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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2016.01
13
CM:2
TB:0
18:48
Category : 未分類
 F117がピョンヤンで、相手に見えるように急降下で擬襲をしたそうだ。

 ZAKZAKの加賀孝英の記事ではそのように述べている。「米軍、北朝鮮への“極秘作戦”準備 B52急派に続き決断か」には次の記述がある。
以下、複数の米軍関係者から得た極秘情報だ。[中略] 「米軍は05年に、北朝鮮で極秘作戦を決行している。それはF117ステルス戦闘機を、平壌(ピョンヤン)上空から、正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の豪邸に向けて急降下させ、急上昇させる作戦だ。見えない戦闘機に北朝鮮は手も足も出なかった。その時の、血が凍る恐怖を忘れていないはずだ」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n2.htm


 もちろん、いつものとおり「私は宇宙人に誘拐された」http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-1528.htmlである。加賀さんは世界の情報機関から秘密の情報を聞いたといった内容である。今回のソースは少なくしており、
1 複数の米軍関係者
2 日本の情報当局者
となっている。だが、その中身はいつもの通り練り込みが足りない。

 まずはB52ごときで北がビビっているといった判断である。
「核実験直後、北朝鮮は『全世界が、わが国にひれ伏す偉業だ』といった声明を出した。ところが、B52急派後、北朝鮮メディアは、正恩氏の『核実験は、朝鮮半島の平和と地域の安全を守るための自衛的措置』という発言を伝えた。お笑いだ。正恩氏は震え上がっている。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n2.htm

北にとって「核実験成功は偉業である」ことと「核開発は自衛的措置である」ことは矛盾しない。それをトーンダウンであると強調するあたりで話の持って行き方が甘い。さらにその間に「B52が飛んだ」ことを示し、トーンダウンはその成果であるというのは臨戦態勢国家を舐めたものだ。まずは「親子で巨人阪神戦の中継を見ていた、阪神がピンチのときに浮かれる巨人ファンの息子を殴った、だから流れ変わって阪神勝ったぜ」というようなものだ。

 また、ウィキリークスを持ち出しながら、その中身にあたっていない。このあたり、こじつける努力もしていない。
 さらに、興味深い情報がある。
 CIA(米中央情報局)元職員のエドワード・スノーデン容疑者や、内部告発サイト「ウィキリークス」が、米政府の機密文書を暴露している。この中に注目すべき記述があるというのだ。
 「米韓政府高官が話し合ったという『北朝鮮攻撃による朝鮮半島統一計画』が存在する。正恩氏は、ロシア経由で詳細を知って驚がくしたらしい。側近が裏切っていたうえ、自分の暗殺計画まで準備され、中国も計画に一部賛成していた。正恩氏が100人以上の部下を殺し、中国を信用せずに暴走している理由の一端がここにある」(日本の情報当局者)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n3.htm

この文章は「日本の情報当局者」が「ウィキリークスにそう書いてある」と言った形になっている。だが「ウィキリークスにそうかいてある」なら、その部分を出ずだけで済む。また「日本の情報当局者」から聞いたとしても、中身が「ウィキリークスにそうかいてある」なら独自の情報というわけではない。

 そして「F117の急降下擬襲を見て腰を抜かした」である。高高度からの精密誘導爆撃をするF117の使い方ではないし、そもそも急降下爆撃をする機体ではない。そもそもF117が活動する夜ならば急降下の状況は見えないしF117であるかどうかもわからない。

 「私は宇宙人に誘拐された」も、もう少し丁寧につくるものだろう。

 まあ、媒体の水準には合致しているけどね。適当に宇宙人の記事を書くジャーナリストと、政治の記事としてそれを載せる夕刊フジ/ZAKZAK、それを信じる読者の水準は合致しているといえば合致している。

 ZAKZAKもPV稼げりゃなんでもいいのだろう。それなら動画にキャプション程度の説明をつけて「記事を書きました」「好評です」というのと大差もない情けなさということだ。
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Comment

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No title

もちろん、昼間であっても地上の人間が目視で「あれはF117だ」と認識できる距離まで急降下なんてしたらそのまま機首を持ち上げられずに墜落でしょうね。

しかし毎度毎度、タイトル通りの内容と見せかけて最後の一文が主題になっている辺りにこだわりを感じます。

No title

このエントリのタイトルを見たあっちの人たちが
「F117ならば急降下など簡単だぞ!」
と言いに来るであろう