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- » 2023 . 03
Category : 未分類
今後、零戦は維持も難しくなるのではないか?
零戦里帰りプロジェクトの継続に暗雲が垂れ込めている。「『零戦里帰りプロジェクト』、一般公開飛行を目指しスポンサー企業を募集」からは、相当の資金難が窺えるためだ。有資格のパイロットや整備員のコストを負担できないため、スポンサー企業を募るというものだ。
おそらく、今後は保管も容易ではなくなる。今のところは鹿屋の格納庫と飛行場が安価に一時使用できているが、今後は難しくなる。
自衛隊飛行場や格納庫、電気等の利用料金は安い。これは緊急着陸した故障機や、胴体着陸した事故機への対応を念頭においた実損料程度の値段であるためだ。実際に八戸でMU-2が胴体着陸した時、格納庫と電気の使用量を取ったが、額は覚えていないがロハ当然であった。
今の零戦の保管費用もおそらくはその程度のはずだ。旧海軍の縁があり、整備の間は特例で受け入れている状態にすぎない。飛行可能状態となり、しかも収益事業に使う段階では当然鹿屋から出ていかなければならない。
今後は民間空港に移動し敷地を借りて格納庫を建てる、あるいは既存格納庫を借りる必要が生まれる。おそらく、その額は米国からパイロットや整備員を連れてくるコストよりも高い。
そして、その金額を企業スポンサーが支えられるかは厳しい。この場合はプロジェクトの維持は難しくなるだろう。
もちろん、金が無いから空港敷地外に収容する考えもある。
だが、それもプロジェクトの維持を難しくする。零戦は飛行不能状態となり寄付は減りスポンサーもつきがたくなるためだ。飛行場外に運び出すためには分解しなければならない。そして一度分解すると、再度組み立ててもすぐには飛べない。検査が必要となるためだ。もちろん、組み立てにも検査にも金が掛かる。
ある意味、プロジェクトは八方ふさがりなのだろう。
最終的には、米国あたりに売却しかない。個人が大枚はたいて買った零戦なので、日本の博物館への無償寄付はし難く、その場合にも飛行可能状態は維持できないためだ。このため、それなりの価格で買ってくれ、しかも稼動状態を維持してくれる好事家に渡すしかない。資源国不景気の時世では、米国の大尽、例えばマイクロソフトの副社長クラスに売るしかないためだ。
しかし、そうなるとこれまでの寄付受けとの関係が問題となる。仮に転売益が出れば面倒くさいことになる。
飛行可能な零戦を維持するためには好事家に売るしかないが、それをすると批難されてしまう。言葉は悪いが、外見上は「他人の寄付金で零戦をレストアして転売した」ようなものだからだ。それは、零戦里帰りに汗を流した主催としても不本意だろう
逆に日本の博物館に渡すと、今度は主催個人が損をする上に稼動状態が維持できない。飛行可能な零戦を日本に持って来た意味は無くなる。これも主催は本意ではない。
とはいえ、資金面から現状維持はない。今無理をして一段階進めると資金難はさらに進む。零戦をスクラップにするのでなければ、いずれはどちらかを選ぶしかない。
この辺りは前に書いた「尖閣募金のグダグダを再現してしまうのではないか」のとおり。風呂敷と同じで広げた事業はたたむのが難しいというわけだ。
そもそも個人所有と寄付受けの関係そのものが難しい。これも「旧軍兵器の回収・展示は現実的ではない」で書いたが、他人の金で個人収蔵コレクションを作ろうとしているのではないか?といった印象を受ける計画もあるためだ。
まあ、否定するわけじゃないけど、拾ってきた飛行機戦車軍艦を稼動状態して金とって見世物にして金をとるのも見ていて嫌なんだけどね。イルカショーのイルカとか、インカ帝国展の見世物ミイラみたいなもんで、ランカイ屋に使嗾される角兵衛獅子的な可哀想さがある。東博の銃砲のように大事に取っておいて、ときおりひっそりと保管展示するほうがいいと思う。稼動状態がエライというというのも「エゲレスでは」とか「メリケンでは」の出羽守で、正倉院的な保管をする日本の慣習とは相容れないような気もする
※ 神山翔「『零戦里帰りプロジェクト』、一般公開飛行を目指しスポンサー企業を募集」『マイナビニュース』(マイナビ,2016.2.12)http://news.mynavi.jp/news/2016/02/12/457/
零戦里帰りプロジェクトの継続に暗雲が垂れ込めている。「『零戦里帰りプロジェクト』、一般公開飛行を目指しスポンサー企業を募集」からは、相当の資金難が窺えるためだ。有資格のパイロットや整備員のコストを負担できないため、スポンサー企業を募るというものだ。
おそらく、今後は保管も容易ではなくなる。今のところは鹿屋の格納庫と飛行場が安価に一時使用できているが、今後は難しくなる。
自衛隊飛行場や格納庫、電気等の利用料金は安い。これは緊急着陸した故障機や、胴体着陸した事故機への対応を念頭においた実損料程度の値段であるためだ。実際に八戸でMU-2が胴体着陸した時、格納庫と電気の使用量を取ったが、額は覚えていないがロハ当然であった。
今の零戦の保管費用もおそらくはその程度のはずだ。旧海軍の縁があり、整備の間は特例で受け入れている状態にすぎない。飛行可能状態となり、しかも収益事業に使う段階では当然鹿屋から出ていかなければならない。
今後は民間空港に移動し敷地を借りて格納庫を建てる、あるいは既存格納庫を借りる必要が生まれる。おそらく、その額は米国からパイロットや整備員を連れてくるコストよりも高い。
そして、その金額を企業スポンサーが支えられるかは厳しい。この場合はプロジェクトの維持は難しくなるだろう。
もちろん、金が無いから空港敷地外に収容する考えもある。
だが、それもプロジェクトの維持を難しくする。零戦は飛行不能状態となり寄付は減りスポンサーもつきがたくなるためだ。飛行場外に運び出すためには分解しなければならない。そして一度分解すると、再度組み立ててもすぐには飛べない。検査が必要となるためだ。もちろん、組み立てにも検査にも金が掛かる。
ある意味、プロジェクトは八方ふさがりなのだろう。
最終的には、米国あたりに売却しかない。個人が大枚はたいて買った零戦なので、日本の博物館への無償寄付はし難く、その場合にも飛行可能状態は維持できないためだ。このため、それなりの価格で買ってくれ、しかも稼動状態を維持してくれる好事家に渡すしかない。資源国不景気の時世では、米国の大尽、例えばマイクロソフトの副社長クラスに売るしかないためだ。
しかし、そうなるとこれまでの寄付受けとの関係が問題となる。仮に転売益が出れば面倒くさいことになる。
飛行可能な零戦を維持するためには好事家に売るしかないが、それをすると批難されてしまう。言葉は悪いが、外見上は「他人の寄付金で零戦をレストアして転売した」ようなものだからだ。それは、零戦里帰りに汗を流した主催としても不本意だろう
逆に日本の博物館に渡すと、今度は主催個人が損をする上に稼動状態が維持できない。飛行可能な零戦を日本に持って来た意味は無くなる。これも主催は本意ではない。
とはいえ、資金面から現状維持はない。今無理をして一段階進めると資金難はさらに進む。零戦をスクラップにするのでなければ、いずれはどちらかを選ぶしかない。
この辺りは前に書いた「尖閣募金のグダグダを再現してしまうのではないか」のとおり。風呂敷と同じで広げた事業はたたむのが難しいというわけだ。
そもそも個人所有と寄付受けの関係そのものが難しい。これも「旧軍兵器の回収・展示は現実的ではない」で書いたが、他人の金で個人収蔵コレクションを作ろうとしているのではないか?といった印象を受ける計画もあるためだ。
まあ、否定するわけじゃないけど、拾ってきた飛行機戦車軍艦を稼動状態して金とって見世物にして金をとるのも見ていて嫌なんだけどね。イルカショーのイルカとか、インカ帝国展の見世物ミイラみたいなもんで、ランカイ屋に使嗾される角兵衛獅子的な可哀想さがある。東博の銃砲のように大事に取っておいて、ときおりひっそりと保管展示するほうがいいと思う。稼動状態がエライというというのも「エゲレスでは」とか「メリケンでは」の出羽守で、正倉院的な保管をする日本の慣習とは相容れないような気もする
※ 神山翔「『零戦里帰りプロジェクト』、一般公開飛行を目指しスポンサー企業を募集」『マイナビニュース』(マイナビ,2016.2.12)http://news.mynavi.jp/news/2016/02/12/457/
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Comment
00:40
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つーかあの零戦、ロシア製だよね?
No title
13:54
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アメリカの飛行可能な零戦なんて改造しすぎてフルスクラッチと大差無いですし。
改造してセルモーター付けたエンジンにどこまでの歴史的意義があるのかいまいちわからんですね。
エアレースで使ってる改造した戦闘機と同じ程度でしょうけど。
No title
21:06
名無しさん@ニュース2ch
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マジで
子供にぜひ飛んでるゼロ戦を見せたい
写真でみるのと飛んでるゼロ戦を肉眼で見るのとは感動が違う
No title
06:26
大島
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それでもどうしても飛ばしたかった旧軍のエースパイロットが、滑走路テストの際に「勢い余って」飛び上がってしまっただけ。
パイロット氏によれば、「こんな危ないものをイギリスではよく飛ばしていたな」と青ざめるほどで、その後四式戦に乗りたがる者は誰も現れなかったらしい。
やがてそのパイロット氏が亡くなってしまうと、もはや四式戦を飛ばせるものがだれもいなくなってしまったと。
稼働状態を維持するには、ガワだけ残して中身を入れ替えるのが正しいんだろうね。