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- » 2023 . 07
Category : 有職故実
関税率表は、すべての輸入物品に対応できなければならない。課税されるかどうか、課税される場合の税率をあらかじめ決めておかないと、税関は仕事にはならない。もちろん租税法律主義にも反してしまう。
http://www.customs.go.jp/tariff/2011_4/index.htm(2011年4月版 実行関税率表)
http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm(関税率表解説・分類例規)
このため、関税率表は相当妙なものまで規定している。実際に日本に輸入されたことがあるのかどうかまで怪しい物も載っている。例えば、カタパルトがある。カタパルトは8805.29に規定されている。『関税率表解説・分類例規』では『航空機射出装置は、一般に船の甲板で使用され、射出する航空機の案内をする金属製構造物と一体になっている。発進に必要な加速度は、航空機を乗せてある滑走車又は射出棒に作用する圧縮空気、蒸気、発射火薬等により得る。』とある。そして、グライダー離陸用や、ロケット加速用(実例があるかはしらない)は含まないと規定されている。戦後、実際に輸入された実例は多分ないが、あらかじめここまで決めているところがお役所なのだろう。
他にも、聞いたこともないようなものもゾロゾロしている。たまたま眼についたものの中に、自動車関連で『ジャイロ・バス』というものがあったが、聞いたこともないもの。関税率表では『この項には、原動機付きバス、トロリーバス(架線から電流を得るもの)及び運動エネルギーを高速回転するはずみ車に貯蔵して、その運動エネルギーにより発電機を駆動して電流を発生させ、その電流を原動機に供給することにより作動する“ジャイロバス”を含む。』 (8702.90)とされている。
ちょいと調べると、ジャイロバスとはバス停でトロリー式に電気を貰い、モータでフライホイールを回し、次の停留所(電気が貰える)まではその力で(発電器を回して)進む車両とのこと。自動車のオモチャをそのままスケールアップした仕組みである。実用車両の図版では、座席は運転手を抜いて27人分あった。最大速力55km/h。フライホイールのスピンアップには2~5分。最大40分程度の走行も可能、停車時していれば10時間程度は回転を維持するとのこと。
『鉄道車両』(大塚誠之 1955)によれば、『スイスのエリコン社で1954年に実用化された』とある。また、http://www.ne.jp/asahi/yada/tsuneji/history/FW-bus.pdfでは、1953年になっている。後者の記述が具体的であるので、より正確なのだろう。ジャイロバスはいまのEVバスの魁で、仕組みもなかなかのもの。だが、フライホイールから発電してモータを廻す仕組みはロスが大きすぎるのだろう。50年以上前に実用化されたがスグに廃れてしまった。フライホイールと車輪を直結すれば効率はよくなるだろうが、そうなると基本ON/OFFなので、速力調節がノッチングとなる。乗り心地が悪くなるのだろう。
ちなみに、関税率表には『戦車その他の装甲車両』(87.10)とある。『武器を装備しているかいないかを問わない』とされており、『通常の型式の乗用車及び貨物自動車に軽度の装甲又は取外し可能な補助的な装甲をしたものを含まない』『自走砲は、93.01 項に属する。これは停止して発射するように設計してあり、発射範囲が限られているのが特徴である。』関税上は、自走砲は戦車にならないが、突撃砲の類はどっちに入るかは判然としない。戦車・装甲車であれば無税であるが、自走砲とされてしまうと税率12.8%で課税されてしまう。装甲の薄い突撃砲の類を輸入するときには、走りながら射撃できるようにしないと面倒なことになるカモ。
http://www.customs.go.jp/tariff/2011_4/index.htm(2011年4月版 実行関税率表)
http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/index.htm(関税率表解説・分類例規)
このため、関税率表は相当妙なものまで規定している。実際に日本に輸入されたことがあるのかどうかまで怪しい物も載っている。例えば、カタパルトがある。カタパルトは8805.29に規定されている。『関税率表解説・分類例規』では『航空機射出装置は、一般に船の甲板で使用され、射出する航空機の案内をする金属製構造物と一体になっている。発進に必要な加速度は、航空機を乗せてある滑走車又は射出棒に作用する圧縮空気、蒸気、発射火薬等により得る。』とある。そして、グライダー離陸用や、ロケット加速用(実例があるかはしらない)は含まないと規定されている。戦後、実際に輸入された実例は多分ないが、あらかじめここまで決めているところがお役所なのだろう。
他にも、聞いたこともないようなものもゾロゾロしている。たまたま眼についたものの中に、自動車関連で『ジャイロ・バス』というものがあったが、聞いたこともないもの。関税率表では『この項には、原動機付きバス、トロリーバス(架線から電流を得るもの)及び運動エネルギーを高速回転するはずみ車に貯蔵して、その運動エネルギーにより発電機を駆動して電流を発生させ、その電流を原動機に供給することにより作動する“ジャイロバス”を含む。』 (8702.90)とされている。
ちょいと調べると、ジャイロバスとはバス停でトロリー式に電気を貰い、モータでフライホイールを回し、次の停留所(電気が貰える)まではその力で(発電器を回して)進む車両とのこと。自動車のオモチャをそのままスケールアップした仕組みである。実用車両の図版では、座席は運転手を抜いて27人分あった。最大速力55km/h。フライホイールのスピンアップには2~5分。最大40分程度の走行も可能、停車時していれば10時間程度は回転を維持するとのこと。
『鉄道車両』(大塚誠之 1955)によれば、『スイスのエリコン社で1954年に実用化された』とある。また、http://www.ne.jp/asahi/yada/tsuneji/history/FW-bus.pdfでは、1953年になっている。後者の記述が具体的であるので、より正確なのだろう。ジャイロバスはいまのEVバスの魁で、仕組みもなかなかのもの。だが、フライホイールから発電してモータを廻す仕組みはロスが大きすぎるのだろう。50年以上前に実用化されたがスグに廃れてしまった。フライホイールと車輪を直結すれば効率はよくなるだろうが、そうなると基本ON/OFFなので、速力調節がノッチングとなる。乗り心地が悪くなるのだろう。
ちなみに、関税率表には『戦車その他の装甲車両』(87.10)とある。『武器を装備しているかいないかを問わない』とされており、『通常の型式の乗用車及び貨物自動車に軽度の装甲又は取外し可能な補助的な装甲をしたものを含まない』『自走砲は、93.01 項に属する。これは停止して発射するように設計してあり、発射範囲が限られているのが特徴である。』関税上は、自走砲は戦車にならないが、突撃砲の類はどっちに入るかは判然としない。戦車・装甲車であれば無税であるが、自走砲とされてしまうと税率12.8%で課税されてしまう。装甲の薄い突撃砲の類を輸入するときには、走りながら射撃できるようにしないと面倒なことになるカモ。
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