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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2016.03
28
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Category : 未分類
 調査捕鯨には不利益しかない。

 先の24日に調査捕鯨の船団が下関に帰投した。これは日本では「船団が帰ってきた」程度の小記事だが、海外のニュースサイトでは批判的に多く取り上げている。例えばBBCでも”Japanese whaling: why the hunts go on”としてとりあげられている。*

 その中でも気になるのが、豪州ABCのニュースである。"Japanese whaling program details prompts calls for Australian Government to take stronger action"とある。題名からして調査捕鯨の不利益を示唆するものだ。**

 豪州の不快感は総統なものである。政府の環境大臣の発言として
"The Australian Government strongly opposed Japan's decision to resume whaling in the Southern Ocean this past summer," he said.[中略]Japan does not know where nor would it recognise Australia's so-called 'whale sanctuary'."
Japanese whaling program details prompts calls for Australian Government to take stronger action

とある。「捕ってくれるなと言っているのに捕る。」「よりによって豪州がクジラの聖域として重視しているところで捕る」といったものだ。

 調査捕鯨は、豪州の怒りを買う不利益を上回る利益はあるのだろうか? 

 まず、利益はない。

 調査の意味もほとんどない。クジラが増えているということは、別に殺さなくとも分かる話だ。また、捕鯨で調べたところで捕鯨が再開できる見込みもない。

 さらに、入手した鯨肉の価値も大したものでもない。333頭を捕獲したが、我先に欲しがっている様子もない。当節、牛豚羊の肉は有り余っている。一部の珍味的部位を除き、まずい鯨肉を食う必要もない。どうしても欲しければ金を払ってノルウェー人に捕鯨させればよい。そうすれば日本人はいまほどは恨まれない。

 対して、豪州の悪感情を買う不利益は大きい。豪州は日本にとっては重要な友好国である。安価で高品質な鉄鉱石や石炭が入手でき、今後は天然ガスの輸入も増える。安全保障でもインドとは違いアテにできる相手である。さらに潜水艦を買ってくれそうな雰囲気もある。

 極端な話、何の利益も生まず赤字垂れ流しの調査捕鯨よりも、潜水艦の輸出だけでも利益は大きい。

 その点からすれば南氷洋での調査捕鯨はさっさとやめる。やりたければ日本の沿岸でやればいいということになる。

 だが、捕鯨はナショナリズムと結びついている。調査捕鯨セクターとそれを利用する政治勢力にとっての利益となっている。

 まずは、捕鯨セクターの利益のために、国家の利益が毀損されているということだ。


*   Japanese whaling: why the hunts go on, BBC NEWS, (London,BBC,2016.3.25)
    http://www.bbc.com/news/world-asia-35003272

**   Japanese whaling program details prompts calls for Australian Government to take stronger action, ABC NEWS, (Sydney,ABC,2016.3.25)
     http://www.abc.net.au/news/2016-03-25/calls-for-australia-to-take-action-against-japanese-whalers/7276788
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160325-00000103-jij-asia

↑随分勇ましく吠えているのが米欄に見受けられますけどこういう人々は常日頃から鯨の肉食べているんでしょうか?

こういうのは農水省の役人がここで捕鯨しろって指示してるんですかね?

No title

日本捕鯨協会の連中も文谷さん宛にこんなものを送り付ける当たり、筋が悪いことを自覚しているんでしょうね
http://www.whaling.jp/pdf/20151225_opinion.pdf

No title

>豪州が「南極海は自分たちの海である」といって南極海での調査捕鯨に反対
>しているという見解があるのは承知しておりますが、豪州が一方的に南極大陸
>の領有権や経済的排他水域を主張しているだけで、国際的には認められており
>ません。

内向きに過ぎる議論じゃないでしょうかねこれ。領有権問題がどうあれ豪州国民の国民感情を損ねてるんだよ、そういう現実見ればやめてもいいんじゃねって話なのに、「いや南極海の利用権に関して国際的に認められたものは無い」と言ったところでそもそも解決にはならないですよね。

さらに、国際的という言葉で世界各国の大局的な動向をして日本の行為を説明するなら、ICJにおける調査捕鯨に関する判決に関する言及が抜け落ちているのは理解に苦しみます。

最後に前述の内容と関連させて言うなら、「家族の元を離れて長期間調査に従事している調査員並びに乗組員の努力を著しく侮辱した表現であり、看過することはできません」って辺りもまさしく国民感情ですよね、と。他国の国民感情を建前論で否定できるならば、それは我々にも返ってくるのではと思われてなりません。

No title

それについては政府関係者の間で結論がでてる
反捕鯨団体が捕鯨だけで満足するなら捕鯨の全敗も可能
だが反捕鯨団体は次はマグロ、其の次はウナギと際限なく日本を叩く可能性が高い
反論と報復って基本ができない以上、当面はこのままだって
フランスのように環境テロの船を襲撃すれば話は早いんだけどねえww

No title

いや、そりゃマグロとウナギは叩かれるだろ。際限なくとか関係なく、このペースで私たち日本人が食べ続ければ絶滅一直線なんだから。
資源量の減少ペースが早すぎる。
ただでさえ日本人は戦前も戦後も日本近海の漁業資源を半壊させた前科があるのに・・・。