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- » 2023 . 04
Category : 未分類
ガルパン映画で「リアル」とは何事か?
「女の子とメカと鉄砲」嗜好に媚びた現実味のない世界である。そこで戦車描写の細かさを「リアル」と褒めるのは滑稽なものだ。
ガルパンのどこにリアルがあるのか。男は一人も出てこない。ヒロイン達への萌えを阻害するので出さない。戦車を動かすにも下積みや面倒もない。互いに大砲を撃ち合っても怪我をしない。その作画音響がリアルと称賛されるが、「危険性がない」とする理屈付けのリアリティ欠如には何も言わない。
離乳食のアニメである。テーマ、小道具は全て視聴者層の嗜好にあわせている。そして不快なものは全て抜く。男の影を抜くだけではない。挫折も軋轢も残酷もないし乗り越える課程もない。すり潰した乳児食でしかない。
客は侮られている。「ドラマの咀嚼力が弱い」と見ぬかれ、それに合わせた見応えのない物語を与えられたのがガルパンだ。そして、その侮られた観客が「描写が素晴らしい」云々と褒める。離乳食を賞賛する客もいるものだ。
もちろん現実離れのアニメはいくらでもある。アイマスもデレマスも非現実である。男は出てこないし、イメージだけを膨らませた想像されたアイドル世界である。
だがキャラには人間の造形がある。文字通り戯画化され味付けも極端になっている。だが、そこには人間関係があり対立も衝突も存在する。そして失敗や挫折といった残酷な障害もある。なによりも乗り越える過程がある。互いを不倶戴天とした梨衣菜とみくは互いに相手を受容し、智絵里とかな子は超えることができない障害を乗り越えた。成長後の梨衣菜みく智絵里かな子は以前の小娘ではない。
ガルパンにそれはない。人間関係で決して衝突はしない。心を砕く障害も登場しない。敵としてヨリ高性能の戦車が出てきても強さのインフレでしかない。乗り越えられない障害ではなく、勝っても何の成長もない。登場人物は戦車の運転が上手になったのかもしれない。だが、人間関係はなにも成長しない。
それをリアルと賞賛する観客は、現実世間にも不見識ではないか。ファンを広言するミリオタは職場や趣味分野、そして社会でも人間要素に気づけるかも怪しい。
実際に、ミリオタとかぶる自称理系やSFファンが全くそれだ。自分たちが信奉する工学知識を全てと考え「原発は、オスプレイは危険ではない」と繰り返した。「なぜ抗議者が反対しているか」「工学的に危険でないにも関わらず社会が拒絶するのは何故か」に思いが至らない。ガルパンでの「リアル」激賞もその程度のものだ。
そもそもが囲い込んだファン向けでしかない。テレビ版を焼直し、そのファンだけを相手にするものだ。そこに新しい客を呼ぼうといった挑戦はない。安牌策でしかない。
いっそ『ガールズアンドパンツァー 戦国戦車道』までやれば面白くなるのだが。タイムスリップさせればドラマも作りやすい。予告編は「歴史は私達に何をさせようとしているの」でいい、戦車戦のピンチも「軍勢に這い上がられ主砲に刀を入れられる」でいける。
ラストはどうにもなる。歴史復元力で修正される、長尾景虎に始末される、クレしん戦国大合戦式に現代に帰還する。どれでもよい。
「女の子とメカと鉄砲」でも工夫すれば面白くはできる。だが、それをせず囲い込んだミリオタ向けの「心地よさ」だけを追求した。これは作品として挑戦心を欠くものである。
ソンム戦にタイムスリップとかね
/著者兼編集兼発行人//文谷数重
2015年冬コミ、本誌の「まえがき」だが、ナマモノなので公開
「女の子とメカと鉄砲」嗜好に媚びた現実味のない世界である。そこで戦車描写の細かさを「リアル」と褒めるのは滑稽なものだ。
ガルパンのどこにリアルがあるのか。男は一人も出てこない。ヒロイン達への萌えを阻害するので出さない。戦車を動かすにも下積みや面倒もない。互いに大砲を撃ち合っても怪我をしない。その作画音響がリアルと称賛されるが、「危険性がない」とする理屈付けのリアリティ欠如には何も言わない。
離乳食のアニメである。テーマ、小道具は全て視聴者層の嗜好にあわせている。そして不快なものは全て抜く。男の影を抜くだけではない。挫折も軋轢も残酷もないし乗り越える課程もない。すり潰した乳児食でしかない。
客は侮られている。「ドラマの咀嚼力が弱い」と見ぬかれ、それに合わせた見応えのない物語を与えられたのがガルパンだ。そして、その侮られた観客が「描写が素晴らしい」云々と褒める。離乳食を賞賛する客もいるものだ。
もちろん現実離れのアニメはいくらでもある。アイマスもデレマスも非現実である。男は出てこないし、イメージだけを膨らませた想像されたアイドル世界である。
だがキャラには人間の造形がある。文字通り戯画化され味付けも極端になっている。だが、そこには人間関係があり対立も衝突も存在する。そして失敗や挫折といった残酷な障害もある。なによりも乗り越える過程がある。互いを不倶戴天とした梨衣菜とみくは互いに相手を受容し、智絵里とかな子は超えることができない障害を乗り越えた。成長後の梨衣菜みく智絵里かな子は以前の小娘ではない。
ガルパンにそれはない。人間関係で決して衝突はしない。心を砕く障害も登場しない。敵としてヨリ高性能の戦車が出てきても強さのインフレでしかない。乗り越えられない障害ではなく、勝っても何の成長もない。登場人物は戦車の運転が上手になったのかもしれない。だが、人間関係はなにも成長しない。
それをリアルと賞賛する観客は、現実世間にも不見識ではないか。ファンを広言するミリオタは職場や趣味分野、そして社会でも人間要素に気づけるかも怪しい。
実際に、ミリオタとかぶる自称理系やSFファンが全くそれだ。自分たちが信奉する工学知識を全てと考え「原発は、オスプレイは危険ではない」と繰り返した。「なぜ抗議者が反対しているか」「工学的に危険でないにも関わらず社会が拒絶するのは何故か」に思いが至らない。ガルパンでの「リアル」激賞もその程度のものだ。
そもそもが囲い込んだファン向けでしかない。テレビ版を焼直し、そのファンだけを相手にするものだ。そこに新しい客を呼ぼうといった挑戦はない。安牌策でしかない。
いっそ『ガールズアンドパンツァー 戦国戦車道』までやれば面白くなるのだが。タイムスリップさせればドラマも作りやすい。予告編は「歴史は私達に何をさせようとしているの」でいい、戦車戦のピンチも「軍勢に這い上がられ主砲に刀を入れられる」でいける。
ラストはどうにもなる。歴史復元力で修正される、長尾景虎に始末される、クレしん戦国大合戦式に現代に帰還する。どれでもよい。
「女の子とメカと鉄砲」でも工夫すれば面白くはできる。だが、それをせず囲い込んだミリオタ向けの「心地よさ」だけを追求した。これは作品として挑戦心を欠くものである。
ソンム戦にタイムスリップとかね
/著者兼編集兼発行人//文谷数重
2015年冬コミ、本誌の「まえがき」だが、ナマモノなので公開
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Comment
00:12
名無しの旅人
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Re: タイトルなし
02:44
文谷数重
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夏コミの時にも言ってましたけど、伝染病付きの毛布とか配っているんでしょう
GATEのラスト2話は捕虜にした皇帝に「この部屋いっぱいの金塊を渡せ」といって
ラスト話で「反日の罪」で斬首だと思いますよ
> 個人的には「GATE」もかなり酷いですね。
09:03
だむ
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No title
16:17
陣羽笛
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正直言って精神的小児麻痺のアレな人たちを騙してカネをむしろうという企画。
Re: No title
16:31
文谷数重
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騙して金をむしり取るについても、マネタイズとして、夢見心地にして金を払わせると言い直せば見事だと思います
けどあとで何にも残らない、夢見心地にしたけどそれで終わりで、「一過性の作品でしょ」というのが作り手の問題
見る方は、アレをべた褒めしているのが、まずは頭がよろしくない
結局はインナーサークル向けの作品であり、インナーサークルの文法と評価軸しかないものが
普遍性を持ち得ているように褒めているあたりがどうもねえと
まずは「宗教団体がたまに作る映画を、べた褒めする信者」みたいなもんですねえ
> 基本的にタダのアホなのに、選民思想と過大な自己評価にこりかたまった、とっちゃん坊や向けのコンテンツ。
>
> 正直言って精神的小児麻痺のアレな人たちを騙してカネをむしろうという企画。
17:20
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文谷さんこそがリアルなのですよと、あの作品を愛して止まない自衛隊サポーターの連中に申してやりたいもんです。
No title
17:21
大島
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http://togetter.com/li/917674
キャラがかわいいだけ、とばっさり。
そして、コメント欄でもまともな反論が出てこないという・・・。
まあ、そういうの好きな人が喜んでいるのだから、それはそれでいいのだろう。
No title
00:28
岩見浩造
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勿論売りは「リアルさ」だけ。
田辺節男だのクレシンだのには到底及ばない。
出演する役者、女が大半だと思いますが、内心どう考えてるか知りたいですね。
どうせ5年後には実質消えてるから今のうちに稼ぐ、以上の思考は無いのかな
No title
11:16
おひさま
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20:35
k
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No title
17:47
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https://twitter.com/search?src=typd&q=%4002Curry%20since%3A2016-01-02%20until%3A2016-01-03
No title
18:52
岩見浩造
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見る:「やっぱり見たんだろ!似非反対派が!」
無敵ですね。
No title
23:02
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No title
00:25
だむ
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13:18
ジンバブエの○
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アンチ艦これかしらんが戦艦少女なんつーのやってんのもいるし
まあ文句つける人がいくらいても成功したアニメのひとつであるのは変わらんだろうね、(成功したアニメだけに文句つけたい人は表れやすいのはあるし)
No title
23:34
yam
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そもそもアニメの美少女とメカである戦車が共存する事自体が難しい。ガルパンの戦車の挙動をみて、実際の戦車の動きとは異なるしあんな挙動はしないだろう。
けどそれがそれほど重要だろうか?重要ではない。
同じように、キャラの葛藤も成長の要素も必要ないのだ。ガルパンに重視されるのは、アニメとしての戦闘の描写であり迫力だ、決して現実としてのリアルではない。見ていて気持ちのいい映像描写なのだ。アニメにあれもこれも求めるのは酷なのでは、もっと気楽に、中身なんていらない、アニメだからいいじゃんって、面白ければいいじゃん、それは刹那的に思えるけど、今を楽しむアニメを見ればいい。今すら楽しめないアニメが多い中で、戦車の描写がカッコイイ、これだけの出来は上出来だと思うが。
アニメは、子供とアニメを卒業できないマニアのものなのです。普遍的な娯楽と考えるのは無理があります。
No title
19:04
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Re: No title
20:04
文谷数重
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下士官上がりのアレな奴が将校にもなってその辺りを褒めているのを見たことあるのですが
「構造とか見えないのだろうな」と思いますね
女の子とメカと鉄砲の組み合わせならなんでもいいんだろといったオツムでしょうけど
まあGATEも最終回で皇帝捕まえて「この部屋いっぱいの金塊で釈放」とかやれば
視聴者もコンキスタドールの追体験をしているだけといった皮肉がわかってよろしいと思いますよ
> 遅レスだけど、構図として太平洋戦争もある種GATE的だなと思うところもあったりしますね。戦中から占領期のアメリカ側の自認として、「日本の民衆を軍国主義者から救って民主化する」という名目もあったわけで、(戦前の日本を潔白と言うつもりは毛頭ないですが)太平洋戦争では米軍とアメリカがGATE劇中の自衛隊と日本と重なる部分もあるなと感じたわけですよ。異世界の側から見る視点がGATEを好きな人間にどこまであるのかも気にはなるところです。
No title
21:48
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細田守とかも