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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2016.05
28
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Category : 未分類
 阿比留瑠比さんはかのサミットが効果があったかのような記事を書いている。産経新聞「安倍外交の成果 対中包囲網で結束、東シナ海・南シナ海の懸念を首脳宣言に明記」がそれだ。だが、提灯持ちでしかないことは、果たして「対中包囲網」ができただろうか? を考えれば明らかだろう。

■ 中国包囲網は幻想
 阿比留さんは次のように述べている。
安倍晋三首相は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議長として先進7カ国(G7)の討議を主導し、中国の一方的な海洋進出を念頭に「東シナ海・南シナ海の状況を懸念」と明記した「伊勢志摩首脳宣言」をまとめた。[中略]「南シナ海情勢や北朝鮮をめぐり、アジアの安全保障環境が厳しくなっていることは、出席した欧州の首脳にも十分に伝わった」
http://www.sankei.com/politics/news/160527/plt1605270088-n1.html

 だが、伊勢志摩首脳宣言に「中国」という国名は出せていない。この点で中国方位網などできていない。この点、項目立てされたシリア問題やロシア・ウクライナ問題、北朝鮮とは異なる。日本のアレな宰相が成果、成果といい、阿比留さんも日本の外交的勝利と言いながらも、対中包囲網という観点でみても失敗でしかない。

 そもそも、日本だけが中国に強硬なことをいっても受け入れられるわけはない。英仏独伊加の5カ国からすれば、中国は脅威ではなく重要な経済相手である。米国からしても安全保障で多少対立しているものの、かつてのソ連のように宿命的な敵ではない。そこに安倍-阿比留の宗教的情熱から中国を敵視する意見を述べてもどうなるものでもない。

 成果として挙げる『東シナ海・南シナ海の状況を懸念』も日本がそう言っているから、その顔を潰さないように、同時に中国とも敵対しないように無難に済ませたものに過ぎない。

 そもそも「伊勢志摩首脳宣言」とやらの実効性も、ない。この点も阿比留さんは無視している。G7で南シナ海問題を取り上げたからといって、中国と周辺国はその対立を緩めないし、日米以外はそこに関与できる力もない。


■ 広島訪問は安倍外交の成果ではない
 さらに、阿比留さんは「オバマ大統領の広島訪問は安倍外交の成果」といった、無理な提灯持ちもしている
外務省幹部も「やはり安倍政権が長く続いていることが外交に与える影響は大きい」と指摘し、こう語る。「そうじゃないと、オバマ氏が広島を訪問するわけがない。安倍政権が安定していて強いから訪問が実現した」
http://www.sankei.com/politics/news/160527/plt1605270088-n2.html

 25年2月の安倍首相の初訪米時、オバマ氏は明らかに首相に距離を置いていた。それが25日夜の日米首脳会談では、元米兵による女性の死体遺棄事件への対応について、厳しく迫る首相に対しても「オバマ氏は相当、協力的だった」(政府高官)とされ、両氏の関係は一変している。
http://www.sankei.com/politics/news/160527/plt1605270088-n3.html

 従来日本は米大統領の広島訪問を要求していない。対米外交は常に追従であり、米国の特に安全保障サイドが依拠する共和党・保守派を刺激する行為は徹頭徹尾避けている。安倍政権そのものも核廃絶や平和運動家を一方的に否定するスタンスにある。まずはオバマ大統領の決心を利用し、自分たちのサイドの成果であると誇るものでしかない。このあたりは、大統領のベトナム訪問をみてもわかるだろう。共産党政権の政策が優れているからベトナムを訪問したのだろうか?

 対日態度が軟化した理由も、原因と結果を入れ替えている。これも意図的なものだろう。残忍な殺人が疑われる死体遺棄事件があったから、米側代表としてオバマ大統領の安倍首相への態度は軟化せざるを得なかった。アレ宰相が信頼を勝ち取ったから軟化し、事件に協力的な態度を勝ち得たものではない。そもそも「死体遺棄事件への対応について、厳しく迫る」(阿比留)というのも願望でしかない。ただ言及しただけの話である。

■ 信者向けの宣伝
 まずは、ネトウヨ信者向けの宣伝にすぎない。まともな人間はこれらを成果とも考えないし、そもそもサミットは村の寄り合いだと気づいているため、そこに成果はありえないことを承知している。そこで無理な提灯持ちをしたところで、信じるのは信心をもつ信者だけでしかない。

 そのような記事を掲載し、書いた記者をエース扱いするあたりが冷戦終結以降の産経の立場を示している。

 相手となる読者もまともな階層を期待できず、世界認知の曲がった連中相手の商売しかできない。この点は産経WESTのおおさか維新の会推しや、夕刊紙相当の夕刊フジで幸福実現党にPRではなくそのまま記事を書かせているあたりからも伺えるものだ。

 ある意味、産経は『ムー』以下なのだろう。『ムー』編集は記事の中身を信じているわけではない。商売とエンターテインメントであると割り切っている。対して産経は信じている奴が編集や記者をやっている。その差は大きい。
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