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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2015.04
29
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19:57
Category : 未分類
 仏露がミストラル級について、契約解除についての話し合いをしたという。

 だが、英米仏の報道をみても「違約金」という言葉はない。フランス側がミストラル問題が議題として認めたこと、現状について「引き渡しは、ない」という認識で一致した程度のものだ。むしろロイターの報道では、契約解除すら決めていないよと予防線を張っている。記事をみてもフランスはロシアに何か約束したわけではないことを強調しているのである。

 この段階で、「違約金の支払いに同意しました」といった言葉を連発するのは不思議なものだ。ロシア報道の翻訳屋さん(そういえば、翻訳公開の権利をどうされているのだろうか?)は「フランスは賠償します、ロシアの勝ち」や「フランスは補償します、あんなフネは必要ないのでロシアの得」といった言葉が出てくる。ロシア報道を観測しているうちに、感情移入してプロキシになってしまった結果だろう。

 しかし、フランスは自らが有責であることを認めるだろうか? 引き渡しができなかった理由について、フランスは自分の責任だと認めない。そして、ロシアもその責任問題には触れられない。その辺りを触ると「ロシアがクリミアを侵略したのが原因」と反論され、揉めた上に、そもそもの契約解除や返金交渉もままならないためだ。

 実際に、フィガロの報道を見ても"rembourser"やその名詞形しか出てこない。これは単に返金程度の意味合いである。賠償や補償の意味合いはない。契約を遂行できないのは不可抗力なので、返金しますよといった立場である。

 そして、スムーズに支払いまで到達するかも疑うべきだろう。なんせ、いまでも支払いでの合意はない。それが決まったとしても、フランスは全額返済ではなく、精算行為を要求する。もちろん精算の交渉でも相当のことを言う。なんせ実際に支払うのはフランスである、立場は強い。精算で交渉し、支払いが決まっても、下手をすると返金期日や返金方法、分割でも交渉する。支払いがあるとしても、時期もズルズルと伸びるものだ。

 ま、「契約は絶対です、期日までに引き渡されます、ロシアの勝ち」から、「契約延長事項で本当の期日は2月末までの引き渡しです、まだ締め切りではありませんのでロシアの勝ち」、「契約額よりも大きな違約金を取れるのでロシアの勝ち」ときたけと、「あんな軍艦はもうロシアでも作れるのです、製造技術を盗んだからロシアの勝ち」といいだすあたりはねえ。



 ブラブラになった揚陸艦の行き先について、インドはありえないと明言できるあたりも、どうかなといったものだ。インド軍部は悪食であり、現状でフランスから絶対軍艦を買わないと断じる理由もないと思うけどね。
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もしミストラルを日本が買ったら役に立ちますでしょうか?

前から不思議に思っていたんだけど、翻訳の人とは相互主義なんですか?