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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.12
16
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12:00
Category : 未分類
 ホルムズ海峡で機雷敷設された場合の話も、どっちもピントがズレているような感じがする。

 赤旗「機雷掃海で『戦闘行為ない』? -首相、ホルムズ海峡派兵でもごまかし 軍事活動、人命失う危険」だが、赤旗も佐藤正久さんもピントがズレている。

 赤旗は、機雷除去を武力行使としている。日本近海にある遺棄機雷の除去を武力行為とは言わないが、おそらく他国の機雷を除去する行為をそういっているのだろう。

 だが、単純に機雷除去=武力行使と決めつけているあたり、赤旗の話はピント外れに見える。実際には、武力行使とならないように機雷除去はやるだろうためだ。

 機雷には持ち主がいて、そいつがいいといって合意すれば、その国が戦争していようがいまいが、除去しても何の問題もない。通航路に引っかかる程度なら、その部分が邪魔だから除去させろと言えるし、国際海峡を完全封鎖しているなら、国際社会の圧力でそれは言える。

 逆に、持ち主が知らんぷりをしていれば、無主の機雷なので除去してもどこからも文句は出ない。なんせ知らんぷりを極めているのだから、文句は言えない。スエズ運河に謎の機雷原ができたとする、どこの国も俺の国がやったとは言わない。それなら除去しても文句は出ない。84年夏の紅海機雷事件はそれだった。

 同様に、佐藤正久さんの言ってることもピント外れである。赤旗では
掃海活動について「機雷がまかれ、その敵の沿岸部に敵砲兵等が展開し、その射程下にあるときはやりにくい」と述べ、「ただし、ある程度沿岸部が制圧され、機雷掃海する場所が敵の砲迫の射程外になった場合、たとえ内陸の方で一部戦闘が継続して停戦の前であっても」掃海はできる

と述べている。だが、日本が当事国に敵認定されている場合では、砲迫の射程程度を制圧したところで、航空攻撃や対艦ミサイル、潜水艦、自爆艇、下手をするとマーシャント・レイダーの脅威もある。そんなところでいそいで機雷だけ除去する必要はない。

 佐藤さんは、支持者や党内への政治的な立場から集団的自衛権の確立で活躍しなければならない。だから、アレ宰相が言い出した、ありえないようなことも「安全保障上、必要なことだ」と強弁しているのだろう。あるいは、本当にそう信じているかだ。この点、佐藤さんも赤旗同様にピント外れである。背景に佐藤さんの利益があるあたり、理解が浅い程度の赤旗のピント外れよりもより悪質だろう。

 実際の所は、軍事的解決策以前に、まずは外交的に解決されるような問題である。

 対米対峙の関係で、ホルムズ海峡でイランが敷設する話なら、日本は局外にいてもよい。その時は日英仏中印あたりで「戦争準備の邪魔しないから、商船を通させてよ。(そうしないとどうなるか考えてね)」といえば通らせてくれるんじゃないのか。

 あそこは水深が深いので、沿岸に寄れる。イランの野砲やミサイルで火制出来る範囲に、沿岸から10kmくらいにイランの先導なしには通れないようなジグザグな航路帯作って貰えば、イランも満足するんじゃないのかね。



※    「機雷掃海で『戦闘行為ない』? -首相、ホルムズ海峡派兵でもごまかし 軍事活動、人命失う危険」『赤旗』(日本共産党,2014.12.12)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-12/2014121201_04_1.html

※※  まあ「人命失う危険」という書き方もそうとうにナイーブな感じがねえ。平時の処理でもその危険はあるし、攻撃される可能性のある所に、護衛なしでフルチン状態の対機雷戦部隊を出すわけでもない。そもそも、仮になにかあっても、そのために兵隊として雇って飯を宛てがっているんだから「人命失う危険」つーのもね。
    これは、右派とか軍クラの連中もそうだけどね。「10式にしないと兵隊が死ぬ」みたいなナイーブな言い方って、共産党のこの言い方と同じなんだよねえ。
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