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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.11
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Category : 未分類
 英米植民地の教育なのかね。学習指導要領を改定して、小学校3年から英語をやらせるというが、みんながみんなに英語を教えてどうするものか。それでいて「高校では英語で討論できるレベルを目指す」というが、学校だと国語でだって討論なんか成立せんのに、できると思うのが不思議な話だ。

 だいたい、学校の先生に英語を教えられるかが怪訝だ。小学校の先生に英語ができるかどうかも怪しい。中高の教師をみても、英語ができるヤツも、大概は教育学部やら文学部やらの英米文学専攻で、日常会話と文芸に傾きすぎている。

 教科書も、同じようなもので、文芸と日常会話を重視すぎている。論文やら記事の読み方の類は一切教えていない。戦後のメリケンやらエゲレスの作文法は結構良く出来ていて、段落の先頭だけ読んでいけば全体がわかるようになっている。自然科学でも社会科学でも、論文はそうだし、新聞雑誌の記事もそれ。さらにパワーライティングで書いている場合は、抽象レベルが階段状なので、それを念頭にすれば容易にわかる。それを教えないで、ロジック一発で割り切れない文芸ばかりやらせている。

 TOEICの類も、たいがいなものだ。中身は植民地(現地雇)採用試験のようなもので、雇員ボーイの試験にしかならない。英語ができるやつは、アレで999点とるだろう。だが、逆に999点とっても、アレなやつも結構いる。兵隊の通訳には結構それがいて、あんま役に立たない。結局は己達が筆談やらでやるし、範囲も地図や絵で確認する形になる。英連邦ボーイ採用現地試験だと思ったほうがよい。

 なによりも、英語教育をすれば国が発展するといった発想があやしい。昔から英語教育、々々々々とやってきた。だが、それで国が発展してきたわけではない。

 英語教育をしても、国が発展するわけではない。日本の経済成長は、「ハッピーカムカム」程度の英語教育貧困期に達成している。そして、バブル以降に教育行政は英語教育を最重点とした。だが、経済はむしろ縮小し、国際的な存在感は縮小している。「学校で英語教育をやれば、国際人を大量生産できて、日本が発展する」発想そのものが、誤っているわけだ。

 だいたい、英語教育を強化するということは、英語が必要もない奴や、素養のないやつまで英語をやらせるということだ。上手くいくはずもない。

 結局は、英語教育業界が儲かるだけではないのかね。70年代のLL教室や、90年代以降の駅前英会話学校の類で、やったところでなんの役にも立たない教育になる。書道教育業界を儲けさせるために、教科化された書道教育に近いものがあるのではないかね。



※ 「小3から英語授業、高校では討論レベル 指導要領諮問 -中教審、16年度中に改訂内容答申」『日本経済新聞』(日本経済新聞,2014.11.20)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H2K_Q4A121C1CR0000/
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No title

 IT業界にとっては、英語教育があるとないとでは違うでしょうし、素養のある人が学ぶ英語の世界の入り口を学校教育を受けた全員が覗いておくのも意味があるでしょう。

 討論や議論の仕方というのは、学校やらの集団での立ち居振る舞いと密接に関わってきますからゲームとして独立してその中で教える・教わることは可能かもしれませんが、それが実際にどう役立つかは難しいです。

おっしゃるとおりです

管理人様のおっしゃるとおり、まず国語教育の徹底が不可欠かと思います。

私は企業の人材育成に関わっていますが、大卒の新人でもわかりやすい報告書すら書けない人が多いのが現実です。

新聞記者とか、他の記事で振れてるロシア語の翻訳を生き甲斐の某とか。

>だが、逆に999点とっても、アレなやつも結構いる。

No title

幕末の有名人ジョン万次郎があまり出世できず英語教師どまりだったのは、英語の日常会話はできても、日米双方の公文書を理解する能力がなかったからだといわれている。
日本の公文書を解読するには漢語の知識がいるし、欧米の公文書にも文書の作法がある。
あと日本の教育には弁論術がないのも痛い。
欧米だと弁論は基礎教養の一つで、折々の場でスピーチを要求されるのだが、大抵の日本人にはこの能力がない。

No title

これ、本当に日本的な考え方ですね。ある目標(バンバン儲けられる国際人の創出)のためにある手段(英語教育)が必要と思い込んだら、もう単純に手段の量を増やすだけ。授業の質(今の「英語教育」なんてただの単語・熟語・文法暗記ゲームで、英語的な論理構成は教えない。当然、きれいな発音で中身のない事を奇妙な言い方で言うだけの人間しか作れない)や、そもそもの前提(本当にネイティブ並みの発音・語彙が無いと国際人として活躍できないのか)を疑うことはない。

たぶん、2,30年して日本がもっと落ちぶれたら「英語教育の不足のせい」「小学一年から英語教育をを義務化」「幼稚園・保育園でも義務化」とかになるんでしょう。やり方が間違っていることに気づかず(あるいは意図的に無視して)量だけ増やす、という203高地式の方法は日本人のお家芸ですからね。

No title

小学校の国語の教科書にもディベートは2ページくらいは書いてる。
まともにプレゼンやディベートについて書いてるのは何故か高校の情報の教科書という。
それを重視する先生にプレゼンとかやらされたけど、次の年から外されましたね。パソコン教えないからお前はやるなと言われたとか。
Excel、Wordなんて適当にやってりゃ使えるでしょうにね、手段を目的も無く教える無駄さというか。

必要は成功の母

外交や安保に加えて教育まで植民地化したいんですかね。母国語で高等教育まで受けて就職できることがどれだけ幸せなことか理解されていないんでしょうかね。英語なんて必要な人が必要なだけ学べばいいし、学生時代はとっかかりだけ学んでおけば社会人になってからでも充分に間に合うのに。