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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2011.04
24
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Category : 未分類
 中国とゲームで張り合うなら、外洋艦隊を強化するしかない。中国は軍事力を拡大していると言われるが、中国陸軍に関しては数的にも縮小であり、中国空軍も現状維持がいいところである。中国軍事力の拡大は海軍、特に外洋艦隊建設を指向している。中国の外洋艦隊拡張に付き合うなら、日本も外洋艦隊戦力を拡張するしかない。

 陸上戦力は洋上の艦隊に対抗できない。中国軍事力の強化に対抗するために、日本の陸上戦力を強化してもあまり意味はない。中国軍事力拡大の焦点は外洋艦隊にある。日本側が陸上戦力を強化しても、中国は日本との軍拡ゲームで痛痒は感じない。外洋艦隊の行動を制約させることのできない陸上戦力は、ゲームでは問題にもならない。

 航空戦力もゲームの主役にはならない。日本の航空戦力は、外洋艦隊が日本近海に侵入することを制約できる。だが、外洋域での活動を制約することは難しい。それは海軍航空戦力の仕事である。東シナ海で航空戦力同士が張り合うようなゲームがあれば主役ともなるが、いまのところその気配もない。東シナ海でのゲームは、日中のコーストガード同士で行われ、日本の圧倒的優勢で固定化している。

 中国の軍備拡張ゲームに対応するには、日本は外洋艦隊を増強するしかない。外洋艦隊とは潜水艦、外洋で行動できる水上艦、艦載ヘリと長距離哨戒機であり、補給艦ほかの支援戦力増強である。外洋で活動できるのは外洋艦隊戦力だけだ。中国とのゲームを念頭においた、中国と張り合うための防衛力整備をするのであれば、日本は外洋艦隊増強に力を注ぐよりない。

 しかし、日本の財政は相当悪化している。東日本大震災復興対処により、日本の財政はヨリ悪化する方向にある。本格的な歳出抑制はじきに始まる。防衛費も文教費も公共事業も抑制される。日本が中国とのゲームを続けるとしても、自衛隊全体を大きくするような施策はとうてい不可能である。80年代から90年代に実現した防衛予算全体の拡大をすることはできない。

 中国とのゲームを続けるとしても、縮小する防衛予算の範囲内で行うしかない。縮小する防衛予算の中で、中国とのゲームに乗り続けるならば、防衛予算内の配分を調節しなければならない。対中国を意識するとしたら、外洋艦隊の増強をすること。そのために中国とのゲームであまり意味のない部分を減らすことである。

 中国とのゲームを続けるのであれば、陸自予算を減らし、海自予算を増やすしかない。従来より防衛予算の内訳は硬直化しており、陸海空の比率は概ね2対1対1である。人員構成も同様であり、本土防衛の役にしか立たない陸自が、海空の合計よりも数多くの人数を抱えている。防衛予算配分での陸海空比率を変えることにより、現実に増強が必要な海空自衛隊を増強することができる。中国と張り合うという施策を続けるのであれば、陸を減じて外洋艦隊を増強するべきである。

 本土防衛に必要な陸上戦力は、10万もいれば充分である。横浜に英・仏軍(赤隊・青隊)が駐留し、日本にまともな海軍力もなく、戦争となれば日本本土上陸も必至であった明治初期にしても、陸軍は3万4000人(明治9年)である。明治15年であっても4万2000人に過ぎず、日清戦争寸前の明治26年でも6万3000人である。平成の時代、日本は東アジア最大の海空軍力を保有している。日本に上陸戦を行える国は、米国を除けば存在せず、その米国にしても日本海空戦力排除は容易ではない。本土防衛への必要性で見れば、予算上で海空の2倍近く、人員で3倍の約15万人という陸自は必要十分以上である。大幅に減ずる余地は存在する。

 世論も陸上予算削減、海上予算増強を認める。前の戦争は、海上封鎖と戦略爆撃により負けたとするのが日本人の共通認識である。本土での防衛戦でしか役に立たない陸上戦力よりも、防空や海上輸送保護にも使える海空軍力に予算を傾斜配分することについて日本国民に異存はない。力を増している中国脅威論にしても、その結果としては世論は正しく「海(空)軍力を増やさなければならない」と認識しているのである。

 中国とゲーム続けるためには、日本は陸自の予算・人員を減らし、外洋艦隊増強を行うべきである。
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