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- » 2024 . 01
Category : ミリタリー
前に肯定したハコ乗りSAM(「さおだけ屋SSMはなぜ否定されるのか」)についてです。別に私はハコ乗りSAMを作れと言っているわけではありません。(ただし、近接防御的な近距離防空であればそれなりに有効でしょう。)コメント欄では、そこまで読まずに「お前はバカか」や「人命軽視」(ミリタリ系だと便利な言葉ですね)といった、どうでもいい悪口を多数頂戴しました。中には「防空システムに連接しなければ効率が悪い」(ただし、相当長い)といった建設的な批判もありました。そのご意見に対しては、1基あたりの効率が悪くても問題はないと説明します。価格は安いし、弾体だけあれば応急的にも作れるので数でカバーできます。また、1両破壊されても、深刻な問題にならない利点もあります。
こういったのコメントの中に「それで済むなら外国でもつくっているだろ」「実用例がないのが文谷の妄想である証拠」という、悪口か意見が微妙なコメントがありました。これに対しては、採用例があればよいということでしょう。実際に台湾は、天剣1型AAMを民生トラックに搭載し「車載剣1型防空飛弾」とし、航空基地防空用として運用しています。4連装発射機であり、重すぎるため動力操作背ざるを得ませんが、照準は目視-光学照準※です。ハンガリーとオマーンではより簡素な車両があります。ミストラル対空ミサイル(仏製)をトラックに直積みしたSAMを実用化しています。ミサイルの指向は人力操作であり、目視照準です。
もちろん、両方のシステムでも目標捜索レーダの支援はあった方がよいでしょう。概略方位と高度が分かれば、そのあたりにミサイルを指向し、目視確認による即時発射が可能です。それ以上のカラクリは不要です。所詮は近距離用の、近接した航空目標を攻撃するシステムです。ミサイルの射程も短く、見える距離に入ってくれないと使えません。目視で見えないときには、まずミサイルからも見えません。発射したあとも、ミサイルは自身のシーカにより目標に向かいます。発射側からの誘導やCW照射は必要ありません。近距離用の打ち放しミサイルに、高度な射撃指揮装置をつけてもあまり意味はないのです。IFFだけあれば充分でしょう。
この点からすれば、間違いなく近SAM(93式近距離SAM)は無意味に過剰です。近SAMは高度な射撃指揮装置(車両・発射機部分の値段は約6億円)をもっていますが、射程5km程度のミサイルに射撃指揮装置をつけても、ミサイルの射程は延伸しません。発射されたミサイルも、肩撃ちされた携SAM(同じミサイルです)を超える性能は発揮しません。つまり、なんで制式化してしまったかを疑うような装備です。予算に余裕があった時代の惰性としか言えません。
近SAMなんかを作るくらいなら、肩掛け式発射機を持った操作要員をオープントップの車両に載せたほうがよかったでしょう。近SAMは8連装ですから、1両分のミサイルで8両のトラックを自走SAMとすることができます。ミサイルを除いた車両・発射機部分の値段(約5億)を節減することもできます。疲労軽減を図るのであれば、ミストラルのAtros Twin Lancherモドキでも作り、ポリカーボネードの腰壁でも付ければよかったのですけどね。
※ 写真あり「国軍民国99年模範団体」14-21p.p『先端科技』2010年10月
※※ 16-17p.p "Jane's Land Based Airdeffence 2008-2009"
こういったのコメントの中に「それで済むなら外国でもつくっているだろ」「実用例がないのが文谷の妄想である証拠」という、悪口か意見が微妙なコメントがありました。これに対しては、採用例があればよいということでしょう。実際に台湾は、天剣1型AAMを民生トラックに搭載し「車載剣1型防空飛弾」とし、航空基地防空用として運用しています。4連装発射機であり、重すぎるため動力操作背ざるを得ませんが、照準は目視-光学照準※です。ハンガリーとオマーンではより簡素な車両があります。ミストラル対空ミサイル(仏製)をトラックに直積みしたSAMを実用化しています。ミサイルの指向は人力操作であり、目視照準です。
もちろん、両方のシステムでも目標捜索レーダの支援はあった方がよいでしょう。概略方位と高度が分かれば、そのあたりにミサイルを指向し、目視確認による即時発射が可能です。それ以上のカラクリは不要です。所詮は近距離用の、近接した航空目標を攻撃するシステムです。ミサイルの射程も短く、見える距離に入ってくれないと使えません。目視で見えないときには、まずミサイルからも見えません。発射したあとも、ミサイルは自身のシーカにより目標に向かいます。発射側からの誘導やCW照射は必要ありません。近距離用の打ち放しミサイルに、高度な射撃指揮装置をつけてもあまり意味はないのです。IFFだけあれば充分でしょう。
この点からすれば、間違いなく近SAM(93式近距離SAM)は無意味に過剰です。近SAMは高度な射撃指揮装置(車両・発射機部分の値段は約6億円)をもっていますが、射程5km程度のミサイルに射撃指揮装置をつけても、ミサイルの射程は延伸しません。発射されたミサイルも、肩撃ちされた携SAM(同じミサイルです)を超える性能は発揮しません。つまり、なんで制式化してしまったかを疑うような装備です。予算に余裕があった時代の惰性としか言えません。
近SAMなんかを作るくらいなら、肩掛け式発射機を持った操作要員をオープントップの車両に載せたほうがよかったでしょう。近SAMは8連装ですから、1両分のミサイルで8両のトラックを自走SAMとすることができます。ミサイルを除いた車両・発射機部分の値段(約5億)を節減することもできます。疲労軽減を図るのであれば、ミストラルのAtros Twin Lancherモドキでも作り、ポリカーボネードの腰壁でも付ければよかったのですけどね。
※ 写真あり「国軍民国99年模範団体」14-21p.p『先端科技』2010年10月
※※ 16-17p.p "Jane's Land Based Airdeffence 2008-2009"
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Comment
No title
01:22
実松
URL
編集
http://www.masdf.com/altimeter/shinchu/IMG_5603.jpg
平時の空港防衛なら確かに充分ですね。滑走路に穴あけられたらやや不味い気もするが。
No title
02:10
文谷数重
URL
編集
でもまあ、それほど動きませんからね。極端な話、牽引式でもかまわない装備ですから。昔の高射砲、スカイスイーパーの類も動きませんが、それが致命的弱点となり対空戦闘できなかったということもありませんから。