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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2015.02
03
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06:18
Category : 未分類
 反日的内容の石碑だから、韓国政府の情報戦だというのはどんなものか。

 パラオに建立された石碑について、佐藤正久さんは「内容が反日的だから韓国政府が関与していることは間違いない。情報戦だ」と述べている。『正論』2月号で、井上和彦さんは
自民党の参議院議員佐藤正久氏はこう語る。「確かに日本統治[中略・国会議事堂近くに]極めて政治的な記念碑を建てたわけですから、その背後に韓国政府が直接間接的に関与している事は疑う余地がありません。つまり韓国の対日情報戦と見るべきでしょう」

と述べている。

 「反日的な内容なので韓国政府が関与している」というのは、どういうロジックなのだろうか? 

 パラオには日本もアレげな神社や、真偽不明の伝ニミッツ提督の石碑がある。親日的内容だが、日本政府が関与しているわけではない。佐藤さんの支持母体や、井上さんの華客が作ったものだ。彼らは日本の政府を代表しているわけでもない。

 それを以って情報戦というのも怪訝である。韓国の石碑にせよ、日本の石碑にせよ、現実的な影響力は全くない。そんなものを情報戦と呼ぶ御仁が、日本も情報戦に金を出せと主張している。世界中に真偽不明の「伝ニミッツ石碑」や「伝マッカーサー石碑」、「伝パール判事」の石碑を官費で建てても金の無駄遣いという他はない。

 なんにせよ、小国というものが分かっていない。パラオは援助が欲しいので、どの国にもいい顔をする。米国が来れば如何に日本統治時代が非道であったか、日本が来れば如何に米国統治が過酷であったかを述べる。韓国が来て日本にエライ目に合わされたといえば、パラオもエライ目にあった位のことを言うだろう。

 それを本当に親日一辺倒と勘違いしているのも、正気を疑う。記事中には佐藤さんの発言として
これらを抜本的に改善してゆかねば、親日国家として知られるパラオがいつしか韓国や中国に取り込まれ反日国家の仲間入りする恐れがあります

とある。支持者や、支持者が大好きな『正論』向けに阿ったものであればまだよいが、井上さんのように本気で行っているとすれば、兵隊上がりのセンスが疑われるものである。兵術や自衛隊の利益確保に特化した能力があっても、それ以外はウツロということだ。



※   井上和彦「親日国家パラオに忍び寄る影」『正論』2015年2月号(産経新聞,2015.1)pp.324-
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Comment

非公開コメント

佐藤正久氏は自衛隊員としては優秀だったと思います。デリケートな判断が要求されるイラク先遣隊長を無事にこなした。
与えられた命令を与えられた権限で実行する能力は優れているのでしょう。
ただ、議員として外から自衛隊を客観的に見る能力、自衛隊を含んだ世の中全体を俯瞰する能力に欠けている。
そして本人も支持者もそのことに全く気付いていない。
将来はこの人を防衛大臣にという意見も聞きますが、
選良として武装集団を客観視出来ない人物にそれを動かす権限を与えるべきではないと思う。

Re: タイトルなし

経歴管理されたエリートだから、成績と事務処理に長けている。陸自だから、身内での助け合いもできるでしょうし、上にも下にもアタリも宜しいとは思いますよ。
ただねえ、兵隊も所詮は役人で、その役人として優秀というのも組織に忠実で、着実に組織利益を挙げるということですからね。結局は人間としての造形が、組織益と個人益の最大化に最適化されているわけで。防衛省、特に陸自に不利になるようなことは、国家の利益を目前にしても一切できないわけですね。


> 佐藤正久氏は自衛隊員としては優秀だったと思います。デリケートな判断が要求されるイラク先遣隊長を無事にこなした。
> 与えられた命令を与えられた権限で実行する能力は優れているのでしょう。
> ただ、議員として外から自衛隊を客観的に見る能力、自衛隊を含んだ世の中全体を俯瞰する能力に欠けている。
> そして本人も支持者もそのことに全く気付いていない。
> 将来はこの人を防衛大臣にという意見も聞きますが、
> 選良として武装集団を客観視出来ない人物にそれを動かす権限を与えるべきではないと思う。

親日だとか中韓と仲良くしたら反日だとかで判断すんのがなんともねえ~~~
基本的には自国の利益が優先されとるだけやし
日本人はナイーブだと言われても仕方ない

No title

それを考えるなら保守の情報戦反撃の戦術も考えろ、と思いますね。今までの保守の反撃って、わざわざキルゾーンに正面から突っ込んでばっかりな気がするんですが。

No title

「情報戦」てのは「信長の野望」「艦これ」と同じでしょうね。
ゲームで、単なる炎上ビジネス。

世界観に入れ込んでる信者が一番カモられる。

でも現実との区別が付かない題材だから精々仮想戦記、明らかに空想の産物であるガンダムヤマトに浸る方が遥かにマシですわ。
『動物農場』程極端でないにしても架空世界はどこか現実のアイロニーとして機能しますしね。

有田芳生みたいなもんで、全国区で組織票だけでなく浮動票も集めないといけないから、いきおい鉄砲玉化する。
もう一回当選して、大臣になるまでは辞めないと思うけど、その前にコケるか、どっちが早いかな?

> 経歴管理されたエリートだから、成績と事務処理に長けている。陸自だから、身内での助け合いもできるでしょうし、上にも下にもアタリも宜しいとは思いますよ。
> ただねえ、兵隊も所詮は役人で、その役人として優秀というのも組織に忠実で、着実に組織利益を挙げるということですからね。結局は人間としての造形が、組織益と個人益の最大化に最適化されているわけで。防衛省、特に陸自に不利になるようなことは、国家の利益を目前にしても一切できないわけですね。