテインメント読み物とはぜんぜん違う。今回も井上さんは「多分台湾は中国に技術を漏らすよね~」という点を指摘してる。全体の筆致については、北村さんは承知で、商業的な見地からこうしているのだろう。
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No title

本気で台湾が潜水艦欲しいならロシアからでも買おうとするでしょう。
また台湾に潜水艦売ったりすると、その情報が北京に駄々漏れになることも考えられるでしょうね。

そうなったら「国士」の方々は手のひら返したように何で台湾に潜水艦売ったと大騒ぎするでしょう。

Re: No title

ロシアも中国と事を構えられないし、中国からもはなれると世界の中でのボッチ感に耐えられないので売れないです
やっぱ、売れるのは中国か、せめて米国。米国が売るにしても、経国戦闘機みたいにデェゴスティーニ方式で、台湾国産を騙らせるしかないでしょう

> 本気で台湾が潜水艦欲しいならロシアからでも買おうとするでしょう。
> また台湾に潜水艦売ったりすると、その情報が北京に駄々漏れになることも考えられるでしょうね。
>
> そうなったら「国士」の方々は手のひら返したように何で台湾に潜水艦売ったと大騒ぎするでしょう。