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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2016.06
24
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Category : 未分類
 東洋経済オンラインに発表した記事に対し、いしゐのぞむさんが反論(リンク)されている。その中で石井さんが「文句があるなら文谷氏は私に反證して欲しい。」(石井)とある。せっかくなので、その中で気になるところだけでも反論すると次のとおりだ。


■ 石井さんは無害通航と接続水域の概念を理解していない

 石井さんは無害通航や接続水域の概念を理解していない。
チャイナ軍艦は、日本の接續水域で無害通航權を行使したのではない。自國の毘連區(ひれんく、接續水域)に這入る權利を行使したと言ってゐる。すなはち日本の接續水域を認めないことを通航で示したのである。無害通航ではないから日本は抗議した。
文谷數重氏「尖閣接續水域侵犯は合法。日本艦も南沙の接續水域に進入せよ」 正しい振りをして誤り


 まず、無害通航と接続水域の理解を誤っている。

 無害通航は領海内での行動に関する概念だが、接続水域は領海の外にある。中国軍艦が接続水域を通過したことに関して、そもそも筆者は「日本の接續水域で無害通航權を行使した」(石井)とは一言もいっていない。「接続水域を通過」したと書いている。そう書かないと、国際法理解で恥を掻くためた。

 また、中国軍艦が尖閣の接続水域に入ったことを指して「日本の接續水域を認めない」(石井)と言うのも、ピントがズレている。もともと接続水域は公海同然であり出入りも行動自由である。沿岸国は関税や出入国、環境汚染以外の権利は及ぼせない。どの国の軍艦が入ろうと入るまいと、軍事行動をしようがしまいが国際法的には何の問題もない。


■ 「南沙海域を無害通航」も精緻を欠く

 また、石井さんは南沙問題と領海・無害通航の関係も理解できていない。
 日本軍艦は仕返しとしてでなく、平常から南沙海域を無害通航すべきであった。その遲れをこそ批判すべきであって、仕返しといふのは全く誤りだ。但し南沙を航行せよといふ點だけに限定すれば文谷氏の主張は正しい。南沙が誰の領土なるかを問はず、無害通航は可能である。
同 上


 そもそも、南沙で無害通航と言い出すこと自体が慎重さを欠くものだ。太平島や常時干出が明瞭な岩礁をのぞき、問題となっているのは暗礁とそれを造成した人工島である。これらはそもそも領海を生じない。当然だが、領海が生じなければ無害通航の必要はない。

 逆に、これは石井さんが嫌う中国政府の主張「人工島の周囲は領海が発生する」に添った書きぶりでもある。日米は南沙問題とそこでの各国の主張について、現段階では領海は発生しないといった建前になっている。可能性として台湾の太平島には領海どころかEEZが生まれる可能性があるが、その点については何の判断もしていない。


■ 南沙問題への理解も乱暴

 最後が南沙問題等の理解の誤りだ。

南沙はチャイナが越南から武力で強奪したのであり、チャイナの正當な領土ではない。それを尖閣と同列に扱って相互に仕返しといふのは、尖閣に領土問題があるといふ印象を世界に與へる。尖閣に於いてチャイナがゼロであることは、國際法は勿論のこと、歴史について私が證明した通りだ。
同 上


 「南沙はチャイナが越南から武力で強奪した」とする理解も乱暴である。もともと南沙はどこの国もものとも言い難いためだ。かつては米海図に危険な暗礁地帯と書かれるだけの何も価値もない岩礁群であった。それが戦後、後に海洋新秩序となる海の囲い込みがあり、それぞれが自国のものと言い出したものに過ぎない。

 さらに言えば、戦前日本の主張からすれば南沙はむしろ中国主張に理があるともいえる。日本は圧倒的な海軍力で新南群島を支配し、台湾に属するとした。それであれば、戦後には南沙は中国に属することになる。南沙が台湾に属し、台湾は中国に属するためだ。つまり、かつての日本の主張を下敷きとすれば、南沙は今の台北政権あるいは新中国に属することになる。

 もちろん、敗戦後、日本は南沙はどこの国のものであるかは承知しない立場にあるのだが。


■ もともと反りは合わない

 そもそも石井さんとは御宗旨が違いすぎる。反りがあわないのも当然なことだ。
基本的には 日本が尖閣に公務員を常駐させないことが、火種を作ってゐる。無人島の周邊をどちらの公船・軍艦が自由に航行できるかといふ爭ひめいた形を作り出してゐる。島中に常駐してゐれば、通航の爭ひは意義を成さなくなる。國際法に「無人島」といふ語が出現する以上、無人島と居人島とは法的に同一ではない。
同 上


 もし、「日本が尖閣に公務員を常駐」(石井)したらどうなるか? それは漁民逮捕や尖閣国有化の誤りをみれば理解できるはずだ。

 互いのナショナリズムが刺激され、無意味な日中対立に落ち込む。13年のような日貨排斥が起きるだろうし、日本国内でも中国人に対する暴力行為が発生するだろう。もちろん、日中経済交流は止まる。

 それでいて、何の利益も生まれない。尖閣そのものには現実的な価値はない。地積は狭隘であり利用価値はなく、海底資源も商業的に採掘できる見込みはない。漁業についてもさほどの魅力がない上、EEZについても東シナ海は既にほぼ分割されており、尖閣分はたいしたものではない。そもそも、尖閣で日中台が入会状態にあったことからすれば、台湾を含む中国漁民のアクセスを認めなければならない。

 尖閣の支配は百害あって一利もない。その点、公務員どころか一般国民の上陸接近を認めない今の方針は正しい。むしろ今後は漁業資源保護あたりを名目に、相互に12あるいは24マイル以内への自国民の接近禁止し、厄介な民間活動家の行動を封殺すべきだろう。
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Comment

非公開コメント

東洋経済の方はあんま見てなかったんだけど、「日本軍艦は仕返しとしてでなく、平常から南沙海域を無害通航すべきであった。」なんておっかないこと書いていたのね。

Re: タイトルなし

南沙で無害通航はできないよ。領海を認めなければ無害通航はありえないから

> 東洋経済の方はあんま見てなかったんだけど、「日本軍艦は仕返しとしてでなく、平常から南沙海域を無害通航すべきであった。」なんておっかないこと書いていたのね。

咬み合はぬ議論

今晩は。
http://senkaku.blog.jp/2016062262084142.html
 私がこちらリンクで書いた原文は、以下の通り。
 「尖閣に於いてチャイナがゼロであることは、國際法は勿論のこと、歴史について私が證明した通りだ。文句があるなら文谷氏は私に反證して欲しい。」
 要するに尖閣の歴史について反證して欲しいといふことです。何故なら文谷氏の議論はチャイナが尖閣でゼロではないといふ前提に見える(世間にさう見せてゐる)からです。歴史とは歴代の歴ですから、長い年月の古典史料の虚構こそ問題です。
 領海と接續水域との差は、勿論私が誤りでせう。無害通航と呼ばず、國際法にもとづく呼び方に交換して頂ければ幸ひです。
 戰前の南沙は臺灣に屬する「とした」(元々屬すると主張した)のでなく、屬「せしめた」(新たに占領した)のですから、日本が放棄する領土の内として無主地に戻っても、中華人民共和國に屬する土地ではないでせう。精確には國際法の人にお任せします。日本が占領する以前に臺灣に屬したことは一度も有りません。
 そもそもチャイナの南沙主張は二千年といふ虚構にもとづいてゐるので、二千年間の歴史的虚構を否定するのが正道です。多數の史料ですが、簡單に否定できます。
 人工島については無害通航でないとの點も、私は細かく考へてゐません。南沙については日頃から無害通航し、人工島についてはそれと別扱ひとなるわけですか。人工島は多分國際法に存在しない概念でありませう。とすれば法的には公海上の障碍物なのでせう。とすれば國際社會は障碍物を取り除くべきだといふことになります。細かな解釋は國際法にお任せしますが、要するにチャイナの横暴を阻止すべきです。
 文谷氏は私が希望するやうに歴史について反證するつもりは無いやうです。しかし要するに尖閣でチャイナはゼロです。南沙でも歴史的にはチャイナはゼロです。ゼロを前提として國際法や軍事の議論を全て組み立て直して頂きたい。それが私の希望です。
 文谷氏の文末に曰く、「尖閣の支配は百害あって一利もない」と。領土を支配しないのですから、話がかみ合はぬのも道理でせう。細かなことを述べずに尖閣放棄論を大々的に書いて頂きたい。その方が世間にとっても理解し易いでせう。

さっそくこの石井さん、ブログで反応してますね。
読んでみましたけど、途中でギブアップしました。
芸風なんでしょうが、この読みにくい文体は何とかならないのか…。

No title

そもそも書き方がおかしいんですよね。
>「日本の接續水域で無害通航權を行使した」
これって、「無害通航權」は認めてるのと一緒ですから。
そこを認めるなら、権利を正当に行使して何がまずいんですか?という話になってしまうわけで、イチャモンのつけようがなくなってしまいますよ(笑)

Re: タイトルなし

普通はねえ、主張をシャープにするために読みやすい文章を心がけるのだけど
それがなくて旧仮名遣いあたりは、誰に読んで欲しいわけでもないのでしょう

まあ反論見たけど、先に飛行場設営のために埋め立てしたのは台湾・フィリピン・ベトナムであり
2012年(だったか)にベトナムが再度埋め立てしたのが中国を刺激したのをご存じないみたいね

結局、中国憎しの時流に載ってるだけじゃないかな、ナショナリズムに乗るのって楽だから

> さっそくこの石井さん、ブログで反応してますね。
> 読んでみましたけど、途中でギブアップしました。
> 芸風なんでしょうが、この読みにくい文体は何とかならないのか…。

小川榮太郎氏にしてもそうですが、戦前生まれでないのに旧仮名遣いで書く人って何か劣等感がある様に思えるのですが。しかも頭領の安倍首相に到っては漢字すら危ういという…

No title

軍事評論家も中共関連の場合、漢籍の1次史料を勉強しないと、中共言うことを鵜呑みしちゃうのかな。
大変なことではあるが。

清国が台湾を占領したのは西側約半分らしいですよ。


利用価値がないとは?

八重山の漁民からすると、魚を獲りたいが取れない状況になっている
それを、利用価値がないとは、傲慢な言い方ではないか

>>石井さんの記事

なんじゃこりゃ?
わたしも一応字引き無しで新聞を読み通すくらいの日本語読解力はありますが、途中でギブアップ。
普通の人が読めない文章を書くのがアタマが良いと勘違いしているんじゃないですか。
他人に読ませて自分の意見を理解してもらうのが目的ではなく、
単に「難しい文章を書く俺カッケー」と自己陶酔してるだけなんじゃないの。

Re: No title

「中共」って言葉使ってるあたりでスタンスがね

あと、普通は档案って言わない?
>漢籍の1次史料


> 軍事評論家も中共関連の場合、漢籍の1次史料を勉強しないと、中共言うことを鵜呑みしちゃうのかな。
> 大変なことではあるが。
>
> 清国が台湾を占領したのは西側約半分らしいですよ。

Re: 利用価値がないとは?

漁労の実績なんてほぼないじゃない
アレな市議がやってるのは政治的な漁労であって、経済性を追求しての生業とはいえないでしょ

> 八重山の漁民からすると、魚を獲りたいが取れない状況になっている
> それを、利用価値がないとは、傲慢な言い方ではないか

Re: Re: 利用価値がないとは?

そもそも安定した漁労をしたければ、尖閣の棚上げと日中台の相互入会を認めないと無理でしょ
日本政府が公務員を上陸させて実効支配進めた日にゃ
中国の対抗措置で日中漁業協定外の尖閣EEZの漁労はできなくなるよ

片方が実効支配を進めれば、もう片方はその実績を無効化し利用を拒否する構造にあるの、あそこは

> 漁労の実績なんてほぼないじゃない
> アレな市議がやってるのは政治的な漁労であって、経済性を追求しての生業とはいえないでしょ
>
> > 八重山の漁民からすると、魚を獲りたいが取れない状況になっている
> > それを、利用価値がないとは、傲慢な言い方ではないか

No title

漁場としての尖閣ですが、石垣から直行しても片道6時間かかるんで、漁獲量にとても見合うもんじゃないという話を読んだことがありますね。
よしんば見合ったところで、負うリスクを考えたらとても片意地に魚取りにだけ行ける場所じゃないとは思いますが。

Re: No title

アレ系の石垣市議さんのブログ見ても、往返や燃料代、人件費に見合ったものではないですね
政治的理由で東京に持ち込んで試食させても、質もさほど、といった話もありましたし

> 漁場としての尖閣ですが、石垣から直行しても片道6時間かかるんで、漁獲量にとても見合うもんじゃないという話を読んだことがありますね。
> よしんば見合ったところで、負うリスクを考えたらとても片意地に魚取りにだけ行ける場所じゃないとは思いますが。

No title

向こうは噛み合わないと言ってますが、重視するのが国際法と歴史認識では噛み合う訳がない。

立法や条約というものは「今まではこうだったが、これからはこうする」という過去との断絶を前提にしていて、その観点からすれば最新の基準ほど正しいわけです。その意味で、歴史主義とは訣別しています。
もう一つは、法は現状から考えて可能な妥協案を示すという思考プロセスですから、理想は程々にしか論じない。ですので、幾ら理論的、学問的に正しくても、現実的妥当性がなければ排斥される。

歴史で、法を論ずることはどのような問題があるかの良い参考例です。
大学の期末試験やレポートの題材として最適。

Re: No title

歴史も、先に発見していた、地図でたまたまこう書いてあった程度ですからね

発見=領土ならそれなら硫黄島はスペイン人のものですし
地図も国民国家以前の国境概念の薄い時代や、新中国の制度整わず、外国海図の引き写しとそこで自国の立場の突き合わせが
できなかった時期の話をしてもですねえと思いますです

> 向こうは噛み合わないと言ってますが、重視するのが国際法と歴史認識では噛み合う訳がない。
>
> 立法や条約というものは「今まではこうだったが、これからはこうする」という過去との断絶を前提にしていて、その観点からすれば最新の基準ほど正しいわけです。その意味で、歴史主義とは訣別しています。
> もう一つは、法は現状から考えて可能な妥協案を示すという思考プロセスですから、理想は程々にしか論じない。ですので、幾ら理論的、学問的に正しくても、現実的妥当性がなければ排斥される。
>
> 歴史で、法を論ずることはどのような問題があるかの良い参考例です。
> 大学の期末試験やレポートの題材として最適。

No title

旧仮名を使う主義というのも自由だと思いますが
「文谷『數』重」とか他人の名前を変えてしまうのは
礼に適っているものなのでしょうか?

悪文や難文・奇文の類いですね

Re: No title

まあ、いしゐだと分かりにくいから石井にしてるけどね

> 旧仮名を使う主義というのも自由だと思いますが
> 「文谷『數』重」とか他人の名前を変えてしまうのは
> 礼に適っているものなのでしょうか?

No title

>以上は、私の尖閣研究とは全く關係ない。ただの常識的理解に過ぎない。文谷氏はこんな簡單なことも分からないのか。

今回は国際法の「常識的理解」が完全に間違っていて空振りだったのですが、他の記事でも同じ調子で田岡さんを非難してますから、そういう方なんでしょう。初対面でこの口調はありえないと思いますが。
一連の流れを見る限りでは、仮名を漢字に変えたのは問題にしなくても良いと思いますよ。

>他人の名前を変えてしまうのは
>礼に適っているものなのでしょうか?

No title

公務員を置いたところで最悪のケースを考えれば、その置いた公務員が中国側の公権力に排除される可能性っていうのはありえますかね、というのが気になりました