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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2016.05
11
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Category : 未分類
 ニュージーランドが沈没掃海艇の追悼行事をしている。現地地方紙5月11日付の"Memorial for sunk navy ship" * によると、ニュージランドの北島、オークランド地先のハウラキ湾北端で触雷沈没したもの。

 これはドイツ仮装巡洋艦の戦果でもある。2回の世界大戦でドイツはインド、オーストラリア、ニュージーランドに対してゲール・ド・クルースを挑んだ。これは通商破壊というよりは、巡洋艦戦略ともいうべきもの。

 戦果としては機雷に拠るものが大きい。もちろん、捕獲拿捕や撃沈の効果も挙げている。だが、ニュージランドとオーストラリアの戦争継続に打撃を与えたのは機雷であった。

 この対ニュージーランド機雷戦は仮装巡オリオンによる。触発機雷をハウラキ湾に(出撃時228ヶ)敷設したものだ。3日後に、1.3万トンの商船を沈めたが、そこには200万ポンド相当の金塊とニュージーランドの戦時小火器弾薬半年分が搭載されていた。それによりニュージーランドの戦争経済は打撃を受けている。他にも8000トンの商船と、今回追悼された掃海艇2隻を沈めており、仮装巡洋艦や機雷の捜索に現地海軍力を吸い取り、商船の夜間航海制限といった効果も生んでいる。

 そして、オリオンは無事にドイツに戻っている。商船のなりをして襲撃時以外、敵航空哨戒圏のそとを行動すればなかなかやられないということだ。

 その点からすれば、日本も愛国丸や報国丸をもっと大胆につかうべきであったようにみえる。米豪連絡線の真ん中あたりといった中途半端なところでダラダラと通商破壊するよりも、米本土あるいはオーストラリアに肉薄させて使ったほうがよかっただろう。例えば、開戦諸頭でのパナマシティ前面への機雷敷設といったものだ。たぶん、パナマ近隣以外ではそれなりに危険はないだろう。

 もちろん、臨検されて失敗する可能性も高い。ウチの祖父祖母は日本への引き揚げのため42年1月にパナマ運河を通過したが、その時には米海軍の臨検を受けている。太平洋側もそれなりに警戒されているだろう。

 だが、失敗しても日本巡洋艦戦略への対応を強制できる。日本仮装巡洋艦が東海岸に行動し、機雷敷設を目論んでいることがわかれば米国は沿岸航路の護衛や、重要港湾前面では、ありもしない機雷の捜索のため毎日掃海を繰り返す状態となる。その状況に追い込むことが巡洋艦戦略の目的でもある。

 だが、日本は仮装巡洋艦については保全を重視してしまった。沈められても構わないので、もっと大胆な行動に投入すべきだっただろう。




*   Dinsdale,Mike "Memorial for sunk navy ship""The Northern Advocate"2016.5.11
    (Whangarei,NZME Publishing,2016)
    http://www.nzherald.co.nz/northern-advocate/news/article.cfm?c_id=1503450&objectid=11637205
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