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Category : 未分類
金払わないと読めない電子ジャーナルで発電単価の記事を発見。LCOE、Levelised cost of Energyで、建設費や維持費も取り込んだ価格なのだが、まず原子力に全く勝ち目がない。
"Cost of renewables will fall future"(OADBS,2016.8.1)がそれ。(意味が無いのでリンクしない)
それをみると諸発電単価は安価で、原子力では到底勝てない。
最も安い例を2つ上げると風力とCCGTとなる。陸上風力発電が2015年推計で37-77ドル/MWh、同じくガスタービンと排熱蒸気タービンの組み合わせのCCGTが52-78/MWh。これらはこの5年で4-5割程度に単価が下がっている。
対して原子力が97-136ドル/MWhである。そしてこれは他の発電形式とは異なり、ここ5年で1-2割上がっている。2010年推計では77-114ドル/MWhであった。
そして原子力は太陽光に追い上げられている。先進例については2015年にも50-60ドル/MWhに達しているとしてる。これは住宅用で先行した多結晶化と薄膜化が適用された事例だけを対象とした推計だが、一般化が進めば原子力では相手とならない。
ちなみに屋上配置型でも109-300ドル/MWhである。発電事業とはならず直接消費される場合でも、原子力の山元価格に相当肉薄している。
これを考えれば、まず原発は不経済だということだ。特に新規建設は経済的合理性に合致しない。既に存在する原発の再稼働はともかくとしてもそうなる。
■ 当座はCCGTと石炭でまかなえる
日本の場合でも、当座や夜間ブーストはCCGTと石炭でまかない、太陽光と可能なら風力(海洋風力はだいたい152ドル/MWhとされている)の普及を待つのが正解だということだ。ちなみに記事中で石炭は65-150ドル/MWhとされているが、日本の場合は海上輸送できるので100ドル切るあたりだろう。
燃料供給には問題はなく、安値安定が見込まれている。その点からしても、エネルギー安保に絡めた原子力の必要性をかすませるものだ。
CCGTの燃料は主として天然ガスだが、その調達は問題ない。天然ガス供給は今後は供給が大幅に増える。
まず米豪産の天然ガスが新規に国際市場に入ってくる。その見通しについて5月のフォーリンアフィアNikos Tsafos”A U.S. Gas War With Russia?”https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2016-05-15/us-gas-war-russiaでは、今後五年、米国と豪州から800億立米づつ(つまり、1600億立米)のLNGが新しく市場に供給されるとしている、この800億立米はロシアがパイプラインで欧州に渡す天然ガスの量の2/3にあたる量ともしている。
さらに他の国の供給量も増える。そのロシアのヤマル、サハリン2からの供給増や、中国向け中央アジアパイプラインの増強によるウズベキスタン天然ガス等もある。
石炭も原料炭、燃料炭とも値崩れしており、これが上がる見込みもない。石炭今後も二酸化炭素排出の問題からあまり選好されない。そこに天然ガスの供給増があるため、まず値段が上がる見込みはない。
"Cost of renewables will fall future"(OADBS,2016.8.1)がそれ。(意味が無いのでリンクしない)
それをみると諸発電単価は安価で、原子力では到底勝てない。
最も安い例を2つ上げると風力とCCGTとなる。陸上風力発電が2015年推計で37-77ドル/MWh、同じくガスタービンと排熱蒸気タービンの組み合わせのCCGTが52-78/MWh。これらはこの5年で4-5割程度に単価が下がっている。
対して原子力が97-136ドル/MWhである。そしてこれは他の発電形式とは異なり、ここ5年で1-2割上がっている。2010年推計では77-114ドル/MWhであった。
そして原子力は太陽光に追い上げられている。先進例については2015年にも50-60ドル/MWhに達しているとしてる。これは住宅用で先行した多結晶化と薄膜化が適用された事例だけを対象とした推計だが、一般化が進めば原子力では相手とならない。
ちなみに屋上配置型でも109-300ドル/MWhである。発電事業とはならず直接消費される場合でも、原子力の山元価格に相当肉薄している。
これを考えれば、まず原発は不経済だということだ。特に新規建設は経済的合理性に合致しない。既に存在する原発の再稼働はともかくとしてもそうなる。
■ 当座はCCGTと石炭でまかなえる
日本の場合でも、当座や夜間ブーストはCCGTと石炭でまかない、太陽光と可能なら風力(海洋風力はだいたい152ドル/MWhとされている)の普及を待つのが正解だということだ。ちなみに記事中で石炭は65-150ドル/MWhとされているが、日本の場合は海上輸送できるので100ドル切るあたりだろう。
燃料供給には問題はなく、安値安定が見込まれている。その点からしても、エネルギー安保に絡めた原子力の必要性をかすませるものだ。
CCGTの燃料は主として天然ガスだが、その調達は問題ない。天然ガス供給は今後は供給が大幅に増える。
まず米豪産の天然ガスが新規に国際市場に入ってくる。その見通しについて5月のフォーリンアフィアNikos Tsafos”A U.S. Gas War With Russia?”https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2016-05-15/us-gas-war-russiaでは、今後五年、米国と豪州から800億立米づつ(つまり、1600億立米)のLNGが新しく市場に供給されるとしている、この800億立米はロシアがパイプラインで欧州に渡す天然ガスの量の2/3にあたる量ともしている。
さらに他の国の供給量も増える。そのロシアのヤマル、サハリン2からの供給増や、中国向け中央アジアパイプラインの増強によるウズベキスタン天然ガス等もある。
石炭も原料炭、燃料炭とも値崩れしており、これが上がる見込みもない。石炭今後も二酸化炭素排出の問題からあまり選好されない。そこに天然ガスの供給増があるため、まず値段が上がる見込みはない。
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Comment
12:05
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>これらはこの5年で4-5割程度に単価が下がっている。
12:23
きらきら星
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「大事なのはコストでは無い、電力調達方法の多様化だ」とか言い出した人がいました。
「多様化?じゃあ太陽光発電もコスト無視で推進しましょう」と切り返されて黙り込んでいましたが。
No title
08:36
大島
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太陽光発電システムが設置された住宅の火災事例
http://solar-save.com/787/
「
・経年劣化、初期不良、取り付け不良による出火
・パネルと屋根の間に落ち葉や枝などが溜まっていた。鳥が巣を作っていた
・鳥などの小動物がケーブルをかじった
・配線端部の絶縁不良による出火
・配線がモジュール架台等の金属部に触れたことによる放電
」
トータルで考えると風力ぐらいしか選択肢はなさそう。あれも効率悪いが。
No title
21:25
小鳥遊
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>太陽光はメンテナンスにかなり金と手間がかかることが分かってきた。あと火災リスク。
No title
19:19
岩見浩造
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全て太陽光で賄うのとかアホなこと言ってる人もいるし
電源なんて色々あるんだから原発追い出したところで残りで適当にミックスするに決まってるでしょ
20:56
きらきら星
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中華人民共和国による尖閣侵攻、沖縄侵攻はありえるのかどうか 1
http://legion84.blog.fc2.com/blog-entry-167.html?sp
いやー、パート1から8までいっぱい書いてありますな。
いっぱい書いてあるけど
「海は歩いて渡れない」
「国家のリソースは有限である」
という基本中の基本がどこにも書いてねえや。
判ってないのか判りたくないのか。
あとこの人すげーロマンチストだと思います。よせばいいのに軍隊に夢とロマンを求めているんだ。
まーネットで眺めるぶんには楽しい御仁だけど、現実世界ではあんまし関わりたく無えなあ。
21:44
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まあ、自民党の議員あたりの受け売りなんでしょうが
Re: タイトルなし
23:21
文谷数重
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・ 沖縄攻略に足る戦力を中国は準備できない
・ 沖縄攻略で中国は内外課題改善に寄与しない
・ 沖縄攻略は高リスクであり選択肢として採択できない
あたり全部無視って感じですね
なんか「中国は宿命的な敵なんだ」と言ってるだけ、戦前にアメリカは~、戦後にソ連は~といってるのと同じ感じで
その時その時に安全保障で対立する国にあわせてそう言うだけのタイプなんでしょ
> エントリーとは関係ありませんが、面白いブログ記事を見つけました。もう文谷さんはご存知かもしれませんが。
>
> 中華人民共和国による尖閣侵攻、沖縄侵攻はありえるのかどうか 1
> http://legion84.blog.fc2.com/blog-entry-167.html?sp
>
> いやー、パート1から8までいっぱい書いてありますな。
> いっぱい書いてあるけど
> 「海は歩いて渡れない」
> 「国家のリソースは有限である」
> という基本中の基本がどこにも書いてねえや。
> 判ってないのか判りたくないのか。
> あとこの人すげーロマンチストだと思います。よせばいいのに軍隊に夢とロマンを求めているんだ。
> まーネットで眺めるぶんには楽しい御仁だけど、現実世界ではあんまし関わりたく無えなあ。
Re: タイトルなし
23:32
文谷数重
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不安に思う人には「作れる技術基盤はあるよ」で騙して終わりでいいんじゃないかなと
逆に今の原子力技術で作れたとしても、その材料があるのかなあとも
今のウランが外国頼みで「兵器転用しちゃダメよ」って念を押されている
あとは人形峠ですけど、よほど核で恫喝されないかぎりは掘れないし
核兵器作ったところでその恫喝に対抗できるともかぎらないしかなと
> 自称リアリストなミリオタの場合、将来の核保有の為原発は必要って言ってたりしますね
> まあ、自民党の議員あたりの受け売りなんでしょうが
10:43
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やってしまいましたな…
No title
13:05
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No title
00:00
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太陽電池の電気は質が悪い
原子力と水力と地熱が一番バランスいいんだけどね
毛沢東の安い鉄を求めて家庭で鉄を作り出した土法高炉(どほうこうろ)は中国の産業を破壊したが
日本の反原発運動、メガソーラーもまた日本の産業を破壊しようとしている
なんで毛沢東と考え同じってことに気がついてくれないのか?
まあ、はっきりしてるのは未来は暗そうってことかな
俺はほとんど諦めモード
No title
15:14
被本塁打大王
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新電力も負担 大手の救済色濃く 利用者の反発必至
毎日新聞2016年9月8日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160908/ddm/008/010/108000c
原発って一番安い電源じゃなかったの?(苦笑)
あと、CO2削減にもあまり役立たない模様(呆)
原子力“低コスト神話”覆すシンプルな計算法 東電のウラ側、原発の儲かるカラクリ【2】
PRESIDENT 2011年7月4日号 ジャーナリスト 藤野光太郎=文
http://president.jp/articles/-/1279?page=2(会員限定)
>>火力に対する原子力の優位性を論証するためのCO2排出に関する比較も、事実に基づいているとは言い難い。東電傘下の企業に勤務するエネルギー濃縮の専門家は、「原子力は投下エネルギーの8割強が濃縮工程に偏っている。石油火力のCO2排出量が原子力より多いといっても、それは多分15~16%程度」という。「8割強」という数字には、核廃棄物の処理と保管に要するエネルギー分は含まれていない。
19:34
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この手の物言い、原発事故の直後すら見かけたなあ