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Category : 未分類
地政学はあとづけの宿命論でしかない。今なら英米は大陸の周辺部に介入しなければならない、あるいは周辺部は大陸部に対抗しなければならないもので、そこになんの根拠もない。
その中身も適当である。夕刊フジの藤井厳喜さんの「【最強兵器としての地政学】南シナ海の攻防 中国の勢力拡張に日、米、東南アジアはどう迎え撃つか 」は全くそれだ。
■ 都合よく中国をランドパワーとしている
例えば、都合よく中国をランドパワーにする点だ。図版では中国がランドパワーになっており、本文でも
だが、中国はランドパワーだろうか? 元々の地政学は純内陸国であるロシア=ソ連を指す用語であった。そして交易を求めるといった理由を伏せて海へのアクセスを求めるといった説明がされている。だが、中国はもともと沿海部に成立しており、海へのアクセスを持っている。
■ ランドパワーだから世界征服を狙う
そして「ランドパワーだから世界征服を狙うんだよ」と粗暴な説明をしている。
では、今の中国の進出方向である一帯一路はどうなのだろうか? 一帯はリムランドではなく中央アジアから中東方面であり、一路もリムランド支配ではなく、中東・欧州への海上交通路打通であり、アフリカとの通商線確保でしか無い。
そもそも、冷戦期の旧ソ連もリムランドであるはずの日本は狙えなかった。かれらの極東長期戦略は勢力維持が手一杯であり、日本の経済的支援を欲していた。
■ ご都合主義の宿命論
結局はご都合主義の宿命論でしかない。アレ右派、かつてならばソ連、今なら中国をほぼ宗教的観念から宿敵視している連中、今で言えば沖縄のアンチ基地反対運動の連中に向けたご都合理論が地政学だ。
逆に、地政学を振り回していれば、宗教的観念にハマっているか、それを利用しようとする連中とみてよい。この夕刊フジもそうだが、あるいは一つ覚えで逆さ地図を出す御仁がそれだ。

逆さ地図は宿命論でしかない。中国は琉球列島線を奪い、太平洋にアクセスしたがっていると言う。だが、その熱意を考えればよい。インド洋や中東へのアクセスとは異なり、中国は国家ぐるみで太平洋に出たいわけではない。
その熱意はさほどでもない。対米戦の文脈で原潜を出したいくらいのものはあるが、それを実現できる見込みはない。逆に平時にはアクセスは確保されており、その主目的である米国との交易は平時でしか確保できない。
そのあたりをご存じなければ無知であるし、承知していれば中国に対し宗教的危機感を持つ信者を騙しているものだろう。
その中身も適当である。夕刊フジの藤井厳喜さんの「【最強兵器としての地政学】南シナ海の攻防 中国の勢力拡張に日、米、東南アジアはどう迎え撃つか 」は全くそれだ。
■ 都合よく中国をランドパワーとしている
例えば、都合よく中国をランドパワーにする点だ。図版では中国がランドパワーになっており、本文でも
南シナ海をめぐる攻防は、中国というランドパワーのマージナルシーへの勢力拡張を、シーパワーである米国や日本、東南アジア諸国がどう迎え撃つかという戦いだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161018/dms1610181700008-n3.htm
だが、中国はランドパワーだろうか? 元々の地政学は純内陸国であるロシア=ソ連を指す用語であった。そして交易を求めるといった理由を伏せて海へのアクセスを求めるといった説明がされている。だが、中国はもともと沿海部に成立しており、海へのアクセスを持っている。
■ ランドパワーだから世界征服を狙う
そして「ランドパワーだから世界征服を狙うんだよ」と粗暴な説明をしている。
そして、中国が沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙うのも、東シナ海というマージナルシーを支配し、沖縄本島を手中に入れ、やがてリムランドである日本列島を脅かそうという、彼らの長期戦略に沿った動きなのである。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161018/dms1610181700008-n3.htm
では、今の中国の進出方向である一帯一路はどうなのだろうか? 一帯はリムランドではなく中央アジアから中東方面であり、一路もリムランド支配ではなく、中東・欧州への海上交通路打通であり、アフリカとの通商線確保でしか無い。
そもそも、冷戦期の旧ソ連もリムランドであるはずの日本は狙えなかった。かれらの極東長期戦略は勢力維持が手一杯であり、日本の経済的支援を欲していた。
■ ご都合主義の宿命論
結局はご都合主義の宿命論でしかない。アレ右派、かつてならばソ連、今なら中国をほぼ宗教的観念から宿敵視している連中、今で言えば沖縄のアンチ基地反対運動の連中に向けたご都合理論が地政学だ。
逆に、地政学を振り回していれば、宗教的観念にハマっているか、それを利用しようとする連中とみてよい。この夕刊フジもそうだが、あるいは一つ覚えで逆さ地図を出す御仁がそれだ。

逆さ地図は宿命論でしかない。中国は琉球列島線を奪い、太平洋にアクセスしたがっていると言う。だが、その熱意を考えればよい。インド洋や中東へのアクセスとは異なり、中国は国家ぐるみで太平洋に出たいわけではない。
その熱意はさほどでもない。対米戦の文脈で原潜を出したいくらいのものはあるが、それを実現できる見込みはない。逆に平時にはアクセスは確保されており、その主目的である米国との交易は平時でしか確保できない。
そのあたりをご存じなければ無知であるし、承知していれば中国に対し宗教的危機感を持つ信者を騙しているものだろう。
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Comment
No title
09:32
snobbie
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安保法制を正当化するけど昔のソ連の核ミサイルを全く無視しているのと
同じですね。
自分の都合のいいところを理由に使っているだけ。
09:37
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地政学にハマるのは、上の連中以外にも、戦史オタや、Hearts of Iron好きのゲーマーにも多そうです
青木日出雄さんも○○
14:05
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iss.ndl.go.jp/sp/show/R100000002-I000001897264-00/
No title
20:23
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彼らの置かれている環境からしても無意味だし、とっている政策や戦力整備の方向からも彼ら自身それを自覚している
No title
23:53
おひさま
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09:15
きらきら星
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警察は一定数の事故犯罪が無いと困るし、消防署もそれなりに火事が無いと困る。
自衛隊も敵が居てくれないと困るのでしょう。存在意義が災害対処と海外派遣だけでは予算人員を維持できない。
本当の戦争が起きない程度の脅威は必要だし、脅威が無ければいろんなことを吹聴して脅威を作るんですよ。
13:20
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10:43
きらきら星
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あんな戦争やられた日にゃあ地政学もクソもねえや。
てきとうブログでの拾い物
20:01
被本塁打大王
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第093回国会 安全保障特別委員会 第4号
昭和五十五年十一月五日(水曜日)
午後一時三分開議
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/093/0770/09311050770004a.html
猪木正道「・・・地政学と称するインチキ学問――あんなものは学問ではありません。あれはハウスホーファーが考え出したインチキな一種の淫祠邪教のたぐいです。だからゲオポリティクというのは地政治と訳すべきであって、地政学なんというのはとんで、もない、学問の名に値しないものなんです。そういうもので何か『悪の論理』とかなんとかいって、もっともらしいことを言っている人がおりますけれども、そういうことは決してないということを申し上げて、私のあれを終わらしていただきます。」
反共で、元防大校長で、すぎやまこういちの恩師でもある猪木正道から淫祠邪教と一刀両断される地政学w
http://blog.livedoor.jp/googleyoutube/archives/51940073.html
16:54
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Yahoo知恵袋で
19:18
ブロガー(志望)
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Yahoo知恵袋で
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13218369823
を見つけました。民主制は実は他国や他民族を取って食うために作られた制度だといった事が書かれていました。今のアメリカの現状や近代欧州列強の収奪の凄まじさを見れば当たっているかも知れないと感じました。となれば地政学は「他国や他民族にとってより危険な方が危険でない方を『あいつらは危険だ』と言うためのある種の詭弁」ではないかと。地理的条件が国や民族に大きな影響を与える事自体は事実でしょう。極端な話日本やイギリスが大陸と地続きだったら、日本やイギリスといった「国」や「民族」は存在しなかったかも知れません(「フランスの一部」とか「中国または朝鮮の一部」とか)。しかしそれと地政学にはマルクス経済学の「資本主義では失業は不可避⇒社会・共産主義には失業は無い」、MMTの「通貨とは国の負債⇒国の借金はどんなにあっても問題では無い」と同様の「飛躍」と言うか「断絶」があるのではないかと思ったりもします。