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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2014.12
18
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12:20
Category : 未分類
 太田文雄さんの「米が予測する2020年の中国海軍増強」だが、失礼だが、博士持っている人が、その専門分野で書く文章ではないだろう。話の中のレベルの差異が、相当にチグハグである。

 まず、サンゴごときの話を国家主席の差金というのは、まずは突飛な話である。中国海軍増強と、サンゴの密漁を直接結びつけ、『孫子」云々とするのは、どうも主張と論拠が合致していない。サンゴ漁民の動きは海保の戦力分断を狙った孫子の兵法で、福建省と浙江省は習近平が勤務した土地だから習主席の指図だという。

 まずは、こじつけもいいところだ。昭和40年代に日本赤軍がイスラエルでテロをやった、その出身が新潟出身者だった、新潟は首相の角栄の膝元である。だから、日本の首相の角栄の陰謀というようなものだ。

 そもそも、中国の海洋進出の話をするときに、ミクロのサンゴの話をしてもしょうがない話である。中国の海洋進出なら、南シナ海や東シナ海といったもっと大きな地域の話や、漁業やエネルギー問題といった抽象度の高い話をしなければ平仄は合うものではない。

 さらに、専守防衛の話については、相当にピントがズレている。攻撃的兵器として、トマホーク、ペンギン、プレデターがないと主張しているが、三者のレベルは合っていない。トマホークは戦略的な価値もあるが、ペンギンには水上戦での戦術的価値しかなく、プレデターの攻撃能力はゲリラ狩り程度の価値しか無い。

 思想的な主張はともかく、内容が粗雑なのである。トマホークにレベルを合わせるなら、敵地攻撃といった、戦略レベルで「できないことをできるようにする」ための手段の話をしなければならないはずである。例えば、 敵地攻撃中国沿岸や北朝鮮への航空攻撃あたりに必要な電子戦能力や、潜水艦から特殊部隊を送り込むための、潜水艦搭載のミゼットサブあたりの話をしなければならない。

 しかし、そこで戦術的兵器でしかないペンギンとプレデターを出すのかが理解に苦しむ。

 ペンギンは短距離のヘリ用対艦ミサイルにすぎない。それがないと言っているが、それよりも強力なハープーンやSSM-1は、ヘリを積んでいる護衛艦に搭載している。

 グローバルホークとプレデターでは、監視偵察能力の差は歴然としている。戦略偵察機として使えるグローバルホークと、直協偵察がいいところのプレデターでは、日本にとっては前者が後者よりも使いやすいし、それこそ敵地攻撃の役に立つことは明らかである。
 そもそも、いまの自衛隊装備や、行動範囲をみても専守防衛なんて誰も気にしていない。専守防衛なんか日本人でも信じていないのに、そこでドヤ顔で憲法の呪縛がと言い出してもどうしようもないだろう。

 太田さんは兵隊上がりで、歴々の職歴を持つ割には、内容的に、ハッキリ言って情けない。現役の時に、用兵統鋼の類の兵書を丸暗記するように勉強したのだろうが、その兵書の範囲を超えることができなかったのだろう。米国に官費で留学し、そこで博士号を持っていらっしゃる様子だが、やはり兵書の中のことを研究したのであって、兵書と現実をすり合わせる研究ではなかったのだろう。それなら無理にそういう話はすべきではない。



 まあ、そのエッセイをそのまま載せる、櫻井よしこの国家基本問題研究所のレベルが一番アレだと思うけどね。そもそも、題の2020年の中国海軍増強がどこにも書いても居ないのに、題名を改めないのは、研究所とやらのオツムの中身を歴然と表しているものであるものだよ。



※  太田文雄「米が予測する2020年の中国海軍増強」(国家基本問題研究所, 2014.11.25 )http://jinf.jp/weekly/archives/14637

※※ 抽象度のレベルが合わないあたり、戦車教団に近いものを感じる。日本の防衛政策の話をしていて、本土陸上防衛への投資リソースは多すぎね?という話をしている時に、「陸自の戦車は90式で中国の戦車は99式、中国の方が9強い。だから、10式でないと勝てないので買え」みたいな話をされてもねえといったところ
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社会人でも沢山

うちの会社の出世がしらもこんなんだわ
戦略と戦術の違いがわからない

戦略レベルのミス(重役のミス)を指摘せず、部下達の残業で補おうとして大変な赤字だしてる