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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2015.10
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Category : 未分類
 北極海航路に価値はあるのだろうか?

 「総合海洋政策本部会合 北極に関する初の基本政策決定」によれば政府は「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路の官民連携による活用」を基本方針に据えるという。

 たしかに、地図上で見れば北極航路は有望に見える。東京-ロッテルダムが北極海経由であれば1.3万キロであり、今のバシー・マラッカ・スエズ・ジブラルタル経由の2.1万キロよりも近く見えるからだ。

 だが、「アジアとヨーロッパを結ぶ北極海航路」は「活用」できるものなのだろうか?

 まず、安価ではない。温暖化の結果、北極海では開氷面が増えたという。だが、開氷面にも季節変動があり、小規模な結氷、流氷もある。商船はそれに耐える高級なグレードが必要になり安価ではない。場合によれば先導する砕氷船のコストも考えなければならない。

 また、安定使用は難しい。また荒天も多い割に航路支援は絶無である。位置はGPSでわかるので灯台はいらないかもしれないが、現在位置が判ったところで海図未整備ではどこに危険があるのかがわからない。落水者捜索や急病人や船火事等への対応も期待できない。

 そもそも、運ぶものもない。日本-ヨーロッパ間で専用船を仕立てて運ぶものはない。物流の基本、コンテナ船は日本・中国(華中・華南)・シンガポールで荷物を集めつつアムステルダム・ハンブルクに向かう。そして、アジア物流の中心は上海(舟山・寧波港)と広州である。このため、日本とアムステルダム往復便は現実味が全く無い。

 日本-欧州直行便は、例えれば新幹線の仙台駅-大阪駅の直行便のようなものだ。東京(上海)と名古屋(広州)をトバすようなものには現実的ではない。それならサイズに合った飛行機で仙台空港から直行便を組んだほうが結果的には安い。それに当たるのがシベリア鉄道での西向け輸送力の余剰を活かしたシベリア・ランド・ブリッジである。それでコンテナ輸送をしたほうが、空荷七割のコンテナ船を往復させるよりも安価だろう。

 北極海航路を使う機会があるとすれば、ロシアの北極海周辺部開発への器材輸出くらいだろう。そんなのは1回ポッキリで終わる輸送である。

 北極海で採掘できた天然ガスや石油も、ロシアはパイプラインで南に回す。安定輸送が確保できない北極海輸送では採掘も安定継続できないし、北極海輸送に消極的な国にも売れるからだ。対日輸出でも既存パイプラインとの接続を活かしてガバニやワニノ、ナホトカまで運ぶ形になる。

 結局は、北極海航路はマトモな輸送路とは成り得ないということだ。



 まあ、そのあたりを全く理解しない人も多い。JSFさんなんかロシアは日本に上陸戦を仕掛けられるとか言い出して
また近年の温暖化により北極海航路が確立された場合、ロシア海軍主力の北方艦隊が極東に回航して来る可能性があります。過去にロシアは日露戦争でバルチック艦隊を遠路派遣した先例があります。また、つい先月にロシア極東で行われたヴォストーク2010演習では、北方艦隊と黒海艦隊の旗艦(ロケット巡洋艦)が参加しています。これは普通に対馬海峡を通過してきましたが、将来は北極海航路を用いた機動展開訓練が行われるかもしれません。
何故か山桜37演習の想定に拒否反応を示す隅田金属ぼるじひ社

とかマヌケなことを言っている。

 よくみりゃ巡洋艦かCGとでも書けば済むところを「ロケット巡洋艦」とか書くあたりでもマヌケだけどね。ロシア海軍だけ面倒に書いて粋がっているけど、それ以外の言語の海軍は日本語での概念で済ませているあたりに気付かない。このあたりも頭が悪いけどね。
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Comment

非公開コメント

少しは参入余地を残しておいた方が…

北極海航路に過大な期待を抱くべきではないという点は同感ですが、今回のブログの書き方では、事情を良く知らない方に可能性が0%であるとの誤解を招きかねないと思います。

まず、現在の南回り航路は極めて脆弱な状況にあり、いつ使えなくなってもおかしくないことが大前提にある点を明示すべきです。マラッカ海峡にしても、20年くらい前まで、日本は上手く立ち回って、沿岸国の間を取り持ってきましたが、中国の台頭もあり、少し雲行きが怪しいです。海賊にしても、マラッカ海峡内やソマリア沖どころか、スリランカ沖とかスエズ運河ですら気が抜けません。代替ルートのスールー海も政治的に不安定です。

特定の海域専用の装備についても、それほど障害にはならないのでは?今ですら、コンテナ船や米海軍の艦船の多くは多大な代償と引き替えにわざわざパナマ運河を通れるような仕様にしていますし、とても遠方まで行かないような外航船でもスエズ運河用の装備を備えていたりします。

安定運用も人工衛星が気軽に使える今日では、シベリア鉄道よりはましではないでしょうか?海図未整備というのは明らかな誤認識です。少なくとも南シナ海やアンダマン海よりは新しく、正確な海図が公開されていますし、そもそも海底の情報が無ければ、原潜は危なくて通れません。ロシアも民間航空機のシベリア航路同様、通行料収入の獲得を見込んで開放するでしょうから、最低限の安全は確保されると思います。

砕氷船のコストにしても南回りでかかるスエズ運河の通行料(この数年高騰しています)とか、いろいろな国のパイロット代を考えたら、どちらが高いか分かりません。

日本ーヨーロッパ直行便の需要がないのなら、北極経由の中国・韓国ーヨーロッパ便の各停版を寄港させれば良いだけです。貨物航空便だってそうしていますし、日本にとっても所要日数などメリットは小さくないです。

北極回り航路を想定した体制を今から(特に日本海側について)検討しておく必要があるのではと思います。そうでないと、また日本は他の海運・港湾関連同様、どうでも良い整備事業に予算が付くばかりでますます国際的に取り残されてしまうのではと危惧します。

まとめると、過剰な期待は禁物だが、北極海航路への備えは絶対必要。上手く運用すれば、日本にとってもビジネスチャンスになり得る、というのが私の考えです。生意気なことを言って済みません。

No title

ノルウェーのニュースでロシアのハニートラップにひっかかるノルウェー高官激増の記事あった
ロシアは北極海航路でなにがなんでもノルウェーを抑え込みたいそうな
日本からみたら無価値な航路にみえるが
アメリカ、カナダ、ロシア、イギリス、ノルウェー、デンマークにしたらそうでもないんだろうな
更になんで中国が割って入るのかわけがわからんがww