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- » 2023 . 03
Category : 未分類
町立図書館が会報の類を寄付されて喜ぶだろうか?
石川の穴水町図書館での個人資料処分が問題となっている。寄付元曰く日本民俗学会の会報、芥川龍之介全集の初版本の価値がわからないのかというものだ。
だが、いずれにせよ大したものでもない。会報は揃いで国会、大学、県図書館にある。芥川全集の初版といっても一巻の初版は1954年、少なくとも6000、おそらく1万は刷っている。さして貴重な本ではない。(追記、戦前版もあるが所詮は昭和初期。揃で1万円しない程度にダブついてるし、もともと全集の初版にはさしたる価値もない)
寄付された方も内心迷惑なのに、その本が処分されたといって怒られたのはたまらない。寄付元も図書館を貸倉庫かなにかと勘違いしたものだろう。
■ 市町村図書館は本を捨てる
市町村図書館は本を捨てる。円本以降の刊本に関して永久保存する気もない。
まず、今回の件で、それを知らずに永久保存すると思い込んだことが誤りだ。
しかも、利用される見込みのない本である。開架、貸出メイン、人気は文芸の町立図書館である。会報の揃いがあって読まれるか? 旧版全集が読まれるかといったところだ。読みたい奴は大学なり県立なり、あるいは国立国会の遠隔地サービスを利用する。
この点からすれば、要らないものを押し付けたようなものだ。寄付元は地方の名士かもしれないが、その資料には何の価値もないものでしかない。図書館からすれば断るに断れず、迷惑であったということだ
■ 古書店に売るべき
もし、本当に貴重だと思っているなら古書店に売るべきであった。
古書店は市場価値があるかぎりは処分しない。会報揃は欲しがる客がいないでもないので、捨てられることはなかっただろう。ただ初出誌揃ならともかく、旧芥川全集の揃いを初版でほしがる奴がいるかどうかは知らない。まず何の価値もないからだ。
あるいは、後進の研究者に渡す方法もある。それでいけば会報揃くらいは押し付け先は見つかるかもしれない。
だが、それをしなかった。愛着から自分で本を始末できない御仁が「資料を身近に置いておきたい」執着の故の寄付だったということだ。
言い換えれば、図書館を無料貸倉庫としてあつかったともいえるだろう。
だが、図書館は貸倉庫ではない。何の利用もなく、さして価値もない資料を渡されても整理対象となることは免れない。いずれは処分される程度の古本だったということだ。
■ 嫌なら死ぬまで抱えておけ
問題は図書館が寄付元がご存命中に処分したことだが、大元は処分されて仕方ない資料を押し付けたた挙句に文句をつける寄付元のやりかたにもある。「バアさんが大事にした本は売れない」なら死ぬまで抱え込んでいれば問題なかった。それなのに善行きどりで町立図書館に押し付けたことが一番悪かった。そういうことだ。
石川の穴水町図書館での個人資料処分が問題となっている。寄付元曰く日本民俗学会の会報、芥川龍之介全集の初版本の価値がわからないのかというものだ。
だが、いずれにせよ大したものでもない。会報は揃いで国会、大学、県図書館にある。芥川全集の初版といっても一巻の初版は1954年、少なくとも6000、おそらく1万は刷っている。さして貴重な本ではない。(追記、戦前版もあるが所詮は昭和初期。揃で1万円しない程度にダブついてるし、もともと全集の初版にはさしたる価値もない)
寄付された方も内心迷惑なのに、その本が処分されたといって怒られたのはたまらない。寄付元も図書館を貸倉庫かなにかと勘違いしたものだろう。
■ 市町村図書館は本を捨てる
市町村図書館は本を捨てる。円本以降の刊本に関して永久保存する気もない。
まず、今回の件で、それを知らずに永久保存すると思い込んだことが誤りだ。
しかも、利用される見込みのない本である。開架、貸出メイン、人気は文芸の町立図書館である。会報の揃いがあって読まれるか? 旧版全集が読まれるかといったところだ。読みたい奴は大学なり県立なり、あるいは国立国会の遠隔地サービスを利用する。
この点からすれば、要らないものを押し付けたようなものだ。寄付元は地方の名士かもしれないが、その資料には何の価値もないものでしかない。図書館からすれば断るに断れず、迷惑であったということだ
■ 古書店に売るべき
もし、本当に貴重だと思っているなら古書店に売るべきであった。
古書店は市場価値があるかぎりは処分しない。会報揃は欲しがる客がいないでもないので、捨てられることはなかっただろう。ただ初出誌揃ならともかく、旧芥川全集の揃いを初版でほしがる奴がいるかどうかは知らない。まず何の価値もないからだ。
あるいは、後進の研究者に渡す方法もある。それでいけば会報揃くらいは押し付け先は見つかるかもしれない。
だが、それをしなかった。愛着から自分で本を始末できない御仁が「資料を身近に置いておきたい」執着の故の寄付だったということだ。
言い換えれば、図書館を無料貸倉庫としてあつかったともいえるだろう。
だが、図書館は貸倉庫ではない。何の利用もなく、さして価値もない資料を渡されても整理対象となることは免れない。いずれは処分される程度の古本だったということだ。
■ 嫌なら死ぬまで抱えておけ
問題は図書館が寄付元がご存命中に処分したことだが、大元は処分されて仕方ない資料を押し付けたた挙句に文句をつける寄付元のやりかたにもある。「バアさんが大事にした本は売れない」なら死ぬまで抱え込んでいれば問題なかった。それなのに善行きどりで町立図書館に押し付けたことが一番悪かった。そういうことだ。
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Comment
まさにその通り
19:10
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No title
21:18
岩見浩造
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じゃあ意味無いですね。
仮に少部数でその地方では寄贈者しか持ってなかったとしても、わざわざ市立図書館を選ぶ辺りが迂闊。
寄贈者自身がそのぶんやをちゃんとやってれば、市立図書館より向いてる施設位挙げられる筈。
まぁどこにでもあるものならそれも成り立ちませんが。
No title
21:23
岩見浩造
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2700冊でも基本的には同じ条件ではないでしょうか。
まぁ、この方が例示している本以外に本当の珍本希少本も混じってたかもしれませんが。
Re: No title
21:34
文谷数重
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しかも国刊から復刻も出てる。
捨てていいわけじゃないけど、それほどでもといったあたりかなと
実際には、紙くずじゃなくてEX-LIBRARYで市場に回ってるかもしれないし
> あー、あれ国会クラスでも持ってないのかと思ってました。
>
> じゃあ意味無いですね。
>
> 仮に少部数でその地方では寄贈者しか持ってなかったとしても、わざわざ市立図書館を選ぶ辺りが迂闊。
> 寄贈者自身がそのぶんやをちゃんとやってれば、市立図書館より向いてる施設位挙げられる筈。
>
> まぁどこにでもあるものならそれも成り立ちませんが。
Re: Re: No title
21:36
文谷数重
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日本の広告技術はそれで揃ったし、『季刊民族学』も結構でていて、揃を作ろうとたまに買ってるし
21:39
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初版ならなんでも価値があるってのは素人の思い込みなんでしょうか。
でも、地方の名士さまは、大抵我が儘だから、責任転嫁し続けるんでしょうけど。
No title
00:03
おひさま
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図書館の実情からすると、事業評価で良い成績を収めるために、ベストセラーとか話題性ある本を重視する傾向にあって、貸出数第一主義みたいなところがある。利用者も、無料で使える貸本屋の感覚ですから、「いつも品切れで困ります」みたいな投書を知事に出す。
その結果、一部のベストセラー小説だとか、毎日のお弁当のレシピ本だとか、地球の歩き方だとか、とにかくそんなものばかり書架に並ぶようになる。
それでしわ寄せが来るのが学術資料。本来データ化して管理しなきゃいけない郷土資料とか、遺跡発掘の資料とかが段ボールに山積みになってても誰も手をつけない。
図書館は蔵書数がステータスのはずなんだけど、実情は正反対で「回せない在庫は減らそう」あちこちの公民館などに本を引き取ってもらうけど、減るどころか増える一方。
ところが、小さな自治体の図書館だと、逆に予算がなくてまともな本が手に入らない。仕方がないから、訳のわからん団体から送られたアヤシイ雑誌でお茶を濁して、不登校児童と行き場のない老人の溜まり場ということで命脈を保っている。
とにかく、いろんな意味で歪みを抱えているのが図書館。
まあ、実情を踏まえると「管理できないから無理」ってことなんでしょう。一部のベストセラーは別として、持ち込みは原則お断りというのが本音なんでしょうね。
01:01
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図書館の寄贈本は、そのまま処分することがほとんどなのが現実ですよ。
だから「次の休みにブックオフ」したほうがまだマシかも。
10:00
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まあマニア的にはあそこしか持ってなさそうなのを持ってるというのはステータスを感じる話だし(笑)
10:07
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No title
11:24
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>まあマニア的にはあそこしか持ってなさそうなのを持ってるというのはステータスを感じる話だし(笑)
それほどの価値もない資料だし、町立図書館にそれを期待してもね。
>ついでに文谷氏がこの件をたいしたことない事で騒ぐのはおかしい、と感じられてるのなら問題視して記事とした中日新聞の編集方針がおかしいと見るべきだろう
じいさんがわめけば、記事にせざるをえないでしょうな。
No title
13:21
おひさま
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産経が久々に良い記事書いてますね。
http://www.sankei.com/life/news/141029/lif1410290006-n1.html
13:29
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オマエが喚いたら記事にしてくれるの?
まあ価値観が違うんだろねえ、他人の価値観をあーだこーだ云うのも楽しいんだろうねえ
20:11
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No title
23:00
岩見浩造
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まぁ、気を付けなければならないのは今回のは良くある本はイラねーよという話であって、
例えば100万部のベストセラーのために市立図書館が同じ本を何冊も購入して数年経たずに廃棄する複本問題というのもある。
後、寄贈を考えてて変わってる本だと思ったらとりあえずCINIIやNDL-OPACにかけてみれば良いのですよ。
それで0件か遠隔地含め数件なら寄贈すればいい。
ちょっと前、ツイッターの軍オタで精神不安定になって旧海軍の文書を破り捨てたアホがいたが、
希少本なんて持ってて嬉しいのは最初だけ、家族の理解を得られる見込みが無ければ、
国会なり防研なりを国営倉庫に見立てるというのは一つの在り方。
産経がまともなこと言ってると、都合の悪い話が書かれてる希少資料を潰したいのかと勘繰りたくなりますw
No title
23:53
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この倍あってもまだ足りん
そもそも、駅前に図書館と本屋がなくて
パチンコ屋がある国の未来なんてろくな物じゃない
寄贈問題うんぬんよりまず図書館を増やすんだ
13:31
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Re: タイトルなし
13:50
文谷数重
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変な本を単品でも揃いで買っても”EX-LIBRARY”とか捺印してあって、全然関係ない抜き刷りが栞代わりにはさまっていたり
> 文谷さんの仰ることもよく分かるけれど、寄贈者の考えなんて大概そんなもんですからね。最近はどこの図書館でもやっているように、受贈の際に因果を含めて一筆取っておかなかったのがまずかったですね。相手が名士様だから言いにくかったのかな。
22:53
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>あの広大なアメリカの大学でも処分しますからねえ
No title
14:19
おひさま
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ちなみに、司書=ワーキングプア問題もありまして、司書で食っていきたいなら、日本は捨ててアメリカに行けという意見もあります。
https://twitter.com/may_roma/status/774193480595800064
https://twitter.com/may_roma/status/774200883013947392