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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.02
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Category : ミリタリー
 F-Xは、新品であればなんでもよい。

 日本にとって、戦闘機とはまず防空システムの一部である。性能的にはJADGEに連接できればそれでよい。飛んでくる相手を撃ち落とす、あるいは追い返すだけであれば、戦闘機固有の能力をそれほど気にする必要もない。今の新品の戦闘機ならば充分である。艤装でJADGEへの連接をすればよい。平時の実務である領域警備についても、機関砲を装備していれば充分である。

 そもそも、空自が最新鋭機、高級機を持たなければならない理由はない。空自は、F-4やF-15といった当時の最新鋭機を採用した。だが、最新鋭機を採用しなければならない具体的な理由はなかった。しいていえば全天候性だろう。だが、当時であっても、新品であれば、どのような機体であっても防空機の役は果たせるのである。当時の脅威である極東ソ連軍はF-4やF-15でなければ対抗できないものではない。当時のソ連機は足が短く、全天候性に欠けていた。基本的には防空のための迎撃機や、陸軍を支援する直協機である。大型機を除けば、北日本や日本海沿岸が行動の限界であった。日本上空で、BADGEに支援された日本迎撃機に対しては、劣勢である。日本がF-4やF-15といった当時の最新鋭機を採用できた理由は、脅威への対抗があったためではない。かつての戦略爆撃への恐怖があった為にすぎない。戦略爆撃の記憶があるため、航空戦力強化を肯定する世論があった。そして最新鋭機を整備する経済的な余裕があっただけの話である。今日の世論がBMDを肯定しているようなものである。

 今日も、最新鋭機、高級機を装備しなければならない必要性もない。脅威とされる中国にしても、かつての極東ソ連空軍と同じである。Su-27の類は足が長いが、それ以外の中国戦闘機は九州まで届かない。J-10が九州西岸に届くか、届かないかといったあたりである。中国は実用AWACSを持たず、空中給油の数も少ない。仮に中国機が日本本土攻撃を行ったとしても、空中管制を欠き、燃料の余裕もない状態である。JADGEの支援を受ける日本迎撃機に対しては劣勢である。空自が警戒する航空撃滅戦にしても、警戒しているだけあって、重要拠点はSAM以下で防護されている。この状況で、F-Xが最新鋭機、高級機でなければばならない理由はない。

 防空以外の任務を考慮しても、最新鋭機、高級機を装備しなければならない必要性もない。仮に、海外で××しなければならなくなったとしても、あまり日本単独で××することは考えられない。米国や国際社会の一員としての行動である。血路を啓くような制空戦闘を担当するまでもない。それほど重くない荷物を運んで落とせてばよい。既存のF-15でもF-2でも充分である。歴史的に重視する対艦攻撃も、どんな戦闘機でも可能である。専用の装備は必要ない。西ドイツ海軍はF-104に対艦ミサイルを搭載し運用した。イスラエルも空対艦ミサイルをA-4に搭載できるとしている。

 東アジアの軍事力、日中台韓の戦力は安定している。どこの国も本土防衛に充分/過剰な戦力を持っている。そして国境を超えて相手を押し潰せる軍事力は持っていない。航空戦力も同じである。相手の国で航空優勢を維持できるほどの戦力もない。政治的にも安定している。日中台韓、それに米露の間でも、軍事衝突は起きていない。米中にしても、中台にしても、その軍事的な対立は、冷戦期に比較すれば極低水準の「ゲーム」に過ぎない。日中も「ゲーム」を行っているが、あくまでも「ゲーム」である。日中どちらにも熱戦の意志もないし、また冷戦化するつもりもない。この情勢で、空自が他国を圧することのできるような最新鋭機、高級機を持たなければならない理由はない。JADGEに連接できる新品の飛行機であれば、防空の用には充分である。防空以外の任務も果たせるのである。
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