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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2016.10
21
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20:10
Category : 未分類
 桜井よしこさんは土地の所有と利用は別個であることを知らない。外国人土地所有禁止法を作れば日本の国土は保安されると主張しているのはそういうことだろう。桜井さんの記事「外国資本による国土買収が深刻化 100年後まで守り抜く立法が必要」はそれを示している。


■ 抜け穴だらけの発想

 桜井さんの発想は抜け穴が多い。

 その問題意識は「わが国の国土を猛烈な勢いで買い取る中国」(桜井)を警戒するものだ。それを「国土を買い取られることは、国を奪われることだ。」と総括している。まずはいつもの中国人嫌いでしかない。*

 だが、考えつく対抗策は登記できなくする程度のものだ。そこに現実的な効果は何もない。といった発想のだめた。日本維新の会の議員立法案(無論、相手にされず)について「三自衛隊、海上保安庁、原子力発電所周辺の土地は危機管理上、A分類に指定し、政府の許可なしには取引不可とする。」(桜井)と紹介している。つまりはそれで問題は解決すると考えている。

 そのあたり、土地の所有と利用は別々にできることに頭が回っていない。土地を買うのではなく借りて上モノつくってもよいし、塀で囲って占有的状況を作り出してもよい。利用からすれば、土地を買ったのと同じことだ。


■ 日本法人を作れば終わり

 そもそも、所有を禁止したところでいくらでもやりようはある。

 登記のこだわるなら日本人名にすれば終わる。自分たちだけで日本法人を作って法人名義とするか、念のために日本人を代表とする会社を作るかはある。だが、いずれにせよその会社を支配しておけば土地も所有できる。

 また登記はしなくても所有はできる。買っておいて買ったままでも問題はない。前所有者に別人に売られたとき対抗できないだけで、それがなければそのままで終わる。田舎の自衛隊基地の周りはそんなもので、数十年間に死んだ爺ィ婆ァの登記のままである。子孫も誰が相続したのかもわかっていない。


■ それなら外国人の株式保有も禁止しろ

 結局、この問題は登記簿を見ただけの話である。登記簿上に中国人の名前が一杯ある日本は侵略されているとネトウヨ的に短絡したものだ。登記簿上から中国人の名前を消せといっているだけだ。

 その理屈なら外国人の株式保有も禁止するといえばよい。日本の企業の株式の名義人が白人や中国人で一杯である。「わが国の会社を猛烈な勢いで買い取る中国」やら「企業をを買い取られることは、経済を奪われることだ。」と総括してそういえばよい。

 そこでようやく株の所有と配当と議決権は別個にできることに気づく。株の名義人を日本人に限る法律を作ったところで、誰かが代わりに配当を受け取って送金し、あるいは代表権だけを委任すれば終わってしまう。

 自衛隊周辺の土地が、水源涵養林がというのも、その程度の発言でしかないということだ。

 桜井さんは本気でそう考えているのか、商売づくでネトウヨ支持者やパトロン向けに誤っていることを知りながらそういっているのかは明瞭ではない。だが、商売でやるにはアラだらけなのでおそらく前者だろう。



オマケ(前の記事へ http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-1708.html
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Comment

非公開コメント

No title

この問題は難しいですね。
欧米先進国では外国人の土地所有を禁止、制限する例は少ないのですが、中韓は元より、日本でも良く知られたタイやフィリピン、マレーシアなど、アジア圏を中心とした途上国他で、外国人の土地所有を禁止、制限する国・地域は少なくないです。但し、中南米諸国では、その例に当てはまらない事が多いのですが。

とは言え、悪意を持った外国の手合いが、日本の国土の侵食やテロ、スパイの類を働く為、真正面から来るほど、マヌケでも、抜け作でもなかろう。組織防衛を考えるならば、一見、全く関係のない日本人を一本釣りして、オモテに出す位の知恵は持っているでしょう。尤も、是は過去、散々、組織暴力団や闇金融が実施した古臭い手口で、日本警察も承知していますが。

ですから、この手の問題を論ずる桜井女史には、それくらいの事も判らないのだろうか?また、有事や其れに準じた事態の際には、資産凍結などもあるのですが・・・。

まだ、外国人や外国企業の不動産取得を制約したければ、『相互主義』を謳った方が説得力が有るでしょう。しかし、是も法務省は、WTO協定を踏まえれば「外国人であることを理由に、土地取得を一律に制限することは難しい」としていますが。





No title

福沢諭吉の回想録で、幕末の使節団がオランダかベルギーかで現地の政財界人と懇談した際、
「当地では土地の売買が自由であるという。だがもし外国人が土地を買って、城を築き大砲を構えでもしたらどうなさるのか?」
と本気で質問し相手を困惑させたというエピソードがあります。
そのころと同レベルの認識なのでしょう。

都会っ子純情

国が買い取るにも原野商法で転売され、誰が所有してるかわからないってやつ。

数多久遠先生のネタだと思ってましたがよくご存じでしたね。

>田舎の自衛隊基地の周りはそんなもので、数十年間に死んだ爺ィ婆ァの登記のままである。子孫も誰が相続したのかもわかっていない。

No title

逆に考えたらどうよ、というのはいかがでしょうかね。日本企業の中国やアメリカの工場が、日本企業が資本の所有者である事を理由に操業停止命令を下されたり、差し押さえされたりしたら、我々の反応としては「日本に何か恨みでもあんのか」ってなる気もします。特に中国でそういう事が起こったら桜井さんは中国批判しそうな気もしますが、どうなんでしょうかね。

No title

2016.10.24 00:58 投稿の名無し様へ。
チャイカですが、名無し様の御指摘には、ごもっともな処が有ります。確かに現地に進出した日本企業が、一方的な操業停止や差し押さえを受ければ、桜井女史に限らず、私でも、当該国に良い感情は持ちません。

しかし、最近は余り聞きませんが、過去、途上国に進出した先進国企業が、現地の政変等で一方的に国有化や接収された例はさほど珍しくはないです。また、些細な事で、現地の慣習を違えてしまい、大きな問題になった事も・・・。

ですから、日本企業も、中国の改革開放経済の動きに乗って、現地に進出したものの、暫くの間、オフィスに出国用の航空券を用意する等の対策を行っていたと聞きます。何故なら、当時はまだ、企業上層部に敗戦後の大陸からの引き上げ者の悲劇を存じていた方がいましたから。しかし、その後、時代の変遷で甘くなったものの、05年、10年、12年に起きた反日デモと日貨排斥で手痛い打撃を受けましたから、其れなりの危機管理等は取っているでしょう。

結局の処、是はカントリーリスクなり、危機管理の問題としか、言えないのですが。