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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.04
26
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Category : 未分類
 『緑はよみがえる』は結構な映画なのでしょう。昨日19時の回に観てきました。当日飲まず食わず、図書館に6時間超を詰めたあとでもなお緊張が持続しました。この点だけでも岩波ホールの映画としては結構いい感じの映画でしょう。



 『西部戦線異状なし』の南欧版で、墺・独との戦争です。第一次世界大戦、イタリア戦線、山岳地帯でのイタリアからみた塹壕戦です。17年でスペイン風邪があり、戦争後半、どちらかというと末期に近い状況です。

 戦争は膠着しており、戦闘にもあまり意味はない時分です。映画の細部はバラすものではありませんが、意義の見いだせない命令、抗命があり、そしてクライマックスもオチもついたものとなっております。クライマックスとカタルシス(ああっという感じですが)がある点で、普通の映画としても面白いものです。

 マイニングの恐怖がよろしいものでした。地下で穴を掘る音がする、オレは鉱夫だからわかるといった兵隊の意見から、初任の士官がことある度に地下の音を聞こうとするあたりです。もちろんふっ飛ばされたら終わりだから、そうなのでしょう。このあたり、ロシア側から見た『二百三高地』といえるかもしれません。アレも旅順艦隊を沈めたあと、オマケ部分で佐藤允が坑道を掘って爆薬を填埋してロシア側のトーチカを吹き飛ばしています。

 でも、順番がよろしくない。オルミ監督が父の経験談を元にしたとしていますが、おそらくは手記のとおり、事実関係に従って構成したので、カタルシスが先に来ている。それまでは狙撃や砲撃、マイニングの恐怖に晒されながら「いまさら師団司令部は何を言っていやがる」は最後の最後に持ってくるべきでしょう。もちろん、純商業的な映画ではないのでそうしなかったのでしょうけど。

 ただ、最初に主人公にあたる監督の親爺が朗々を歌を歌い、敵陣営から喝采ともっとやれをもらうあたりは、戦争末期塹壕戦の実相ではないですかね。

 末期戦とか言っているマヌケはいますが、戦争末期なんて実際にはどっちもやる気はない。敵味方あわせ、とにかく人死がでないようにする。上からの命令や、現場同士が暗黙のルールで確立した防衛線を超えない限りはなにもしない。そんなものでしょう。



 でも、ま「なんだかな」といった戦争だねえ。

 舞台はアジアーゴ周辺の山岳地帯だけど、そこは北イタリアの低地地帯から20km、ベネチアから70kmでしかない。そこまで攻め込まれるイタリアもイタリア。

 そして攻め込んでも低地まで押し込めない以上は墺・独もなんの利益もない。山岳地帯といった交通不便な一種の無人地帯を、相手の戦力と拮抗するまで進んだだけ。自分で兵站の負担を多くしただけで意味はないものでしょう。トリエステ湾方面での作戦が上手く行かないから迂回したんだろうけど、なまじアジアーゴまでいってしまえた。もう少しで行けそうなのと、引くとそこで拘束されていたイタリア軍がトリエステ方面に来るといった頭なんでしょうかねえ。


予告映像だと『シアター・プノンペン』もね。娘が映画館で古い映画を見ていると、おっ母さんが出ている恋愛映画を見つける。その映画に惚れた映写技師のいうことには、映画はポルポト支配で焼かれて後半部がない。それなら後半部を今作って上映しようといった話。それだけでワクワクするでしょ?

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そういえば昨年の夏に公開された塚本晋也監督の「野火」がソフト化されるそうですけど、文谷さんは見ましたか?