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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2015.09
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08:07
Category : 未分類
 WEDGEに吉富望さんが「『北の海』に進出した中国海軍艦艇 その意図は? 日本の備えは?」を発表している。

 だが、中国がベーリング海で何ができるというのだろうか? 何の利益があるのだろうか?

 記事の基調は、ベーリング海に中国艦艇が現れたことを脅威視するものだ。
 一方、中国の意図が北極海への軍事的関与の序曲である場合、日本(日米)の備えはより具体的なものとなる。もちろん、中国の軍事的関与が北極海の安全保障に資するものであれば歓迎できる。しかし、東シナ海や南シナ海での高圧的で一方的な中国の海洋活動を見れば、その北極海での軍事的関与を楽観視はできない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5397?page=3


・ 中国は何もできない
 だが、ベーリング海でできる行動を考えても、大したものではない。中国は周辺に根拠地を持たず、最短経路では対馬・津軽軽油でありそれでも片道5000kmある。そこで米国に対抗できるわけはない。

 また、北極海で中国が米国と張り合って確保できる権益はない。エネルギー資源があるかもしれない。だが採掘コストが高く、ロシア領域であれば普通にシベリア産石油やガスを買った方や安い。米国は海外に売る気はないし、だいたい、その場合であれば米国とは協調を取らざるを得ない。


・ 北極海航路に利益はない
 北極海航路の支配については、米中ともに何の利益もない。

 そもそも北極海航路に日米は依存しないし、する気もない、これは中国も同じだ。例えば日本からヨーロッパに物を送る場合でも、今は中国経由でのコンテナ輸送であり、中国を経由しないと空荷となるので華南経由での南回り以外の選択肢はない。広州から欧州は距離的に南回りが近いためだ。これは中国も同じで、上海を含めて華南によっての南回り航路となる。米国も西海岸から送る場合にしてもパナマ経由でも距離が変わらずピックアップも多いため南回りである。いずれの国も北極海航路は見向きもしない。

 その上、使い勝手は悪すぎる。耐氷グレードの商船が必要であること、気象次第では遅れること、航路支援がろくにないためだ。同じ距離でも南回りのほうが安全で早くて確実である。日本も一度づつ試験的にコラ半島からLNGと石油を輸入したが、それで終わりである。結局は、ロシアが極致開発をするとき以外には必要のない航路だということだ。(このあたりは前に「北極海航路はあんま見込みもない」で書いたとおり)


・ 自衛隊が展開する理由がない
 さらに言えば、ベーリング海方面に日本の利益はない。そこに自衛隊を派遣すべきとする主張も不思議である。
 また、自衛隊がこの地域でプレゼンスを示し、作戦能力を高めることも重要となる。航空自衛隊はアラスカで毎年実施される米軍主催のレッドフラッグ演習に継続的に参加しており、2015年8月の同演習では航空自衛隊に加えて陸上自衛隊(第1空挺団)も初めて参加した。海上自衛隊にも当該海域で米軍との共同訓練等を行うことを期待したい。なお、北極海航路のチョークポイントであるベーリング海峡は機雷等で封鎖された場合の影響が甚大であることから、同海峡の安全確保について米国、ロシア等の関係国と協議し、訓練を行うことも検討に値する。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5397?page=3


 そもそもレッドフラッグは空軍の演習で、気兼ねなく訓練できるだけの話である。米海軍も出て行かない海面に海自が参加しても仕方もないし、訓練海面としても不適すぎる。両軍とも良港もない海に大湊とハワイからまで言って帰ってくるだけでも面倒な話だ。

 なによりも、「なお、北極海航路のチョークポイントであるベーリング海峡は機雷等で封鎖された場合の影響が甚大であることから、同海峡の安全確保について米国、ロシア等の関係国と協議し、訓練を行うことも検討に値する。」(吉富)とは何をいいたいのかわからない。どのような「影響が甚大」であるのかは全く検討もつかない。

 そもそも、水深はともかく幅が狭い海峡を中国がどう封鎖するのかと言った点も不可思議なものだ。

 時流にあわせて中国の危険が危ないと主張したいのだろう。だが、海運や海軍作戦への不見識からトンチンカンな中身になっている。吉富さんの経歴を拝見すると兵隊あがりとのこと。その点をみると、いつもの組織の意見に合わせた、「正解」にそった主張であるようにしか見えないものだ。



※   吉富望「『北の海』に進出した中国海軍艦艇 その意図は? 日本の備えは?」『WEDGE Infinity』(ウェッジ社,2015.9.22)http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5397?page=1
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地球温暖化

もしかすると、地球温暖化の影響で、北極海航路が使いやすくなるかもしれません。
北極の氷河や氷山もかなり縮小しているみたいですし。
そして、温暖化が進むと想定外の巨大台風が大量に発生して、東南アジアからの航路使用が難しくなるとか。

ところで、夏コミ当日は比較的すごしやすかったですね。(^ω^)

No title

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ロシア自体に使い道もなさそう
マケインじゃないけど所詮はガソリンスタンドにすぎない