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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.12
08
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06:32
Category : 未分類
  「中国軍機が2日連続飛行 空自がスクランブル」(産経)だが、当たり前だが戦闘機は随伴していない。産経を選んだのは、機種名を述べている点であり、他意はない。統幕発表で産経の意見もないから面白くもつまらなくもない。

 Su-27系でも、南西諸島の手前までが実質的な航続距離の限界(600km)となる。経済速力で往復1.5時間、滞空1.5時間といったところだが、その滞空1.5時間も、ちょっとでも出力を上げればすぐに燃料がなくなる。戦時には日本側要撃機との交戦を考慮すると、その先にでるのは難しい。

 その第一列島線の向こうに出られるのは、燃料問題から大型機しかない。今回のスクランブルが対象とした機体も「Y9情報収集機のほか、Y8早期警戒機2機とH6爆撃機2機」とされている。これらは、空中では脅威ではない。旧式戦闘機でも落とせるし、極端な話、哨戒機にミサイルでも積めばそれでも対処できる。

 戦時に、第一列島線の向こうに作戦機を送り込めるかというと、難しいということだ。SU-27の随伴により列島線を超えようとしても、Su-27が引き返したあとに、低速のY9、Y8、H6の類は日本側戦闘機により攻撃されてしまうだろう。

 そして、航空哨戒ができなければ、中国は第二列島線以内での、米艦隊邀撃も難しい。もちろん、中国は衛星を持っているが、追尾はともかく、衛星が洋上の艦隊を確実に発見できるという話はない。確実に捜索するには、哨戒機を出す必要があるが、既に述べた理由から、哨戒機の列島線突破は難しい。

 中国が、実際に米艦隊を要撃できるのは、第一列島線の内側、しかも、南西諸島線からある程度、大陸側になるだろう。

 逆に、米艦隊水上部隊も、現状では準備なしに東シナ海奥深くに踏み込もうともしないだろう。

 その点では、中国A2ADには、フリート・イン・ビーングとしての効果もある。その状態は利益であるので、中国も無理して遠距離邀撃はしない。

 だが、米空母機動部隊他は、第一列島線の向こうから東シナ海や、沿岸部海際を叩ける。(琉球列島線や九州西部も叩かれるだろうけど)米軍は叩き続けて、ついに中国のA2ADを撃破するのではないかね。

 撃破しきった後は、米海軍のことだから、大陳島や、舟山のあたりに艦砲射撃とかして、勝利宣言するのだろう。室蘭や釜石や日立、豊橋への艦砲射撃のように。

 もちろん、中国のA2AD能力を、米国が問題ない程度まで撃破しきれるかどうかわからないけれども。

 まあ、日米中戦自体が、何の利益があるか全然わからないけどね。中国は、いずれ熟柿のように落ちてくる台湾を武力回収しないだろうし、それ以前に台湾も中立化するだろうが、そこで中国に基地を貸すようなことをしたら日米に何されるかわからないので、普通はやらないし。尖閣ごときで全面戦争するほど日中政府も頭悪くないだろうしね。


※ 「中国軍機が2日連続飛行 空自がスクランブル」『産経ニュース』(産経,2014.12.7)http://www.sankei.com/politics/news/141207/plt1412070050-n1.html
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東シナ海には南沙諸島みたいに埋め立てて滑走路作れるような適当な島は無いからねえ

産経ならこの記事でブログ書くかと思って期待してたんだけどな……

「日本は制空権確保は困難」
尖閣視野に中国軍が分析
海上封鎖で「経済破壊」
http://www.sankei.com/world/news/141206/wor1412060013-n1.html

それはともかくご教示いただきたいのですが、
衛星が確実に艦隊を補足できるわけではないというのは、常に衛星が艦隊の上にいないとか、気象条件夜間などで補足できないってことでしょうか?