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- » 2023 . 03
Category : 未分類
名古屋港が釜山港に劣るのは当たり前なことだ。韓国コンテナ輸送の中枢港と、一企業の日本の自動車積み出し港の、しかもコンテナ専用岸壁を比較することがオカシイ。
だが、産経はいまだに「日本は韓国に優越している」と思い込んでいる。「韓国・釜山港に水を大きくあけられ…進む船舶大型化、接岸できない輸出基地」がそれだ。
■ なんで釜山と較べるか
そもそも、釜山の性格を理解していない。韓国第一のコンテナ取扱港で、もともとは東アジアのハブ港を狙ったものだ。中京圏と自動車部品だけ扱うトヨタ港とは違う。
そもそも、名古屋港のコンテナ取扱実績は地方港そのものだ。日本の合計取扱量2200万TEUのうち東京地区(東京・横浜・川崎)で800万TEU、阪神地区(大阪・神戸)で500万TEU扱っている。対し、名古屋は300万TEU未満である。
韓国分を集約し2000万TEUを取り扱う釜山と比較して「[名古屋は]21隻分を確保する韓国・釜山港に水を大きくあけられている」と書くのは、まずは何もご存じないということだ。
ちなみに、東アジアのハブは上海・舟山-寧波、あるいは広州・深セン・香港の珠江諸港で、景気変動もあるがそれぞれ5000万TEUを扱っている。
■ 名古屋から欧州に直行しない
さらに、欧州航路向けが来ると思っているのも、やはりご存じない。
大陸間のコンテナ航路は経済性から寄港数を減らす。回転数を高めたいのでハブ港しか回らない。
もう日本も回らない。世界のコンテナ航路の基幹は、長江-珠江-シンガポール-低地諸港である。それ以外の港湾は地区のハブ港とコンテナを接受する。
■ 日本のコンテナ輸送は増えない
さらに、日本のコンテナ取扱は増えない方向にある。コンテナ輸送の相当部分は工業国間で重く嵩張る半完成品を送受する手段となっている。生活必需品や最終製品の輸送需要はそれほどでもないし、高度製品や高度部品は価格的にペイするので空輸する。
この状況であるのに、コンテナ輸送能力について勝手に危機感を抱くのは不思議なものだ。
だいたいコンテナの取扱高は輸送需要を反映したものに過ぎない。そして、取扱能力は逼迫していない。それが経済のボトルネックになっているわけでもないのに、問題視するのは妥当ではない。
■ 港湾行政の失敗に触れない
この状況で、港湾増強を言い出すのは相当にズレている。本来なら身の丈に合わない投資と批判すべきものだ。
だが、産経はそれが見えない。
そもそも、港湾行政ひいては輸送行政の失敗に触れていもいない。
日本はコンテナ取扱港を絞れなかった。本来なら外洋に近い新設港、せめては東京湾に集約すべきを微妙な神戸、大阪にも中途半端に投資した結果、ハブ港化に対応できなかった。
これは空港整備も同じである。ハブ空港も国家に一つあるかどうかなのに、各地に中途半端な空港多数を作った。
そして、今でも名古屋のようなどうてもいい港の整備を擁護している。
所詮はトヨタ港である。本当に必要なら、トヨタだけが使う自動車岸壁や自動車部品のコンテナ岸壁はトヨタがやればよい。ケチな名古屋気質企業だから「トヨタも一割出せ」と言えば「輸送力は充分」と黙るだろうよ。
だいたい、トヨタがいつまで名古屋から積み出すかわからない。円が高くなれば海外生産にシフトする。名古屋積み出しは減るし、海外生産の受け入れも、さして面積のいる港でもない。結果的に日産、ホンダあたりとアライアンスのような形で運ぶようになれば、名古屋に陸揚するかは微妙なものだ。
それを援護する産経記事の言いようも、産業界と役所のタイコを地で行くようなものだ。まずは静岡空港を擁護するようなものでしかない。この港湾の過剰整備礼賛も、まずは「シンもんじゅ作れ」と同じようなものだ。
だが、産経はいまだに「日本は韓国に優越している」と思い込んでいる。「韓国・釜山港に水を大きくあけられ…進む船舶大型化、接岸できない輸出基地」がそれだ。
欧米に向かう基幹航路では水深16メートルを必要とする大型コンテナ船が主流になってきているからだ。
だが名古屋港で、16メートル以上の水深を備えた岸壁は2隻分足らず。21隻分を確保する韓国・釜山港に水を大きくあけられている。
http://www.sankei.com/premium/news/160918/prm1609180032-n1.html
■ なんで釜山と較べるか
そもそも、釜山の性格を理解していない。韓国第一のコンテナ取扱港で、もともとは東アジアのハブ港を狙ったものだ。中京圏と自動車部品だけ扱うトヨタ港とは違う。
そもそも、名古屋港のコンテナ取扱実績は地方港そのものだ。日本の合計取扱量2200万TEUのうち東京地区(東京・横浜・川崎)で800万TEU、阪神地区(大阪・神戸)で500万TEU扱っている。対し、名古屋は300万TEU未満である。
韓国分を集約し2000万TEUを取り扱う釜山と比較して「[名古屋は]21隻分を確保する韓国・釜山港に水を大きくあけられている」と書くのは、まずは何もご存じないということだ。
ちなみに、東アジアのハブは上海・舟山-寧波、あるいは広州・深セン・香港の珠江諸港で、景気変動もあるがそれぞれ5000万TEUを扱っている。
■ 名古屋から欧州に直行しない
さらに、欧州航路向けが来ると思っているのも、やはりご存じない。
大陸間のコンテナ航路は経済性から寄港数を減らす。回転数を高めたいのでハブ港しか回らない。
もう日本も回らない。世界のコンテナ航路の基幹は、長江-珠江-シンガポール-低地諸港である。それ以外の港湾は地区のハブ港とコンテナを接受する。
■ 日本のコンテナ輸送は増えない
さらに、日本のコンテナ取扱は増えない方向にある。コンテナ輸送の相当部分は工業国間で重く嵩張る半完成品を送受する手段となっている。生活必需品や最終製品の輸送需要はそれほどでもないし、高度製品や高度部品は価格的にペイするので空輸する。
この状況であるのに、コンテナ輸送能力について勝手に危機感を抱くのは不思議なものだ。
京浜、阪神の両港も基幹航路便数の大幅減に悩む。16年から10年間で港湾のコンテナ取扱数は世界全体で2・2倍。日本は1・3倍にとどまった。人口減や地元産業衰退に悩む地方の港湾はより深刻だ。
だいたいコンテナの取扱高は輸送需要を反映したものに過ぎない。そして、取扱能力は逼迫していない。それが経済のボトルネックになっているわけでもないのに、問題視するのは妥当ではない。
■ 港湾行政の失敗に触れない
この状況で、港湾増強を言い出すのは相当にズレている。本来なら身の丈に合わない投資と批判すべきものだ。
だが、産経はそれが見えない。
そもそも、港湾行政ひいては輸送行政の失敗に触れていもいない。
日本はコンテナ取扱港を絞れなかった。本来なら外洋に近い新設港、せめては東京湾に集約すべきを微妙な神戸、大阪にも中途半端に投資した結果、ハブ港化に対応できなかった。
これは空港整備も同じである。ハブ空港も国家に一つあるかどうかなのに、各地に中途半端な空港多数を作った。
そして、今でも名古屋のようなどうてもいい港の整備を擁護している。
所詮はトヨタ港である。本当に必要なら、トヨタだけが使う自動車岸壁や自動車部品のコンテナ岸壁はトヨタがやればよい。ケチな名古屋気質企業だから「トヨタも一割出せ」と言えば「輸送力は充分」と黙るだろうよ。
だいたい、トヨタがいつまで名古屋から積み出すかわからない。円が高くなれば海外生産にシフトする。名古屋積み出しは減るし、海外生産の受け入れも、さして面積のいる港でもない。結果的に日産、ホンダあたりとアライアンスのような形で運ぶようになれば、名古屋に陸揚するかは微妙なものだ。
それを援護する産経記事の言いようも、産業界と役所のタイコを地で行くようなものだ。まずは静岡空港を擁護するようなものでしかない。この港湾の過剰整備礼賛も、まずは「シンもんじゅ作れ」と同じようなものだ。
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No title
00:46
岩見浩造
URL
編集
今回、思う所あり、下記ブログを書きました。
その際、当記事を紹介させていただきました。
日本が韓国に学ぶべき点をまとめてみる
http://iwamin12.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-e14e.html