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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.03
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20:23
Category : ミリタリー
 米国は完成した艦艇を売る必要はない。米国は艦艇を売らなくとも、部品やシステムで儲けることができる。一部を除き、世界各国で建造される艦艇には米製部品、あるいはライセンス生産された部品が不可欠である。各国が艦艇を国産しても、機関、兵装、システム、艦載ヘリ、航空艤装…アメリカ製部品が売れることになる。

 各国が艦艇を"国産"しても、肝心の部品は米国製である。そして米国製部品を採用するということは、高性能品を得られたということでもある。建造国は高性能の艦艇を"国産"できたと満足する。米国も自国製部品やシステムを高価で売ることができて満足である。そこに摩擦はない。米国は摩擦なしで、外国での艦艇建造から収益を上げているのである。イージス艦は好例である。"国産"によって、米国は摩擦なしに儲けることができている。イージス艦の場合、整備費用の過半がシステム関連費用である。日韓西は自国造船所に建造させたものの、整備費用の半分はイージス・システム関連費として米国に支払われている。それでいてなお、各国海軍はイージス艦保有で満足している。建造した造船所にしも、イージス艦建造を広告に使うほどである。どこにも不満は生じていないのである。

 米国は船体・船殻を輸出しても旨みがない。船殻は低付加価値である。単価も安く、収益率も悪い。そもそも米国造船業には競争力もない。潜水艦や原子炉回りを除けば、他国が買いたくなるような技術もないし、単価も高い。船殻では労多くして益は薄い。それよりも高付加価値のガスタービン主機、兵装、システム、艦載ヘリ、リンク・システムといったものを輸出したほうがよい。これらの製品は、性能や信頼性から、概ね米国製によって寡占されており、言い値で売ることができる。例えば、GE社製ガスタービンは高出力・低燃費・高信頼性であり、英RRと寡占状態である。その他のメーカーでは同等出力を出せなかったり、出せても燃費が悪化する。水上戦闘艦艇を建造する国は、米GE社あるいは英RR社から買うしかない。艦載ヘリに関しても、必ず選択肢の中にSH-60は挙がる。リンク・システムに関しては、米国製品を排除することは難しく、それ以上に米国の技術支援を必要とする。

 米国は艦艇セールスを考える必要はない。むしろ各国に艦艇を自前で建造させるよう仕向けた方がよい。 各国が艦艇を建造するにしても、高度な艦艇であればあるほど、米国製の部品やシステム、技術支援に頼る必要が出てくる。船殻とは比較にならないほど高付加価値である。下手に完成品を押し付けようと努力するよりも、摩擦なしで高い利潤を上げることができる。米国は完成品を売る必要はないのである。
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