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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2015.11
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Category : 未分類
 今の日本は金を大量に刷ってはいるが、借り手がない。だから長期金利は0.3%にとどまっている。有利な投資先がないためだ。

 この状況で法人税を下げたところで、設備投資は増えない。現状では、リスク込みで0.3%よりも有利な投資先がない。企業は利益をためても、内部留保を増やして終わる。やっても自社株買いにとどまる。変な投資をするくらいなら、見た目の配当を上げ、あるいは配当総額を減らすこともできると考えるためだ。

 その点からすれば「法人税を引き下げれば設備投資が増える」というのは眉唾でしかない。

 ロイター「民間議員、法人税20%台へ先行減税提言=諮問会議議事要旨」によると、伊藤元重さんが次のように述べたとされている。
国内総生産(GDP)600兆円に向けて設備投資を促すためには、法人税が極めて重要だと指摘。「16度中に(実行税率を)20%台に引き下げるような努力が必要だと思うし、そのための財源をどうするのかという議論に当然なると思う」と問題提起した。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/corporate-tax-idJPKCN0SY0XD20151109?sp=true


 しかし、法人税を更に下げ、利益を挙げさせたところで企業は設備投資はしない。金利ほぼゼロなのに投資しない企業はそんなことはしない。30年前のように、税率を高くして設備投資を短期償却や控除したほうが確実である。

 前々からだが、経済諮問会議でのヘンテコは多く、今回ロコツな発言が報道されている。

 いつもの新浪剛志さんは「賃金を上げるために保険料負担を減らせ」と朝三暮四を言っている。
「政・官は、実質賃金を上げるために雇用保険料、健康保険料等の引き下げに最大限努めなければならない。そのためには、企業の社員のみならず、時限立法でも良いので、パートの方々の配偶者控除や社会保険料の負担免除も、一気に200万円まで引き上げたらどうか」と提案した。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/corporate-tax-idJPKCN0SY0XD20151109?sp=true


 従業員の、国民の福祉を切り下げれば、その分だけ給料の額面が上がるだろうといった主張だ。会社は、20万の給料の従業員に10万の社会保障をつけている。その10万の負担を5万に減らせば、給料を増やしてやろうというものだ。この段階でも、実際には給与+社会保障の総額は増えない。統計上での実質賃金が増えるだけだ。

 実際には朝三暮四にも及ぶまい。合計支給額を減らす気が満々であるためだ。そもそもMBA商法に染まった新経営者の代表である。凡百の従業員の給料や福利厚生に熱心になるはずはない。そう言い出すのは、自分たちにトクになると判断したためでしかない。どうせ5万円減らしても給料は3万くらいしか増やさずにすむ、2万は会社が懐に入れられるといった算段なのだろう。

 すでに日本の法人税は低い。これ以上企業を甘やかす必要はない。富岡幸雄さんの『税金を払わない巨大企業』で明示されているように大企業は租税を回避に努力し、一部は全く支払っていない。ネットで富岡さんは些末な計算で叩かれているが、大局をみればそうだ。実際にトヨタは去年まで5年間法人税を払っていない。当の社長が「ようやくトヨタも法人税を払えるようになりました」と、それまで租税回避に努力してきましたよと厚顔無恥に述べていた。

 その分の税金は誰が払っているか? 家計が払っている。去年の消費税増税と同時に法人税の税率は下げられている。このままでは会社だけが富んで、人が貧しくなるだけだろう。

 本来なら、法人税を上げて、租税回避を難しくすべきだ。空前の利益を上げながらも、内部留保か自社株買いしかしない企業からキッチリかっぱぐべきだ。

 海外に移転したいなら移転させればよい。その手の企業はもともと日本に税金を払っていない。円が高くなれば勝手に海外生産で雇用を減らし、安くなれば日本に戻ってきて、労働法規を緩和しろとか「雇用保険料、健康保険料等の引き下げ」ろというような連中だ。甘えたことを言わせるべきではない。



* 中川泉「民間議員、法人税20%台へ先行減税提言=諮問会議議事要旨」『Reuters』(トムソン・ロイター,2015.11.9)http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/corporate-tax-idJPKCN0SY0XD20151109?sp=true
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No title

いわゆるグローバル化の結果、日本のみならず先進工業国一般の問題として、大企業は常に甘やかしておかないと法人税・人件費・労働規約その他の点で本国より規制が緩い外国(主に発展途上国)に移転してしまい国内産業が空洞化し税も徴収できなくなる、だから国は大企業に頭が上がらないのだ、という話を聞いたことがあります。たとえ脱税していようとも国内に雇用を供給してくれるだけマシ、という算段なのかもしれませんね>経済諮問会議でのヘンテコ

本来は企業が国内で、脱税せずに、十分な社会保障をも担ってくれればよいのですが、今のご時勢にそんな理想を求めていられないので国の側が妥協しているのでしょう。いや、もちろん安易に妥協し過ぎな感はありますが。

ネトウヨを含めた保守勢力の連中は、普通の国民個人の幸福より、企業や役人や自民党を太らせることに躍起だからなあ。

No title

ホント、その通り。
ソフトバンクなんか払っている税金は零細企業並だもんね。
そういう企業がメガソーラーを主張して、政府にとりいて更に税金を食い物にしている。
アマゾンなんかも日本に事業所があるけど税金払っていないしね。こういう反社会的な大企業の多いこと。