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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2015.04
08
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06:35
Category : 未分類
 杉本康士さんの産経新聞「NBC偵察車 1台で核兵器、生物兵器、化学兵器に対応…テロに備えるマルチプレーヤー」(産経ニュース)だが、内容的に躓く部分がある。

 現在、どこの国をみても生物兵器の感知器剤は存在しない。あるのは赤外線等によりエアロゾル散布を感知するものに過ぎない。当然、化学剤であるか、生物剤であるか、ただの農薬等噴霧であるかは確認できない。

 それにももかかわらずNBC偵察車が「生物兵器の汚染状況を把握」(杉本)できるように書いている点には、違和感を感じる。

 具体的には
NBC偵察車が陸自に導入されたのは24年3月だ。かつての自衛隊は有毒化学剤と放射性物質を検知するための化学防護車しか保有しておらず、生物兵器の汚染状況を把握する車両はなかった。
http://www.sankei.com/premium/news/150313/prm1503130007-n1.html

と書いているが、その後、どこを読んでも「生物兵器の汚染状況を把握」できるといったことが書いていない。

 この書き振りで言えば、NBC偵察車は能力不足ではないのだろうか?

 もちろん、実際には車外からマニュピレーターによるサンプル採取と、毒素や抗体検出で生物兵器を判別するのだろう。

 だが、判別までの時間は長い。かつて米陸軍は、将来的にはDNA解析で即時判断できるようにしたいといった話しはあったが、それもいつの間にか沙汰止みである。

 NBC偵察車にある問題点や、将来的な課題はこのあたりにある。

 だが、それに触れず、自衛隊装備なので褒めるだけというのは、新聞社としての見識が疑われるだろう。

 さらに、生物兵器に対応が問題であったため、新装備は対応できるように書いていながらも、対応の方法を示さず、対応できると書かない点でも、平仄が合わない点でも、記事としていかがなものかと質を疑いたくなる。

 一言で言えば、やっつけ仕事ではないのかねということだ。もらった広報資料を引き写すだけで署名記事というのもナンだし、質が低くとも自衛隊ヨイショだから読者も喜ぶだろうとそのまま提示する新聞社も、クオリティの高い新聞社であるとは思えないものだ。



オマケ

NBC偵察車に搭載された検知装置には中性子線の測定機能も追加されたほか、これまで十数分間で行われた化学剤の検知が約20秒で済むようになった。液状の化学剤を検知することもでき、検知対象はテロに用いられる恐れがある産業廃棄物など十数万種類に広がった。


 20秒云々は、陸自の個人携行用測定器材AP2C(仏製)によるものだろう。だがね「検知対象はテロに用いられる恐れがある産業廃棄物など十数万種類に広がった。」(杉本)というのも大げさなものだ。この種の検知手段は極微量の化学剤を短期間で感知できるが、その中身が何であるのか分からない。

 極端な話、エタノールでも発報する。その手のメタノールや酪酸、ホルムアルデヒトのたぐいを全部足して十数万種類というものには意味が無いということだ。
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Comment

非公開コメント

主旨がよく分からないんだけど、生物兵器には対抗手段はないということ?

No title

>生物兵器には対抗手段はないということ?



>もちろん、実際には車外からマニュピレーターによるサンプル採取と、毒素や抗体検出で生物兵器を判別するのだろう。

>だが、判別までの時間は長い。かつて米陸軍は、将来的にはDNA解析で即時判断できるようにしたいといった話しはあったが、それもいつの間にか沙汰止みである。

要するに対処自体は可能だが時間がかかる、そして所要時間の短縮の目処は立っていない、といった所でしょう。